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京太郎「うーん……いつも思うんだがHR早く終わりすぎなんだよなぁ、今部室に行っても誰もいないだろうし」スタスタ 京太郎(あーでも待てよ……先に掃除とか稗譜の整理とか終わらしておけば練習時間も少しは延びるかな……?)スタスタ 京太郎「そうじゃなくても綺麗なほうがみんなも気持ちよく打てるだろ……おし!まずはちゃっちゃと雑用の方を終わらせますか」ピタッ 京太郎(どうせ誰もいないだろうけど………)スゥッ 京太郎「ちわーっす!!今日もよろしくおねがいしまー」ガチャッ 玄「……ふぇ?」←着替え中 京太郎「……す」 玄「……え?えぇっ……!!?」アタフタ 京太郎「」 京太郎(お、おおおおぅおちおちつけオレ!!?)ダラダラ 京太郎(誰もいないであろう部室のドアを開けたら松実先輩が下がスカートで上がぶ、ブラだけでどーみても着替え中であばばば!!?) 玄「……き」ブルブル 京太郎(うわ……!ヤバっ!!)ダッ 京太郎「ち、ちょっと待ってください松実先輩!!」口塞ぎ 玄「ふむ!?」モガモガ 京太郎「ごごごめんなさい!!着替え中にいきなり突入してしまったことは謝ります!!だから今ここで叫ぶのだけは勘弁してください!!!」 京太郎(こんなとこ見られたら一発停学or退学だっつーの!!?) 玄「ふ……ふむん……」コクン 京太郎「あ……ありがとうございます……!」スッ 玄「ぷはっ……!きき京太郎くん!?なな、なんでこの時間に部室にいるの!!?ほほほーむるーむとかは!!?」/// 京太郎「俺のクラス早く終わっちゃいまして……っていうか松実先輩はなんでし、したぎで……!!」プルプル 京太郎(く、玄さんのおもち!!!!まさか生で拝めれる日が来るとはっっっ!!!!!)ジーン 玄「き、京太郎くん……見すぎだよ……///」隠し 京太郎「……はっ!?す、すいません……それでなんで松実先輩は部室でおきがえを?」 玄「私のクラスもHRが早く終わってね……前の授業、体育だったから……」ボソボソ 京太郎「なるほど、着替える時間が無くて体操着のままHR受けてすぐ部活ができるように部室で着替えようとしてた……そんな感じですか?」 玄「あぅ……そ、そのとおりなのです……///」ボッ 京太郎「あ、はは……そうだったんすかー」フイッ 京太郎(くっそぅ……できうることならずっと松実先輩のおもちを拝んでいたい……が!それは無理……!!そんなことをしたら変態のレッテルを張られてしまう……!!!っていうか松実先輩、俺も男ですのでいい加減ブラウスだけでも着替) ヨォォォッシィ!!!キョウコソアカドセンセイニマンガンチョクゲキダァァァ!!!ドドドド チョットシズ!!ロウカハハシラナイノ!!! 京太郎「っておいおいおい!?このタイミングで来ますか穏乃さん!?」 玄「えぇっ!?ど、どうしよう!!?」アタフタ 京太郎(この状況だと俺どころか松実先輩にも迷惑がかかってしまうじゃないか!!どうすりゃあいいんだ!?) 玄「き、京太郎くん!あそこのロッカーなら隠れられるんじゃないかな!?」ビッ 京太郎「ナイスです松実先輩!!とりあえず早く隠れねーと……!!」ダッ 穏乃「いっちばんのりーー!」ガチャッ 憧「まったくもう……後で先生に怒られても知らないわよ?」 穏乃「ご、ごめんごめん……」アハハ 憧「どうやらあたしたちが一番早かったみたいね」キョロキョロ 穏乃「そっかぁー、じゃあ玄さん達が来るまで待ってるかぁ……」ストン 京太郎「………な、なんとかなったみたいだな……」コソッ 玄「そ、そうだね……」コソッ 京太郎「…………」 玄「…………」 京太郎「…………何で松実先輩まで隠れてるんですか?」 玄「あ、慌てちゃってつい……よ、よくよく考えたら私が隠れる必要ってなかったよねぇ……」アハハ… 玄「……ごめんね、京太郎くん………私が入ったからよけい狭くなっちゃったね……」ジワッ 京太郎「だ、大丈夫ですよ……気にしないでください松実先輩、それより……このまま出てくと……」 玄「うん……」カァァ 京太郎(下着姿の松実先輩と一緒に出ていったら在らぬ誤解ができてしまうし……これはみんなが出ていくまでずっとこの状況でいるしかないか……) 玄(どうしよう……着替えだけは一緒に持ってきたけど、急だったから上すら羽織れなかったよ……こんな姿で見つかったら、京太郎くんにも迷惑かけちゃうし……部活が終わるまで隠れてるしかないよね……?) 数時間後…… 穏乃「とおらばリーチ!!」バシッ 晴絵「通らないんだなぁこれが……ロン!18000!!」ゴゥッ 穏乃「うきゃーー!!?」ガーン 憧「しず無警戒過ぎ……そういえば宥姉、玄から連絡来た?」 宥「うん……体調が悪くなったから今日はまっすぐ帰るってメールが来た」 憧「そっかぁ……灼、京太郎は?」 灼「音沙汰無し……どこいったんだか……」 晴絵「まったく……休むなら休むで私に一言ぐらい言ってほしいわ……」レジェンド… 晴絵「あ、ツモ、8000オール」ツモッ!! 穏乃「や、ヤバイって!もうトビそうなんだけど!!」アタフタ 玄「……ん」モゾッ 京太郎「ま、松実先輩……あんまり動くと……」 玄「ご、ごめんね京太郎くん……」ムニュ 京太郎(ぬぉっ!?……け、健全な男子高校生にこれはキツイ……っすよ、松実先輩の立派なおもちが直に……っ!!!)ブルブル 玄「……はぁ……ふっ………ん……」モゾッ 京太郎(と、吐息も首筋にかかって……あ、やば……これ以上は……マジで理性が……)クラクラ 玄(京太郎くん……つらそう、もとはといえば私が部室なんかで着替えなんかするからいけなかったんだし……) 玄(も……もっとくっつけばスペースも空いて楽になるよね……っ///)ギュッ 京太郎「っ!?」ビクッ 京太郎(ま……松実先輩……そ、そんなにくっつかれたら俺のマイボーイがっ!!?!?)ピクピク 玄(あ……なんだろ……………こ、これってひょっとして……京太郎くんの……っ!?)ドキドキ 京太郎「……っ!」ハァ…ハァ… 玄(京太郎くん……苦しそう………こうなっちゃったのも……私のせい……なのかな……?)クラクラ 玄(……きょ……たろー…くん)ソッ 京太郎「まっ…松実せんぱいっ……!?な、何を……?」ビクッ 玄「ごめんね……ごめんね京太郎くん……私のせいでこんなに苦しそうになっちゃったんだよね……///」 京太郎「……っ、松実先輩は悪くないですよ……だから無理してそんな事しないでください……!」ピク 玄「……無理なんかじゃないよ………京太郎くん……私のせいで…そんなにつらそうな京太郎くんは見たくないから……」サスッ…サスッ… 京太郎「だ……だめです……これ以上は……っ、もう我慢が……」ハァ…ハァ… 玄「……我慢も………しなくていいよ……」ハァ…ハァ… 京太郎「……っ、……くろ…さんっ………」ギュウッ 玄「…………おまかせあれ、……だよ…?」ニコッ 「いないと思ったか……?大間違いじゃけぇ」 ーーーーーキン・クリーーーーー 京太郎「………行ったみたいっすね」ガチャッ 玄「……そ、そう……だね……」 京太郎「………あの、玄さん………おれ…」 玄「え、あの……わ、私!おねえちゃんに見つからないように急いで帰るね///」イソイソ 京太郎「あ……玄さん!」 玄「……ま、また明日………京太郎くん……///」タッタッタ 京太郎「…………俺、ひょっとしてとんでも事しちまったのか…?」 京太郎「…やば……明日玄さんの顔を見れる自信がねぇ……」 カン!!
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361874491/ 京太郎「モモー、いるかー?」ガラッ 桃子「いるっすよー。どうかしたっすか?」 京太郎「やっぱ部室にいたのか。先生が呼んでたぞ」 桃子「あー進路調査っすかねえ」 京太郎「まだ出してなかったのか? まだ1年だし適当に書いてればいいだろ」 桃子「そういう適当なの好きじゃないっす!」 京太郎「そう言って遅れてりゃ世話ないって」 桃子「それはまあそうなんすけどね。とりあえずあと少しだし、これ読み終わったら行くっす」ペラ 京太郎「さっさと行けよ……何読んでんだ?」 桃子「少女漫画っすよー。ゆみ先輩に借りたっす」ペラ 京太郎「ゆみさん少女漫画好きなのか」 桃子「前に少女漫画の2人乗りのやり方を真似たとかあったじゃないっすか」 京太郎「あー……?」 桃子「ああ、そういえばあのとき京太郎は一瞬意識飛んでたっすね」 京太郎「お、俺はそんなことを忘れたのか!? ちくしょう!」 桃子「一緒に帰るとき毎回2人乗りしてるんすから、今更そんなのいいじゃないっすか」ペラ 桃子「まあともかく、ゆみ先輩は少女漫画大好きっすよ。私から貸すこともあるけど、借りるほうがずっと多いっすね」 京太郎「そうなのか」 桃子「そうだ、ゆみ先輩にこの主人公みたいなことやってみたらどうっすか?」 京太郎「どれだ?」 桃子「これっすよ。後ろからギューッて。俗にいうあすなろ抱きっすね!」キャーッ! 京太郎「こ、これはちょっと恥ずかしくないか」 桃子「女の子がやってもらいたい抱きしめ方第1位っすよ!」 京太郎「これやってゆみさんに拒否られたら俺立ち直れねえぞ……」 桃子(ゆみ先輩が嫌がるとか本気で言ってるんすかねこれ) 桃子「まあまあ、騙されたと思ってやってみるといいっす」 京太郎「いやでもなあ……」 桃子「……しょうがない、先にネタばらししてあげるっす」 京太郎「ネタばらし?」 桃子「ゆみ先輩がこれ見て『……いつか、私もやってもらいたいな』って言ってたんすよ」 京太郎「マジで?」 桃子「大マジっす。ゆみ先輩の望みを叶えるためにもやるっすよ!」 京太郎「そういうことなら……!」 桃子「その意気っす。私は先生のところに行ってくるから頑張るっすよー!」 京太郎「おう!」 ゆみ「京太郎、もう来ていたのか」ガラッ 京太郎「ゆ、ゆみさん!?」ガタッ ゆみ「な、なんだ?」ビクッ 京太郎「あ、す、すみません。特にどうというわけでは……」 ゆみ「おかしな奴だな」クスクス 京太郎「部長たちは説明会とかで遅れるみたいです」 ゆみ「ああ、もうそんな時期か。懐かしいな」 京太郎「ゆみさんはこの時期には進路決めてましたか?」 ゆみ「おおまかにはな。……まあ、プロを目指そうとは露ほども思っていなかったよ」 京太郎「試合とか出れてなかったですもんね」 ゆみ「ああ、私がプロになろうと思ったのは君のおかげだよ」 京太郎「お、俺ですか? 別に何もしてないですよ?」 ゆみ「そんなことはないさ。少なくとも全国へ行けたのは、長野の決勝で宮永に勝てたのは君がいたからだ」 京太郎「?」 ゆみ「分からなければそれでもいいよ」フフッ 京太郎「気になるじゃないですか」 ゆみ「……それじゃ、私が君に感謝しているということだけ分かってくれ」ボソッ 京太郎「……! は、はい」カアァァ ゆみ「……へ、変なことを言ってしまったな。ええと、この間の牌譜は……」クルッ 京太郎「……ゆみさん!」ダキッ ゆみ「ひゃっ!?」 京太郎「俺こそゆみさんには感謝してもしきれないですよ。麻雀を始めたのも、少しずつでも上手くなっているのも……」 ゆみ「わ、わかった。わかったから!」アワアワ 京太郎「……あれ? い、嫌でした?」ギクッ ゆみ「い、嫌なわけないだろう。ただ突然だったから……」カアァァ 京太郎「よかった……! 嫌がられたらどうしようって思ってました」ギュウ ゆみ「ひゃぅ……な、なんでこんなことしようと思ったんだ?」カアァァ 京太郎「モモからゆみさんがこういうの憧れてるって聞いたんですよ」ギュッ ゆみ「……ちょっと待て。私はそんなことを言った覚えはないぞ」 京太郎「……え?」 ゆみ「そもそも憧れてもいない」 京太郎「えっえっ?」 京太郎「えっと、じゃあこれは……」ダラダラ ゆみ「……」 京太郎「……あ、メールが」 桃子『先生にこってり絞られたんで今日は部活行かないで帰るっす(/_;)』 桃子『PS.騙されたと思ってやってくれたみたいっすね! ちゃんと写真も撮ったっすよ!(≧∇≦)/』 京太郎「……そういうのは騙されたと思ってって言わねえよ!!」 ゆみ「……写真も添付してあるな。というか部室に来てるじゃないか……モモお前その辺りにいるだろう!?」 シーン 京太郎「……くそっ、あいつ本当に帰ったみたいですね」 ゆみ「そのようだな……」ハァ 京太郎「……」 ゆみ「……」 京太郎「……」ギュッ ゆみ「あっ」 京太郎「ハッ、す、すみません! つい無意識に! い、今離します」ワタワタ ゆみ「ま、待った」ギュッ 京太郎「……? ゆみさん?」 ゆみ「もっと……」 京太郎「へ?」 ゆみ「も、もっとやってくれ。嫌じゃ、ないから」カアァァ ゆみ「その、君に包まれているようで安心するというか落ち着くというか」 ゆみ「いつも君の後ろから抱きついているけれど、こうして抱きしめられるのもいいなというか……」ハッ ゆみ「わ、私は何を言っているんだ……」カアァァ 京太郎「」ズキューン ゆみ「きょ、京太郎? すまない、今のは忘れて……」 京太郎「忘れられるわけないじゃないですか!」ギュッ ゆみ「きゃっ!?」 京太郎「ああもう、ゆみさん大好きです!!」ギュー ゆみ「きょ、京太郎!?」アワアワ 京太郎「ゆみさんすげー可愛いです。愛してます! もう一生離しません!」ギュゥ ゆみ「ば、バカなことを言うな。その、嬉しいがこんなところを見られたら……」 京太郎「大丈夫ですってモモも来ないって言ってま――」 ガラッ 睦月「こんにち――」 佳織「遅くなってごめ――」 京太郎「……」(抱きしめてる) ゆみ「……」(抱きしめられてる) 一同「………………」 睦月「す、すみませんでしたー!」ダダダッ 佳織「ご、ごゆっくりー!」タタタッ ゆみ「ま、待て! ち、違う、これは違うんだ!」バッ 京太郎「そ、そうです! モモに騙されて!」バッ 佳織「そんな力強く抱きしめといて何言ってるの!?」タタタッ 睦月「今日は自主練習にしておきますから!」ダダダッ 京太郎「ちょ、せめて走りながら抱きしめてとか言うのはやめてください!!」 ゆみ「……行ってしまったな」 京太郎「……まあ、冷静に考えたら誤解も何もないですよね」 ゆみ「まったくだ。何をしていたんだ私たちは……」ガクッ 京太郎「どうしましょう。もう今日はみんな来ないでしょうし帰ります?」 ゆみ「そうだな……。もう誰も来ないか……」ハッ ゆみ「じ、実はいい麻雀の教本を持ってきたんだ。よければ一緒に読まないか?」 京太郎「いいですよ。……って一緒に?」 ゆみ「あ、ああ。2冊あればよかったんだが1冊しか持っていないんだ。だから一緒に……」 京太郎「一緒に……も、もしかしてさっきので?」 ゆみ「……」コクッ 京太郎「……わかりました。じゃあそこのソファーで。俺の上に座ってください」 ゆみ「! あ、ああ」 京太郎「はい、どうぞ」 ゆみ「それじゃあ……ど、どうだ? お、重かったら言ってくれ」 京太郎「重くなんてないですよ。むしろ軽いです。……それよりあんまり深く腰掛けないでくださいね」 ゆみ「なぜだ?」 京太郎「えっと……まずいので」 ゆみ「? まあわかったよ」 京太郎「ありがとうございます。じゃ、じゃあ本借りますね」 ゆみ「あ、ああ。その、一緒に勉強しよう」 京太郎「は、はい」 京太郎「……」ペラ ゆみ「……」 京太郎「……」ペラ ゆみ「……落ち着くな。普段より頭に入ってくる気がする」 京太郎「俺も全然眠気とか感じないです。本読んでるとよく眠くなるんですけど」 ゆみ「……そういうことを言っているのではないんだが」ハァ 京太郎「え!?」 ゆみ「まったく、もっと知識も付けないとダメだぞ」フフッ 京太郎「はーい」 イチャイチャ 智美「……なんだこれは」 ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ ――新人戦―― 京太郎(これを通さないときっと勝てない……!) 下家「……それだ。ロン。8000」 京太郎「うげ……」ガクッ アナ『試合終了ーー! 須賀選手、最後の最後で振り込んでしまいました』 藤田『夏のような回避は出来なかったか。まあミスをして振り込んだというわけではないが』 アナ『これで須賀選手はこの卓で3位に転落。現在総合順位は4位ですから3位以内に入るのは難しくなりました』 藤田『上位のミス待ちだが、こういう流れではそれも期待薄だろうな』 京太郎「なんであんなの切ったかなあ……」 下家「よう、また会ったな」 京太郎「あ、下家(しもや)さん」 下家「3ヶ月で随分上手くなってるじゃねえか。夏大じゃ俺もヤバイかもな」 京太郎「1位の癖に何いってんですか」 下家「まあ負ける気はねえよ。リベンジは夏までしか受け付けてねえからな。楽しみにしてるぞ」スタスタ 京太郎「……俺が負けられなかったのは今回だったんですよ」ハァ 京太郎「はぁ……」ガチャ 桃子「お疲れさまっす。ため息なんてついてどうしたっすか?」 京太郎「最後の最後で振り込んだからだよ……ちなみに順位はどうだった?」 桃子「変わらずっすね。4位っす」 京太郎「あー、やっぱりそうか……」ガクッ 睦月「落ち込むな……って言ってもダメかな。後一歩だったね」 京太郎「はい……」ハァ 桃子「そんなに落ち込むことないすっよ。麻雀初めて1年も経たないのに県4位なんて凄いじゃないっすか」 京太郎「上出来だとは思うけど、どうしても、というか出来れば今回全国へ行きたかったんだよ……」 桃子「そりゃあ出来れば勝ちたいのは当然っすけど、そんなこと言ったらキリないっすよ」 京太郎「まあ確かに負けてから言ってもしょうがないんだけどな……」ズーン 佳織「そんな顔してたら加治木先輩に心配かけちゃうよ? いい成績だったんだから胸を張らないと」 京太郎「ゆみさん……」ハァ 佳織「あ、あれ? 余計元気なくなった?」アセアセ 桃子(あーもしかして) 睦月(加治木先輩がいる間に全国に行きたかったのかな……?) 睦月(加治木先輩は別に気にしないと思うけど……本人の問題だしなあ)ムムム 桃子「……ほら! クヨクヨするのはその辺にして、私たちの応援するっすよ!」 睦月「! そうだね。せっかく私たち3人決勝に行けたんだから、頑張って応援してもらわないと」 京太郎「……そうですね。すみません、自分が終わったからって……」 睦月「ううん。ただ、それは私たちじゃどうにも出来ないから、帰ってからゆっくり2人で話してね」フフッ 京太郎「えっ」ギクッ 桃子「あれだけわかりやすかったんすから、そんなバレたみたいな顔しないで欲しいっすね」 京太郎「ええ!?」 佳織「えっえっ?」 桃子「かおりん先輩はそれでいいんすよ」ポンッ 佳織「気になるなぁ……」 睦月「後で教えるから、今は決勝をがんばろう」 佳織「うん。わかった!」 桃子「それじゃ行ってくるっす。応援ちゃんとするっすよー」 京太郎「ああ、分かってるよ。先輩たちも頑張ってください!」 ――帰りの電車―― 桃子「~♪」 佳織「嬉しそうだねー」 京太郎「電車の中であんまりはしゃぐなよ?」 桃子「あれ、僻みっすか? 僻みっすね? 男の嫉妬は見苦しいっすよ~♪」プププ 京太郎「殴りてえ……!」 佳織「だ、ダメだよそんなことしちゃ」 京太郎「そりゃしませんけど気分として……!」 睦月「まあまあ、全国に行けたんだから今日のところは多目にね」 桃子「そうっすよ。心を広く持つっす!」 京太郎「本人に言われると腹立つな!」 睦月「あはは。……それにしても夏と秋、連続で全国出場するなんて想像もしてなかった」 桃子「来年はきっと新入部員たくさん来るっすよー!」 佳織「そうだね。新入生に負けないかちょっと怖いな」ブルブル 京太郎「佳織先輩は大丈夫ですよ。何があっても入れます」 佳織「京太郎くん、3年生だからってそれはよくないよ」 京太郎「いや、実力ですよ」 佳織「……? あ、それまでに上手くなれってことだね。頑張ります!」 京太郎「…………はい!」 佳織(少し間が空いたのが気になるなあ……?) 桃子「次は団体で全国に行きたいっすね」 睦月「うむ。私も部長として恥ずかしくないように頑張らないと」 京太郎「団体戦は俺も出たいなあ」 佳織「来年は出られるんじゃないかな? 夏の最後の試合はかっこよかったよ」 京太郎「ほんとですか! 俺に憧れる後輩が出来るのか……!」 桃子「今日の最終戦で振り込んだのがどう出るかっすね」 京太郎「忘れようとしてたのに言うなよそれを……」ガクッ 睦月「大丈夫だよ。別にミスってわけじゃないんだし」 京太郎「結果的に振り込んじゃいましたから……」 桃子「まったく、いつまでも引きずるんじゃないっすよ」 京太郎「誰のせいだよ!?」 佳織「まあまあ。そろそろ着くよ」 京太郎「あ、ほんとですね。モモなんかにかまってる場合じゃありませんでした」 桃子「なんかとは失礼っすね」 京太郎「お前が悪い」 桃子「んー! 疲れたっすー!」 佳織「だいぶ遅くなっちゃったね。もう暗くなってる」 睦月「もう秋だね。夜になると寒いや」ブルッ 京太郎「ですねえ。……これじゃ今日はゆみさんに報告出来ないなあ」 睦月「え? まだしてなかったの?」 京太郎「はい。直接言おうと思って。もうちょっと早く帰れるかなと思ってたんですが」 桃子「勝ってたらいいっすけど負けてるとあれっすね」 京太郎「わかってるよ! 言うなよ!」 睦月「でもそれなら悪いことしちゃったかな。蒲原先輩に結果送っちゃったから、もしかしたら加治木先輩にも伝わっちゃってるかも」 京太郎「まあそれはそれでしょうがないです」 京太郎「どっちにしろこれじゃ明日になりますから、ニュースか何かで知っちゃうかもしれないですし」 佳織「もう一本早い電車に乗れてればよかったね」 京太郎「そうですね。電車が少ないと辛……!?」 ゆみ「おかえり、京太郎」 京太郎「こ、こんな寒い中何やってんですか!?」 ゆみ「寒さは大丈夫だよ。ほら」ピトッ 京太郎「わっ!?」 ゆみ「カイロを持ってきてるんだ。さっきまで電車にいた君の頬より暖かいだろう。まあカイロを使うには時期が少し早いが」 京太郎(あわわわわ。やばい、顔が熱い。いや手が熱いから顔も熱くなってるんだけどそれだけじゃなくて……) 京太郎「って、そうじゃなくて! それはそれです! カイロがあるからってこんな寒い中ずっと外にいたら体に良くないです」 ゆみ「京太郎が頑張って来たんだからこれくらいなんてことはない。それにしょうがないだろう。君の結果を早く聞きたかったんだ」 京太郎「すげえ嬉しいですけど、もっと自分の体も大事にしてください。せめて喫茶店とかで待ってるとか」 ゆみ「しかし……」 京太郎「しかしじゃないです」 ゆみ「わかった……」シュン 京太郎「あ、い、いや。凄い嬉しいんですよ? 嬉しいんですけどゆみさんのほうがずっと大事なので……」 ゆみ「大丈夫、わかってるよ。ありがとう」 ゆみ「ところで結果はどうだったんだ?」 京太郎「ええと……」 桃子「私は全国出場出来たっすよー!!」 ゆみ「本当か!? 凄いじゃないかモモ!!」 桃子「先輩に続いて夏秋連続っす! 鶴賀も強豪の仲間入りっすよ!」 ゆみ「よくやった!」 桃子「嬉しいっす!」 京太郎(モモおおぉぉぉ!! お前が先に言うと俺が言いづらいじゃねえか!! せ、せめて最後にならないように……) 京太郎「俺h」 睦月「私は決勝リーグには行けました。順位はあまり良くありませんでしたけど……」 佳織「私も決勝リーグに出場出来ました! でも順位は良くなかったです……」 ゆみ「そうか、2人もよく頑張った。夏は予選で敗退してしまっていたんだから、よく成長しているよ」 ゆみ「順位なんて後から付いてくるものだ。そんなに気にする必要はないさ」 佳織「はい、ありがとうございます」 睦月「わかりました。でも部長として恥ずかしくないくらいの順位は取っておきたかったです……」 ゆみ「別に部長が強くなければならないというわけじゃない。要は部をまとめられるかどうかだよ。蒲原もそうだろう?」 睦月「……そうですね。蒲原先輩みたいになれるよう頑張ります」 京太郎(先輩ー! いい話なんですが、前とほとんど変わらない俺が余計言いづらい空気に!!) ゆみ「……それで京太郎は――」 桃子「あ、もう遅いし私たちは先に帰ってるっす」 睦月「2人でゆっくりしてください」 佳織「京太郎くん、加治木先輩を送って行ってね」 ゆみ「ん、そうか」 京太郎「ちょ、お、おいモモ」 桃子「なんすか?」 京太郎「お前こんな雰囲気で置いてくなよ! 前回と似たような感じでしたなんて言いづらいじゃねえか!」ヒソヒソ 桃子「……や、正直惚気けるの分かっててこの場に居るのはちょっと」 京太郎「はあ!?」 桃子「……そんな心外だみたいな顔されても」 ゆみ「……何をこそこそ話しているんだ?」 京太郎「い、いえ。なんでもないですよ」アハハ 桃子「それじゃ私たちはお先に」 睦月「さよならー」 佳織「また明日ね」 京太郎「うわ、ほんとに帰った……」 ゆみ「いいじゃないか。その、き、気を使ってくれたんだろう」 京太郎「まあそうなんでしょうけど……」 ゆみ「……それに、2人きりになったのにそんな顔をするのはどうなんだ」 京太郎「あ、いえ、決して嫌というわけではなくてですね……」アセアセ ゆみ「それはわかっているが……まあなんだ。し、嫉妬したくなるからやめてくれ」カアァァ 京太郎(あ、やばい。めちゃくちゃ嬉しい)ジーン ゆみ「そ、そんなことより! 大会の結果はどうだったんだ!?」 京太郎「うっ」ギクッ ゆみ「?」 京太郎「そ、その……4位でした」 ゆみ「……なんだ、さっきから言いづらそうにしていたから何かと思えば。いい成績じゃないか」 京太郎「いえ、モモが全国に行ったり、睦月部長たちは決勝リーグに進めるようになったり成果上げてるのに」 京太郎「俺だけほとんど変わりないですし……」 ゆみ「そうか? 4位になれたんだ。私は十分成長したと思うよ」 京太郎「でも得点的にも前回と比べて誤差くらいのもんですよ?」 ゆみ「そうかもしれないが、今回は前回までいた2人の魔物が混ざっていないだろう?」 ゆみ「あまり場が荒れない中でそれだけの点数を稼いだんだ。よく頑張った」 京太郎「それはそうかもしれませんけど」 ゆみ「ただまあ、それとは別に後一歩で全国へ行けなかったというのは単純に悔しいだろうと思う」 京太郎「……そうですね。夏に続いてですし」ガクッ ゆみ「お疲れ様ということで残念会……というと失礼かな。ともかく、よければこの辺りで食事でもしていこう。今日は私が奢るよ」 京太郎「家の方は大丈夫ですか?」 ゆみ「遅くなるかもと伝えてあるから問題ないよ。帰り道も君が送ってくれるだろう?」 京太郎「それはもちろん」 ゆみ「なら安心だ」フフッ 京太郎「じゃあ行きましょうか。……でも奢るのはいいですよ。というかむしろ俺が出しますって!」 ゆみ「君をねぎらうのに君が出しては本末転倒だろう」 京太郎「じゃあせめて割り勘で」 ゆみ「ダメだ。今日は先輩として私が出す」 京太郎「いやでも……」 ゆみ「それじゃあ次は彼氏として京太郎が出してくれ。それでいいだろう?」 京太郎「……わかりました。それじゃ今日はご馳走になります」 ゆみ「うん、素直なのが一番だ」 京太郎「それじゃどこに行きます?」 ゆみ「私の好きな店があるんだ。そこでいいか?」 京太郎「いいですよ」 ゆみ「わかった。それじゃ行こうか」 京太郎「はい」ギュッ ゆみ「!」 京太郎「どうかしました?」 ゆみ「……いや、なんでもない。案内するよ」 京太郎「わかりました」 ゆみ(寒いと言ったからかな。恋人繋ぎ) ゆみ(初めてではないけれど、自然にやってくれたのは多分初めてだ。恋人らしくなっているのかな)フフッ 京太郎「ゆみさん、なんか嬉しそうですね」 ゆみ「ああ、京太郎のおかげだよ」 京太郎「え?」 ゆみ「ふふっ」 京太郎(……よくわからないけど、ゆみさんが嬉しそうだしいいか) ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ 咲『こんばんはー』 ゆみ『こんばんは』 咲『この間京ちゃんと会っちゃいました。加治木さんのいないところで2人きりで』 ゆみ『ああ、私は大会に行かなかったからな』 咲『普通に返されてちょっと悲しいです』 ゆみ『何を期待しているんだ何を』 咲『ちょっと焦らせようと思ってもいいじゃないですか!』 ゆみ『はぁ……』 咲『まあそれは置いておいて、東横さんの全国出場おめでとうございます』 ゆみ『ああ、よくやってくれたよ』 咲『私も振り込んじゃいましたから、全国ではリベンジしたいです!』 ゆみ『リベンジも何も勝っているだろう。まさか一度も振り込まないことを目指しているのか……?』 咲『そ、そういうわけじゃ』 ゆみ『ふふ……君も断トツでの全国出場おめでとう。全国2連覇へ向けて好調だな』 咲『うーん、でも全国には大星さんとか荒川さんとか強い人がたくさんいますから……』 ゆみ『同じ長野の代表として、モモの次に応援してるよ』 咲『ありがとうございます!』 咲『……ところで、京ちゃんはどうでしたか?』 ゆみ『どうというと?』 咲『その、また後一歩ってところで負けちゃったから落ち込んでたりとかは……』 ゆみ『……そうだな。落ち込んでいたよ』 咲『そうですか……』 ゆみ『もう少しだったみたいだからな。多少はしょうがない』 咲『(ここで私が元気づければ……!)』 ゆみ『こら、何を考えている。それにその日のうちに私が元気づけたからもう遅いぞ』 咲『ちぇー』 ゆみ『本当に毎回油断も隙もないな……』 咲『本気なら書きませんって』 ゆみ『どうだか』 咲『信用してください!( _ )』 ゆみ『……悪いと思って今まで聞いていなかったんだが……夏大の後京太郎に告白したりしたのか?』 咲『……それを私に聞くんですか?』 ゆみ『冗談と分かっていてもさすがにこう何度も言われると気が気じゃないんだ』 咲『……断られると分かっててするわけないじゃないですか!!』 ゆみ『……そうか、それはすまなかった』 咲『そうですよ。するなら京ちゃんと加治木さんが別れてからです』 ゆみ『おいこら』 咲『傷心の京ちゃんを慰める私。そしてずっと好きだったのと囁く』 咲『いつも身近にいた幼なじみからの突然の告白』 咲『離ればなれになって何かが足りないと思っていた京ちゃんは本当に大切だったものに気がついて……』 ゆみ『それが狙いかお前は!!』 咲『別れるまでは何もしないので安心してください!』 ゆみ『出来るか!!』 咲『待つのは私の自由です!』 ゆみ『うっ……』 咲『……最初は私も諦めようと思って部活のみんなにそう言ったんですけど』 咲『優希ちゃんからそんなことで諦めるのかって言われて……』 咲『部長……竹井先輩からも確かに2人が別れる可能性は低いかもしれないけど』 咲『悪待ちって意外と来るものよって言われたんです!』 ゆみ(久か! あいつがこの元凶か!) 咲『でも本当に私から何かすることはないので安心してください。恨まれるからやめたほうがいいわよって言われましたし』 ゆみ『……そういう気遣いまで教えるのかあいつは。はぁ……』 ゆみ『ちなみにそういうことは私に言わないほうがいいとは言われなかったのか?』 咲『どっちでもいいけど、後腐れなくしたいなら言ったほうがいいかもとは言われました』 ゆみ『本当にあいつは……!』 ゆみ『……まあ何もしないなら私がどうこう言うことじゃない。ただ、無駄に時間を費やすだけだからやめたほうがいいとは言っておく』 咲『はい、わかってます。大会で久しぶりに会ったときも加治木さんのことばっかり話すんですよ。どう思います?』 ゆみ『嬉しいな』 咲『ですよね! うぅ……まあおもちには弱いみたいですけど』 ゆみ『おもち? どういうことだ?』 咲『あ、胸のことです。京ちゃん巨乳が好きじゃないですか』 ゆみ『初耳だ』 咲『そうなんですか? 全国大会のとき永水の巫女さんたち見て鼻の下伸ばしてましたよね』 咲『この間の大会で会ったときも私より先に和ちゃんのおもちのほうを見てましたし……』 ゆみ『ほう……』 咲『……! ち、違いますよこれは! 加治木さんも知ってると思ったからで……!』 ゆみ『ああ、うん。大丈夫だ。別にこれで別れるとかそういうことはないし、むしろ貴重な情報を伝えてくれて感謝している』 ゆみ『それではまた今度』 咲『ああぁぁ……。京ちゃん、ごめんね……』 ――部室―― ゆみ「……」 京太郎「……おい、どうしたんだ今日のゆみさんは」ヒソヒソ 桃子「知らないっすよ。私が来たときからずっとあそこに座って腕組んでるっす」ヒソヒソ 智美「京太郎、何したんだー?」ヒソヒソ 京太郎「お、俺ですか!?」ヒソヒソ 桃子「そりゃ他にいないっすよ」ヒソヒソ 京太郎「身に覚えがまったくねえよ……」ヒソヒソ ゆみ「おい、モモ」 桃子「は、はいっす!」ビクゥ ゆみ「ちょっとジャンプしてみてくれ」 桃子「はい?」 ゆみ「いいから」ゴッ 桃子「わ、わかったっす!」プルンッ 京太郎「?」チラッ ゆみ「……ありがとう」 桃子「ど、どういたしましてっす」 ゆみ「……」トコトコ 京太郎「……? あの、ゆみさん今日はどうし――」 ゆみ「」ツネリ 京太郎「いたっ、痛いですよ!?」 ゆみ「まあこれで許してやろう」 京太郎「何がですか!?」 ゆみ「後で教えてやる」 京太郎「えええ……今教えて下さいよ」 ゆみ「これは京太郎に対する私の慈悲なんだが……まあ、そこまで知りたいなら今教えてもいい」 京太郎「な、なんか怖いんでやっぱりやめてください」 ゆみ「うん、賢明だ」 桃子「ゆみ先輩は急にどうしたんすかね? まあ京太郎がなんかやったんだと思うっすけど」 智美(さすがに自分でやらせてあれってことはないだろうから、今までの分かなー?) 智美「それにしても今さらって気はするけどなー」ワハハ 桃子「あれ、智美先輩はなんのことかわかってるんすか?」 智美「わかってるぞ。まあ秘密だけどなー」 桃子「気になるっすー!」 智美「ワハハー」 ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ ゆみ「おじゃまします」 京太郎「どうぞ上がってください」 ゆみ「ここが京太郎の家か……」キョロキョロ 京太郎「そんな面白いもんじゃないですよ」 ゆみ「綺麗だな。家が出来てから半年くらいか?」 京太郎「もう少し経ってます。10ヶ月くらいですかね」 ゆみ「ふむ……」 京太郎「それがどうかしました?」 ゆみ「いや、小さい頃から暮らした家から引っ越すというのは寂しいのかなと。……私が思うのも失礼だな。なんでもない」 京太郎「まあ、寂しくなかったかって言ったら嘘になりますね。でも住めばここもいいもんですよ」 ゆみ「ん。そうか」 京太郎「それに向こうにいたままだったらゆみさんに会えませんでしたし! それだけでもこっち来てよかったですよ!」 ゆみ「そ、そうか」カアァァ 京太郎「じゃあここで待っててください。お茶でも出しますよ」 ゆみ「ああ、ありがとう」 ゆみ(日当たりが良くて気持ちいいな) 京太郎「粗茶ですが」 ゆみ「おかまいなく……何を言わせるんだ」 京太郎「一度言ってみたかったんです」 ゆみ「はぁ……ふむ、緑茶か」 京太郎「紅茶のがよかったですか? 煎れ慣れてないんでこっちにしたんですけど」 ゆみ「いや、和室にはこちらのほうが合っているさ」コクリ ゆみ「ん、おいしいな。煎れるのが上手いんだな」 京太郎「母親によくやらされたんですよ」 ゆみ「しっかり成果は出ているな」フフッ ゆみ「……そういえばご両親はどちらに」ソワソワ 京太郎「親父は仕事です。おふくろはなんか急に引っ越す前の友達と遊びに行くとか言って出てっちゃいました」 ゆみ「そうか。安心したような気が抜けたような……」ホッ ゆみ「……っ! と、ということは今この家には……!」 京太郎「え? ……! や、ち、違いますよ! ちょ、ちょっと待っててください!」バタバタ ゆみ(ど、どうしよう。気軽に遊びに行きたいなんて言ったがまさかこんなことになるなんて) ゆみ(ご両親と会うことは覚悟して来たけどこっちは覚悟してないぞっ。……か、覚悟って何の覚悟だ!?) 京太郎「ゆみさん」 ゆみ「ひゃっ!? お、落ち着け京太郎! まだ私たちには……!」 京太郎「まずゆみさんが落ち着いてください。ほら、連れてきましたよ」 ゆみ「……うん? それは?」 京太郎「ペットのカピです。ゆみさんこいつが見たくて来たんじゃないですか」 ゆみ「……そ、そうだったな」 京太郎「こいつがいるから2人きりじゃないですよ。だからその、決してそういうつもりだったわけでは……」 ゆみ「あ、ああ、うん。わかった。変なことを言って悪かった」 京太郎「俺もちゃんと言っとけばよかったですよね。すみません」 ゆみ「これがカピバラか……」キラキラ 京太郎「はい。ほらカピ、ゆみさんだぞー」 カピ「キュー」トコトコ ゆみ「おお……! な、撫でてもいいか?」 京太郎「もちろん、いいですよ」 ゆみ「で、では。カピー」ナデナデ カピ「キュ~」 ゆみ「意外と毛は固いんだな」ナデナデ 京太郎「ええ、ちっちゃい頃は柔らかかったんですけどね。手が痛くなりますから、あんまり撫ですぎないほうがいいですよ」 ゆみ「でも気持ちよさそうにしているしな……」ナデナデ カピ「キュ~」 京太郎「あんまり甘やかし過ぎるのもよくないんですよー」 ゆみ「まあたまにはいいじゃないか。しかし可愛いなあ」フフッ 京太郎「ですよね! こののんびりしたところがほんと可愛くて……!」 ゆみ「ふふっ。カピバラを飼っているなんて家は初めて見たが、どうしたカピバラを飼おうと思ったんだ?」 京太郎「大した理由じゃないですよ」 京太郎「俺が小さい頃にテレビを見て、可愛いとか飼いたいとか言ってたら無理して買って来てくれたんです」 ゆみ「そうなのか。いいご両親だな」 京太郎「あー……まあ、そうですね」 ゆみ「素直に感謝してもいいんだぞ?」クスッ 京太郎「やめてくださいよもう……なんか恥ずかしい」 ゆみ「ふふっ。おや、カピはどうしたんだ?」 カピ「キュゥ……」スースー 京太郎「ああ、寝ちゃったみたいですね。日当たりもいいですし、ゆみさんが撫でたのが気持ちよかったんですよ」 ゆみ「そうか。じゃあ起こさないように静かにしないとな」 京太郎「そうですね。すみません、こんな早く寝ちゃって。普段は日中寝たりしないんですけど」 ゆみ「それだけくつろいでくれたなら嬉しいよ。気持ちのいい日だしな」アフゥ 京太郎「ゆみさんもあくび出てますよ」アハハ ゆみ「うん、休日のこの時間はよく寝ているからな。恋人の家に来てこれは我ながらどうかと思うが……」ウトウト 京太郎「自分の家みたいに思ってもらっていいですよ。というかゆみさん昼寝とかするんですか? あんまりイメージじゃないですけど」 ゆみ「よくしているよ。私の好きなものは昼寝だからな」 京太郎「……え? 智美先輩じゃなくてですか?」 ゆみ「君は蒲原をなんだと……いや気持ちはわかるが。ともかく、私の趣味は昼寝だよ」 京太郎「てっきり読書とかそういうのが趣味なのかと思ってました」 ゆみ「それも好きだが、昼寝のほうが好きだよ」 京太郎「そうなんですか。意外な一面ですね」 ゆみ「意外も何も隠しているつもりはないんだが……」 京太郎「普段の姿から想像できないから一緒ですよ」 ゆみ「むぅ」 ゆみ「まずい、こんな話をしていたら本当に眠くなってきた……」ウトウト 京太郎「昨日あんまり寝れなかったんですか?」 ゆみ「京太郎のせいだぞ」 京太郎「え?」 ゆみ「君の家に行くと思うと楽しみでなかなか寝れなかったんだ」 ゆみ「ようやく眠れそうになったときにはご両親がいることに気付いて今度は緊張して眠れなく……」ウトウト 京太郎「俺のせいですかそれ!?」 ゆみ「ああ」 京太郎「理不尽だ……そんなに眠いなら寝ててもいいですよ。というか一緒に寝ましょう」 ゆみ「しかし初めての京太郎の家でそれは……い、一緒にねね寝る!?」 京太郎「ちょ、ち、違います! 昼寝するだけです!!」 ゆみ「紛らわしいことを言うな! ああもう、想像してしま――ってないからな!!」 京太郎「ほんとすみませんっ!」ペッコリン ゆみ「……しかしそうだな。お言葉に甘えようか。カピも気持ちよさそうに寝ているし」ウトウト 京太郎「はい。少し仮眠とりましょう。何か掛けるもの持ってきますよ」 ゆみ「いや、いいよ。十分暖かいし」 京太郎「そうですか? じゃあ枕代わりにクッションでも――」 ゆみ「いや、それもいい。その……」モジモジ 京太郎「?」 ゆみ「きょ、京太郎に腕枕してもらいたいんだ。ダメ、かな?」カアァァ 京太郎「」ズキューン ゆみ「昔から憧れてたんだ。い、嫌だというなら別にいいんだが、出来ればやってくれると、その、う、嬉しい」モジモジ 京太郎「もちろんやりますよ! いくらでもやりますとも!」 ゆみ「ほ、本当か?」パアァァ 京太郎「当然です! さあすぐにやりましょう!」 ゆみ「ああ!」 ゆみ「んっ」 京太郎「どうですか? 寝心地はあんまり良くないと思いますけど……」 ゆみ「これはどちらかというと精神的に落ち着くためのものだよ。京太郎に守られてるようで安心する」 京太郎「それにしてはちょっと遠いような気が」 ゆみ「これ以上近づくとドキドキしすぎて眠れそうにない。仰向けなのも同じ理由だ」カアァァ 京太郎「全然落ち着いてないじゃないですか」 京太郎(まあ俺もこれ以上近づかれたり、顔がこっち向いてたりしたら寝るどころじゃないだろうけど)ドキドキ ゆみ「それはそれ、これはこれだ。……それじゃあおやすみ、京太郎」 京太郎「はい、おやすみなさい」 …… … ゆみ「ん……」コロン ………… ……… …… … 京太郎「ふわぁ……うわやべ。3時間も寝ちゃって……っ!?」 ゆみ「」スースー 京太郎(ゆ、ゆみさんの顔が目の前に!? ち、近い近い! 動いたらぶつかりそうだよ!) ゆみ「んー」モゾモゾ ゆみ「ぅん、おはようきょうたろう」トロン 京太郎「お、おはようございます」 ゆみ「ふわぁ。ん~……うん!?」バッ ゆみ「ち、近っ!? な、何がどうした!?」アワアワ 京太郎「お、落ち着いてください! と、とりあえず起き上がりましょう」 ゆみ「そ、そうか。私が起きないと君も起き上がれないのか。よっ……っと」バサッ 京太郎「ふぅ。心臓が破裂するかと思うくらい驚きました」バサッ ゆみ「私もだ。一気に目が覚めたよ。……どうも私が寝返りを打ったせいのようだ。すまない」 京太郎「いえ、その、役得でした」 ゆみ「そ、そうか」カアァァ ゆみ「……ところでこのタオルケットは一体?」 京太郎「ほんとですね、いつの間に……まさか」サアァァ ゆみ「? あれ、テーブルの上に紙が」 京太郎「すげー嫌な予感がします」ペラッ 『京太郎へ こんな時期に何も掛けずに寝るなんて何考えてるの!? あなたはともかく、彼女さんが風邪でも引いたらどうするの。 恋人の体調を守るために最善を尽くすくらいの甲斐性は持ちなさい。ただ腕枕をしたのはいい選択だったと思います。 ゆみさんへ 初めまして。手紙での挨拶になってしまってごめんなさい。 まず息子がこんなに美人な子と付き合っているということに驚きました。 今日は自分の家のようにリラックスしてもらえたようでとても嬉しいです。 生憎これからまた出かけなければならないのでお話はできないのですが、今度は起きているときにお会いできるといいですね。 こんな情けない息子ではありますが、これからもよろしくしてやってください。 』 ゆみ「」サアァァ 京太郎「ほんとやめてくれマジで……」ガクッ ゆみ「私のバカ! なんでせめてお母様が来たときに起きなかったんだ!」 京太郎「いいですよ、気にしないでください。俺から言っときますから」 ゆみ「しないわけがないだろう!? 何を言うんだ!? うあああぁぁ……」 京太郎「大丈夫ですって。こんなの書き残したのは最悪ですけど、書いたことには悪気とか悪意とかはないですから」 ゆみ「そういう問題じゃ――」グスッ 京太郎「ゆみさん」ギュッ ゆみ「ひゃう!?」 京太郎「またウチに来てください。そのときにもう一回やり直しましょう」 ゆみ「……うん」コクッ ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ 京太郎「ゆみさ~ん」ダキッ ゆみ「ん、どうした?」 京太郎「うーん」 ゆみ「?」 京太郎「あすなろ抱き、やっぱり前より喜んでもらえてないのかなあと」 ゆみ「そんなことはないさ。嬉しいよ」 京太郎「だって最初の頃みたいに慌ててくれなくなったじゃないですか」 ゆみ「それはまああれだけやられればな。1日1回くらいのペースでやっていただろう。どうしたんだいきなり?」 京太郎「いや、モモからこんなこと言われたんですよ」 --------------------------------------- 桃子『またあすなろ抱きやってたっすね』ゲッソリ 京太郎『最初にやれって言ったのお前だろ。というか人がいるところではそんなにやってないはずだけど……』 桃子『あれで隠れてやってるってのも驚きっす。それに最初に言ったのは私でも限度があるっすよ。……!』ピコーン 桃子『それにゆみ先輩も実はそんなに嬉しくないんじゃないっすか?』 京太郎『そんなはずないだろ?』 桃子『でも最近は最初の頃みたいに慌ててないじゃないっすか』 京太郎『それは確かに……』 桃子『慌ててないってことはドキドキしてないってことっす! つまり飽きられてるってことっすよ!』 京太郎『な、なんだってー!?』ガガーン 桃子『だから控えたほうがいいっす。わかったっすか?』 京太郎『そんなバカな……』 --------------------------------------- 京太郎「こんな感じで」 ゆみ(モモには後でお仕置きだな) ゆみ「飽き……というか慣れてきたのは確かだが、別に嬉しい事に変わりはないぞ? ギュッと君に包まれている感じがして落ち着く」 京太郎「でも最初の頃ほどの感動はないですよね?」 ゆみ「感動というと違和感があるが、まあそうだな。……だからと言ってやめるなんて言ったら嫌だぞ」キュッ 京太郎「もちろん、俺も嫌ですよ。ですがこのあたりで改めていく必要はあると思うんです!」グッ ゆみ「改める? どうするつもりなんだ?」 京太郎「俺たちが一番よくやるのは俺の上にゆみさんが座って、俺が後ろから抱きしめるって形じゃないですか」 ゆみ「うん、そうだな」 京太郎「ここで逆向きにしましょう」 ゆみ「逆か? ううん……」 京太郎「どうでしょう」 ゆみ「京太郎がしたいというのなら私も頑張るつもりだが、あまり長くやるのは難しいな」 京太郎「え? なんでですか?」 ゆみ「さすがに京太郎を私の上に乗せて長時間というのは……」 ゆみ「まあ、どうしてもというなら構わないが。強引なのも嫌じゃな……」ゴニョゴニョ 京太郎「ゆみさんにそんなことさせるわけないじゃないですか!? 逆にするのは位置じゃなくて向きだけですよ! 向きだけ!」 ゆみ「なんだ、向きだけか」シュン 京太郎(落ち込んでる……? まあいいか) 京太郎「そうですよ。お互い向き合ってギューッと」 ゆみ「ふむ、たまには違う形でやってみてもいいかもしれないな」 京太郎「じゃあさっそくやりましょう!」 京太郎「……あの、それとは別に後ろから抱きつくの今度やって貰えませんか? 俺がゆみさんに乗るとかはやりませんけど」 ゆみ「ああ、いいぞ」フフッ 京太郎「ど、どうぞ」 ゆみ「あ、ああ。……と」ギシッ 京太郎「大丈夫ですか?」 ゆみ「ちょっとバランスを崩しただけだよ。しかしこの体勢は少し恥ずかしいな」 京太郎「何がです?」 ゆみ「……君の両足を挟む形になるから足が開いてしまって、その、スカートが無防備にだな」カアァァ 京太郎「可愛い」ボソッ ゆみ「なぁっ!?」 京太郎「い、いや、すみませんつい!」 ゆみ「き、君はまったく」ウツムキ 京太郎「それでえっと、どうしましょう。止めますか? やっぱそれは良くないでしょうし」 ゆみ「いや、いいよ。どうせソファーじゃ向こうからは見えないし、私の気分的な問題だけだからな」 京太郎「そうですか。じゃあもうちょっと近くに」 ゆみ「ん……このくらいでいいかな」カオアゲル ゆみ「逆向きになってみたわけだがどうだきょうた……ろう……」 京太郎「はい、新鮮でいいです……ね……」 京太郎(やばいこれやばいやばいやばいって! すげー近い! ゆみさんの目に俺の顔が映ってるのが見えるし!?) ゆみ(まずい。これはまずい。こんな近くで見つめ合うなんて……瞳に吸い込まれそうだ)クラクラ 京太郎(……近くで見て改めて思うけどゆみさんって綺麗だな) 京太郎(まさにクールビューティーって感じだ。まあ顔は真っ赤だけど。……ドキドキしてくれてるんだな) ゆみ(……顔で好きになったわけではないが、やっぱりカッコいいな) ゆみ(思わず見入ってしまう。緊張して真っ赤な顔も様になるんだから卑怯だ) 京太郎(耐えられるかわからないけど、もう少しこのまま) ゆみ(……これはダメだ。見惚れてしまって動けそうにない)ポー …… … 京太郎(……もうダメだ!) 京太郎「ゆみさんっ」ギュッ ゆみ「ひゃぅ!? きょ、京太郎!?」アセアセ 京太郎「ごめんなさい、あのままだともう耐えられなくなりそうだったんです!」ギュー ゆみ「た、耐えるって今のこれはなんなんだ!?」 京太郎「耐えてるんです!」 ゆみ「そ、そうなのか? うぅ……」カアァァ 京太郎「……」ギュー ゆみ「あうぅ……」 京太郎(ゆみさんの耳、小さくて可愛いな) 京太郎「……」ウーン 京太郎「……愛してます」ボソッ ゆみ「~~~~~っ!!」カアァァ ゆみ(み、耳元でっ! 愛してるって! ば、バカじゃないのか!? バカじゃないのか!?) 京太郎「ゆみさん、大好きです」ボソッ ゆみ「ふあぁぁ……」ヘニャァ 京太郎「……」カプッ ゆみ「んぁっ……ってこのバカ! それは違うだろう!?」 京太郎「す、すみません。つい」 ゆみ「ついじゃない! それにさっきもついと言っていただろう。何度言うつもりなんだ」 京太郎「反省してます」 ゆみ「いまいち信用出来ないな」 京太郎「信用してください……俺、本気で反省してます」ボソッ ゆみ「~~~っ! だ、だからそういうところが信用出来ないんだ!」 京太郎「あれ、こっちも嫌でした?」 ゆみ「……嫌じゃない。続けてくれ」カアァァ 京太郎「はい」 智美「……モモー?」ワハハ 桃子「わ、私が悪いんすか!?」 智美「あの2人にそんなこと言ったらこうなるに決まってるだろー! 心配して見に来たらこれだー」 桃子「私が甘かったっす……」ガクッ 智美「反省するんだぞー」 智美「さて、後はどのタイミングで入ってやるかだなー」ワハハ 桃子「私がステルスして2人の目の前に突然現れるのはどうっすかね」 智美「それはちょっとやり過ぎ感があるなー」ワハハ 桃子「そうっすか?」 智美「こういうのは見られたか見られなかったかわからないくらいのほうが緊張感が出ていいんだ」 智美「見られたと知ったら開き直りそうだしなー」 桃子「勉強になるっす」 智美「中の様子は――」 チュッ フゥ……ンッ ユミサン…… キョウタロウ…… 智美「……これ以上ほっとくのはダメだ。今すぐ開けるぞー!!」 桃子「はいっす!」 ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ 智美(ワハハですが部室の空気が最悪です) ゆみ『むぅ、ここでこういうことをやるのはあまり気が進まないんだが』 京太郎『いいじゃないですか。2人しかいないんですから』 ゆみ『しかし』 京太郎『それにゆみさんも気持ちいいって言ってたじゃないですかー』 ゆみ『確かにそう言ったが……』 智美(……風紀的な意味で) 智美(気持ちいいって、あ、あの2人何してるんだ!?) 智美(……なんてなー。私は騙されないぞ。こういうのは早とちりだって相場が決まってるんだ)ワハハ 智美(まあそれはそれとして面白そうだからもう少し立ち聞きしてみるかー) 京太郎『俺が言い出したことですけど、ゆみさんがこんなにハマるとは思ってませんでした』 ゆみ『勘違いされたら困るが、決して私が進んでしたがってるわけではないぞ』 京太郎『そんなことないでしょう? この間俺がしたいって言わなかったときは先輩の方からしたいって言ってきたじゃないですか』 ゆみ『そ、それは……!』 京太郎『ほらほら、どうなんです?』 ゆみ『調子に乗るな』コツン 京太郎『痛っ』 ゆみ『……私が進んでしたがってはいないというのは嘘じゃない』 京太郎『え?』 ゆみ『私がしたがるのはそれ自体が好きというより君とだからだよ』 京太郎『ゆみさん……』 智美(……) 智美(いやいや、騙されないぞ。したいとかしたがってるとか言ってるだけだしなー)ワハハ 智美(……まずそうになったらドアを開けよう) 京太郎『でもなんで好きじゃないんですか? てっきりゆみさんも楽しんでたのかなって思ってたんですけど』 ゆみ『楽しんでないわけじゃないんだ。ただやるにしても適度じゃないと』 京太郎『そんなに激しくしましたっけ……?』 ゆみ『私にとってはな。……していると、なんというか変になってしまいそうで』 京太郎『そんなことないですって。ゆみさんはしっかりしてますから』 ゆみ『ううん、京太郎に弱いところを見せたくないんだ。だから……』 京太郎『確かにこれなら俺でもゆみさんに負けてませんからね』アハハ ゆみ『君の前ではいつでも頼れる先輩でいたいんだ』ムゥ 京太郎『何でもかんでも負けてたら俺の立つ瀬がありませんって』 ゆみ『それでもだ』 智美(変になる……いやいやいや。まさかさすがにそんな) 京太郎『んー、それじゃ止めます?』 ゆみ『っ!』ピクッ 京太郎『やっぱりやりたいんじゃないですか』アハハ ゆみ『う、うぅ』 京太郎『いいじゃないですか、そんな恥ずかしがらなくても』 ゆみ『仕方ないだろう。あまり見せたくないところを見せてしまうんだから』 京太郎『ゆみさんはあまり見せたくないかもしれませんが、俺にとっては見たいところです!』 ゆみ『まったく君は……』フフッ 京太郎『……それじゃしましょうか』 ゆみ『……うん』 智美(い、今からここで!? こ、これはさすがに止めないと) 智美(正直気まずいけど、いくらなんでも放ってはおけないしなー)ワハハ 智美「何してるんだ2人と……も?」 京太郎「あ、智美先輩」 ゆみ「蒲原か。どうしたんだ?」 智美「……ワハハー?」 智美「2人麻雀?」 京太郎「はい。最近ゆみさんとやってるんですよ」 ゆみ「あまりやったことはなかったがなかなか楽しいぞ」 智美「気持ちいいとか言ってたのは何だったんだー?」 京太郎「……? ああ、確かに言いましたけど、結構前に言ったことのような。いつからいたんですか?」 智美「ちょっと入るのを戸惑ったんだー」 京太郎「? まあそれは点数のことですよ。2人麻雀は萬子と字牌でやってるんで点数が高いんです」 ゆみ「そのままだとすぐ飛んでしまうからトビはなしにしているがな。結構気持ちいいぞ」 智美「激しくとか変になるとかはどういう意味なんだ?」 京太郎「激しくは頻度ですね。そんなにやってないと思うんですけど……」 ゆみ「十分多い。こんなルールで毎日やっていたら変な癖がついてしまうだろう」 京太郎「そんなことないですって」 ゆみ「それでもし弱くなったらと思うとな。そんなところ君に見せたくはない」 京太郎「あれ、そういう意味だったんですか? てっきりこれなら俺が勝ち越してるからだと思ってました」 ゆみ「……まあそれもある」プイッ 京太郎(可愛いなー) 智美「ってことは見せたくない姿っていうのはゆみちんが負けるところって意味だなー?」 ゆみ「ああ、勝負の結果とはいえ見せたいところではないさ」 京太郎「俺は見たいんですけどね。まだまだ滅多に見れませんし」 ゆみ「普通の麻雀で見れるようにしろ」コツン 智美「なるほどなー」ワハハー 京太郎「あはは」 智美「……紛らわしい!」 京太郎「うわっ」 ゆみ「い、いきなりなんだ」 智美「なんだじゃない! 最初は騙されないぞと身構えてて、聞いててまずそうだと思ったらこれかー!?」 京太郎「知りませんよ! 大体騙されるってどう騙されるんですか」 智美「気持ちいいだの変になるだの言ってたんだからわかるだろー?」 ゆみ「……! な、ば、バカかお前は!」カアァァ 智美「こっちの台詞だー!」ワハハー! …… … 京太郎「ふぅ。智美先輩、落ち着きましたか」ハァハァ 智美「あ、ああ。なんとかなー」ハァハァ ゆみ「勘違いされそうな言葉を使っていた私たちも悪かったよ」ハァハァ 智美「いや、勘違いした私が悪いんだ」 京太郎「ともかく誤解が解けてよかったです」 智美「そうだなー」ブルッ 智美「ところでちょっと寒くないかー? なんで窓が開いてるんだ」ピシャリ 京太郎「ああ、すみません。昼休みから開けててそのままにしてました」 智美「なんだ、昼休みもここにいたのかー」 ゆみ「いつもではないが、たまに来ているな」 智美「でも窓開けてたら寒くなかったか?」 京太郎「4限に体育があったんですけど、ちょっと汗臭くなったんで開けてたんですよ」 智美「なるほど。そのとき制汗剤も使ったなー」 京太郎「え? 使いましたけどわかります?」ギクッ 智美「私はモモを匂いで見つける女だぞー。柑橘系の匂いがするから何かと思ったんだ」クンクン ゆみ「そ、そんなにお前の鼻は効くのか」ギクッ 智美「ゆみちんからも同じ匂いがするなー。ゆみちんが貸したのかー?」クンクン ゆみ「あ、ああ。私も少し汗をかいたから使ったんだ」 智美「そうなのかー。冬に珍しいなと思ったんだ」 京太郎「……その、他には何か感じます?」 智美「いや、特にはわからないなー」クンクン 京太郎「そうですか」ホッ 智美「? それにしてもみんな遅いなー」 京太郎「ああ、今日は部活休みですから」 智美「えっ、私は知らないぞ」 京太郎「すみません伝えてなくて」 ゆみ「謝らなくていい。蒲原はもう部員じゃないんだから、あるかどうかは自分で先に確かめろ」 智美「ゆみちんは厳しいなー」ワハハ 京太郎「でも智美先輩鼻いいんですね。そこまでとは知りませんでした」 智美「犬にだって負けないぞー」ワハハ 京太郎「ほんと凄いですよ。ゆみさんのいうとおり窓開けたり制汗剤使ったりしなかったら危ないところでした」アハハ ゆみ「バ、バカ! 何言ってるんだ!!」 京太郎「えっ――あ、な、何でも、何でもないですから!!」ブンブン 智美(……) 智美(……) 智美(……) 智美(……………………え?) ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ ――加治木宅前―― ゆみ「ありがとう、京太郎」 京太郎「いえいえ。それじゃまた明日……あれ」 ポツポツ ゆみ「雨が降ってきたようだな」 京太郎「そうですね。でもこれくらいなら――」 ――ザァーザァー ゆみ「強くなってきたな」 京太郎「そ、そうですね。でもこれくらいなら――」 ゆみ「意味のない意地を張るな。夏じゃないんだから風邪引くぞ?」 京太郎「そうですけど傘がないので」 ゆみ「ここは私の家だぞ? 他人の家というわけじゃないんだ。傘くらい貸すさ」 京太郎「あ、そうですね。じゃあすみませんけど貸してください」 ゆみ「ああ、じゃあちょっと待って……」ピコーン ゆみ「そうだ。せっかくだしちょっと上がっていくか?」 京太郎「え、ゆみさんの家にですか?」 ゆみ「うん、私は京太郎の家に何度か行っているが、京太郎が来たことはなかっただろう?」 京太郎「いやそうですけど突然上がるわけには」 ゆみ「こんな雨なんだから上がる理由としては十分だろう」 京太郎「ええとその……」 ゆみ「もしかして私の両親と会うかもしれないと思って緊張しているのか?」 京太郎「はい、突然だったんで心の準備が」 ゆみ「私も君のお母さんと会うときは緊張するから気持ちはわかる」 京太郎「ですよね! だから今日は傘だけ借りて――」 ゆみ「だから覚悟を決めろ。いずれ会わなきゃいけないだろう?」 京太郎「べ、別に今じゃなくても」 ゆみ「……君が会うつもりがないというなら別に構わないんだが」 京太郎「」ホッ ゆみ「……つまり私と一緒になるつもりがないということだろうか」ウルッ 京太郎「ち、違いますよ! 気持ち的には高校卒業したらすぐにでも――って何言わせるんですか!?」 ゆみ「そうかっ。それならほら中に」パアァァ 京太郎「いやその……はい。わかりました」ガクッ ゆみ「うん、嬉しいよ」 京太郎(うぅ、ゆみさんのお母さんと対面か。緊張するなぁ)ドキドキ ゆみ「ただいまー」ガチャ 京太郎(最初が肝心だよな。会ったら丁寧に挨拶を……)ドキドキ ゆみ父「おかえり。遅かったな」 京太郎「」 ゆみ「部活が少し長引いたんだ。お父さんこそ早いじゃないか」 ゆみ父「ああ、今日は何か早く帰った方がいい予感がしてな。半休を取ったんだ。そちらの彼は?」 ゆみ「彼は私のこい――」 京太郎「後輩の須賀京太郎です! 初めまして!!」バッ 京太郎(ゆみさんいきなり何言おうとしてんの!? よく反応した俺! 自分で自分を褒めてやりたい!)ドッドッドッ 京太郎(というかいきなりラスボスかよ!? もっと段階踏ませてくれ!)ドッドッドッ ゆみ父「そうか。君が須賀君か。君のことはゆみからよく聞いているよ」 京太郎「そ、それはどうも」 ゆみ父「ゆみと付き合っているそうだな」 京太郎「」 ゆみ「うん……」モジモジ 京太郎(誤魔化した意味なかったー! ゆみさん喋ってたんだ!? でも可愛いなもう!) ゆみ父「それでなんで須賀君は来ているんだ?」 ゆみ「部活で遅くなったから送って貰ったんだ」 ゆみ父「そうか。それはすまなかった」 京太郎「い、いえ。とんでもないです」ブンブン 京太郎「それじゃあ俺はこれで……」 京太郎(よし、滅茶苦茶慌てたけど無難に対応できた! 少なくとも悪印象じゃないはずだ! よくやった俺!)グッ ゆみ「あれ、帰るのか? 上がっていくと言っていたじゃないか」 京太郎(ゆみさん勘弁して下さい!!) 京太郎「い、いやほら、家族水入らずなわけですし俺が上がるわけには……」 ゆみ「お父さんが単身赴任しているわけじゃあるまいし、水入らずなんて大袈裟なものじゃないさ。そんなこと気にするな」 ゆみ父「……そうだな。雨も降っているしせっかくだから上がっていくといい」 ゆみ父「色々と聞きたいこともあるしな」チラッ 京太郎(あ、これダメなやつだ) ゆみ「お父さんもこう言っているし、どうかな京太郎。もちろん無理にとは言わないが」シュン 京太郎「……その、じゃあ少しお邪魔させて貰います」 ゆみ「そうかっ」パアァァ 京太郎(ああ可愛いなあ)ポワー ゆみ父「……」ジッ 京太郎(ひっ!)ビクッ ゆみ「それじゃ京太郎。私の部屋はこっちだ」 京太郎「え? は、はい」 ゆみ父「……ゆみの部屋に行くのか?」 京太郎「い、いえその」 ゆみ「うん。この間京太郎の部屋に行ったから、今日は私の部屋を見てもらうと思って」 ゆみ父「須賀くんの部屋に行ったのか」ジロ 京太郎「あ、あはは……」 ゆみ父「ゆみの部屋に行ってしまうのではあまり話せないな。ついでだ。夕飯も食べていくといい。母さんに言っておく」 京太郎「い、いえ、そこまでご迷惑をかけるわけには!」 ゆみ「何か予定があるのか?」 京太郎「そういうわけじゃないですけど」 ゆみ「それなら遠慮するな。ありがとう、お父さん」 京太郎(胃がキリキリしてきた……) 京太郎「ここがゆみさんの部屋ですか」キョロキョロ ゆみ「あまりジロジロと見るな」 京太郎「うーん」 ゆみ「どうかしたか?」 京太郎「いえ、机と椅子しかないほどさっぱりした部屋か、これでもかってくらい少女趣味な部屋かのどちらかだと思ってたんですが」 ゆみ「なんなんだそのイメージは」 京太郎「見た目通りかギャップ萌えかです!」 ゆみ「何を言ってるんだ……それで、実際に見てどう思ったんだ?」 京太郎「普通ですね」 ゆみ「もしかして喧嘩を売られているのかな私は」 京太郎「そんなことないです。ゆみさんの部屋ってだけで感動してますよ!」 ゆみ「そ、そうか。そういえば普通って他の女子の部屋を知っているのか?」 京太郎「知ってますよー」フフン ゆみ「ほう」ゴッ 京太郎「し、知ってるっていっても咲ですよ。中学まではお互い行き来してたんで」ダラダラ ゆみ「ああ、そうか。そうだったな。そういえば宮永から聞いたことがあったよ」 京太郎「咲からですか? あ、メールとかよくしてるんでしたっけ」 ゆみ「うん、散々自慢された」 京太郎「自慢って。まああいつからしたらそんなつもりじゃないと思いますよ」アハハ ゆみ「……そうだな」ハァ 京太郎「?」 ゆみ「ちなみに宮永の部屋と比べて私の部屋はどうだ?」 京太郎「咲の部屋より綺麗ですね。あいつ読みかけの本とかよくその辺に置いてるんですよ」 ゆみ「宮永は本が好きなんだったな」 京太郎「はい。中学のときは暇さえあれば読んでましたよ」 ゆみ「ふむ、私も読書は好きだがさすがにそこまでではないな」 京太郎「あーでも少女漫画はゆみさんのほうが多いですよ」 ゆみ「それはあまり喜べない情報だな……宮永はたくさん持っていそうなイメージだったんだがそれより多いか」ガクッ 京太郎「咲も少女漫画読みますけど、メインは小説ですからね」 ゆみ「くっ」 京太郎「でも部屋に入って初めてゆみさんが少女漫画好きなんだなって実感しましたよ」 ゆみ「あまり男子とまともに話すことがなかったからな。少女漫画を読んで憧れたりしていたんだ」 京太郎「そうなんですか」ヘー ゆみ「……」ピト 京太郎「ゆ、ゆみさん?」ドキッ ゆみ「蒲原に散々からかわれたが、憧れが現実になったときは嬉しかったよ」 京太郎「え、えっとそれは……」カアァァ ゆみ「もちろん京太郎のことだ。まあ後輩ものはほとんどないんだが」クスクス ゆみ「それでも、あれくらい劇的な告白はそうないんじゃないかと思うよ」 京太郎「そう言われるとプレッシャーですけど、告白の後も少女漫画のイケメンに負けないように頑張りますよ」 ゆみ「無理せずにな」クスッ 京太郎「はい」ハハ ゆみ「もうこんな時間か。……そうだ、私はお母さんの手伝いに行ってくるよ」 京太郎「え?」 ゆみ「初めて君が来たんだからそのくらいしないとな」 京太郎「そしたら俺は……」 ゆみ「ここにいてもいいぞ? 大したものはないが」 京太郎「い、いや、それはやめときます!」 ゆみ「そうか? それじゃリビングで待っていてくれ」 京太郎「は、はい……」 ゆみ父「……」 京太郎「……」 京太郎(やっぱこうなるよな! 気まずい……) ゆみ父「須賀くん」 京太郎「は、はい!」ビクッ ゆみ父「君は中学までは別のところにいたと聞いたが」 京太郎「あ、はい。父の仕事の都合で卒業と同時にこっちのほうへ引っ越してきました」 ゆみ父「鶴賀に入ることにしたのは何故だ?」 京太郎「偏差値的にちょうど良かったんです」 ゆみ父「去年まで女子校だが、入ってから大変そうだとは思わなかったか?」 京太郎「……その辺りはよく考えずに偏差値と進学実績だけ見て選んでました」アハハ ゆみ父「ふむ、そうか」 京太郎(元女子校って響きに憧れたなんて言えねえ……!) ゆみ父「それと、須賀くんには聞きたいことがあったんだ」 京太郎「は、はい!」 ゆみ父「君は――」 ゆみ母「お父さん、須賀くん。ご飯できたわよ」 ゆみ父「む、そうか。須賀くん、話は食卓で」 京太郎「は、はい……」 京太郎(生殺しだ……)ゲッソリ ゆみ母「須賀くん、改めて初めまして。挨拶が遅れてごめんなさい」 京太郎「い、いえ。おれ……僕のほうこそ、ゆみさんのお母さんに挨拶に行かずにすみません」 ゆみ母「無理しないで俺でいいわよ」クスクス 京太郎「は、はい」アセアセ ゆみ母「それと、ゆみさんのお母さんなんて言いづらいでしょう? お母さんでいいわよ。ねえお父さん」 京太郎(ゆみさんのお母さん、お願いですからそっちに振らないで!) ゆみ父「いや、ゆみさんのと付けたほうが礼儀正しくていいと思うが」 京太郎(何にもしてないのに地雷踏んだよちくしょー!) ゆみ母「そう? 私はどっちでもいいと思うけど」 ゆみ「お母さん、京太郎をあまり困らせるな。京太郎、遠慮せずに食べてくれ」 ゆみ母「あら、作ったのほとんど私じゃない」 ゆみ「結構手伝ったじゃないか。変なこと言わないでくれ」 京太郎「あはは……」パクッ ゆみ母「お口にあうかしら?」 京太郎「はい、おいしいです」 ゆみ「京太郎、こっちも食べてみてくれ」 京太郎「は、はい」パクッ 京太郎「……」モグモグ ゆみ「ど、どうかな」 京太郎「おいしいですよ」 ゆみ「そ、そうか」パアァァ ゆみ「と、ところで最初に食べたとの後に食べたのではどっちがおいしかった?」 京太郎「え? ええと……」 ゆみ「……」ドキドキ 京太郎「あ、後に食べたほうがおいしかったですよ」 ゆみ「そうかっ! 実は後に食べた方を私が作ったんだ」パアァァ 京太郎「そ、そうだったんですか」アハハ… ゆみ母「ゆみ。そんなにプレッシャーかけたら、後に食べた方をおいしいっていうに決まってるじゃない」 ゆみ「私がどっちを作ったかなんて言ってないじゃないか」ムゥ ゆみ母「あなたのそういうところ、少しは知っていたつもりだったけど……」ハァ ゆみ「?」 ゆみ父「須賀くん、さっきの話の続きなんだが」 京太郎「は、はい!」 ゆみ父「本題に入る前に1つ聞きたい。君は昔から金髪なのか?」 京太郎「はい、昔からです。でも染めてるわけじゃなくこれは地毛なので生まれたときから……」 ゆみ父「ああいや、それは構わない。……そうか。地毛か」 京太郎「ええと、はい」 ゆみ父「……すまない。本題に入ろう。私が聞きたいのは麻雀の大会のときの話だ」 京太郎「大会ですか」 ゆみ父「ゆみから聞いたんだが、君は大会会場の大勢がいるところでゆみに告白したらしいな」 京太郎「は、はい」ダラダラ ゆみ「恥ずかしくて仕方がなかったけど、でも嬉しかったよ」 ゆみ父「ああ、まあそこまではいいんだ。情熱があって悪いことではないと思う」 京太郎「あ、ありがとうございます」 ゆみ父「ゆみから聞いたのはここまでだが、インターネットで長野の大会会場でのある噂を見たんだ」 京太郎「どんな噂ですか」 ゆみ父「金髪の学生が先輩に大声で告白した後全力で逃げ出したという噂だ」 京太郎「」 ゆみ父「挙句よく分からない条件を付け、最終的にその次の週の個人戦で」 ゆみ父最初に告白された女子の先輩の方から自分に告白させたとか」 京太郎「」 ゆみ父「……まさかとは思うのだが、これは君のことか?」 京太郎「え、ええとそれはですね……」チラッ ゆみ(すまない、フォローできない)フイッ 京太郎(ですよねー) 京太郎「すみませんでしたぁ!! もう2度といたしませんっ!!」ドゲザ ゆみ父「そこまでしなくてもいい、というか2度あっても困るんだが……やはり君とゆみのことだったか」フゥ ゆみ母「まあまあいいじゃない。ちょっとヘタレなところがあったほうが可愛らしくて」クスクス 京太郎「」グフッ ゆみ「きょ、京太郎! 2人ともいいじゃないか別に! 確かにあのときは本気で腹立ったけどそんなダメなところも好きなんだ!」 京太郎「」ガクッ ゆみ母「あなたがとどめ刺してどうするの」 ゆみ「え?」 ゆみ父「……」ハァ …… … 京太郎「今日はどうもありがとうございました」 ゆみ母「こちらこそ、ゆみを送ってくれてありがとう」 ゆみ父「また来なさい。今度は落ち着いて話そう」 京太郎「は、はい」ダラダラ ゆみ「じゃあ私は家の前まで見送るから」 ゆみ母「はいはい」クスクス ゆみ「今日は楽しかったよ」 京太郎「こちらこそ。大会のこと言われたときは死のうかと思いましたけど」ハハ… ゆみ「告白されたということは話していたが、まさか2人が知っているほど噂になっているとは……すまなかったな」 京太郎「まあ自分のやったことですし。後になってバレるよりよっぽど良かったですよ」 京太郎「それより告白のときのこと知っても優しい対応してくれたのが嬉しかったです」 京太郎「一人娘の彼氏とかどんな対応されるかと思ってましたよ」 ゆみ「私は男子と普通に話したことがほとんどなかったからな。2人とも心配してたんだよ。君には感謝していると思う」 京太郎(感謝ってことはないと思うなあ、特にゆみさんのお父さんの方は)アハハ… ゆみ「……いつまでも話していたら遅くなってしまうな。京太郎、また明日」 京太郎「はい。また明日」 ゆみ「そうだ、ちょっと待った」クイッ 京太郎「はい?」 ゆみ「今度来るのは2人のいないときにな」ヒソッ 京太郎「えっ」ドキッ ゆみ「フフッ、それじゃ今度こそまた明日」ガチャッ 京太郎「はい……」 京太郎(急にあんなこと……あーもう、ずるいって)カアァァ ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ ――卒業式後 部室―― ゆみ「私たちも卒業か……」 智美「早かったなー」ワハハ ゆみ「そうだな、特にこの1年は時間がすぎるのがあっという間だった」 智美「3年間色々あったけど、一番印象的なのはやっぱりあれだなー」 ゆみ「ああ、部員が揃って団体戦に出られたのは本当に嬉しかったよ」 智美「いやそれじゃな……って個人戦で全国に行けたことじゃないのか。ゆみちんらしいなー」 ゆみ「まあ個人戦は私が意地を張って出なかっただけだからな。蒲原こそこれじゃないならなんなんだ?」 智美「私のもゆみちんがよく知ってることだと思うぞ」 ゆみ「気になるだろう。もったいぶらずに言ってくれ」 智美「ゆみちんが本気で転校しようか悩んでるって相談してきたときだなー」 ゆみ「なっ!?」 智美「理由を聞いたときは、初めてゆみちんのことをバカなのかと思ったなー」ワハハ ゆみ「し、仕方ないだろう!?」 智美「女子校に来たのに男子が来るから転校したい、とか言い出すのが仕方ない状況なんてないと思うぞ」 ゆみ「女子校なんだからそう思う女子がいてもいいだろう別に!」 智美「何かあったとかならわかるけど、何を話したらいいかわからないってだけで転校したいってのはなー」ワハハ ゆみ「本気で悩んでいたんだ! なのにお前は笑い転げて……!」 智美「そもそも3年生と1年生じゃ話す機会があるかどうかもわからないのに」ワハハ ゆみ「実際あったじゃないか!」 智美「まあそうだなー」 ゆみ「だから私はおかしくない」 智美「その後輩と会ってから数ヶ月で付き合ってなければおかしくなかったなー」ワハハ ゆみ「うっ」ギクッ 智美「しかも付き合ったかと思ったら人目も憚らずイチャイチャイチャイチャ。あのときの言葉は何だったのかと思ったぞ」ワハハ ゆみ「人のいるところでは控えていたはずだ!」 智美「あれで控えてたのか……まあ、人がいないところではしてたって自覚はあるんじゃないか」 ゆみ「ぐっ」ギクッ 智美「男子と話せないなんて言ってた親友がすぐバカップルになるとか人間不信になりそうだ」ワハハ ゆみ「べ、別にバカップルじゃない。それに京太郎じゃないと上手く話せな……」ゴニョゴニョ 智美「まだ言うかこいつは。お、京太郎たちが来たぞー」 京太郎「ゆみさん、智美先輩。卒業おめでとうございます!」 桃子「2人ともおめでとうっす!」 佳織「加治木先輩、智美ちゃん、おめでとうございます。寂しくなりますね」 睦月「そ、卒業おめで、とうございます」グスッ ゆみ「みんなありがとう。津山はそんなに泣くな」ポンポン 智美「もうすぐ新入生が入るんだから、頼れる先輩にならないとダメだぞー」ワハハ 睦月「わ、わかってますけど」グスッ 佳織「今日くらいは仕方ないですよ。わ、私だって」グスッ 京太郎「2人とも湿っぽくするのは止めようって言ったじゃないですか! もっと明るい話題にしましょう!」 桃子「そうっすよ! とりあえず智美先輩の進路が決まってよかったっす」 智美「私の実力なら心配なんていらなかったけどなー」ワハハ ゆみ「お前そう言ってギリギリだったじゃないか」 智美「勝てば官軍だー」ワハハ 佳織「もう、なにそれ」アハハ 睦月「ぐすっ……智美先輩も大学で麻雀を続けるんですか?」 智美「そのつもりだぞ。ゆみちんとは敵同士だなー」ワハハ ゆみ「ああ、負けないぞ」 智美「ゆみちんは長野一の強豪行くんだから負けたら赤っ恥だなー」ワハハ ゆみ「いちいち話の腰を折るな」ハァ 桃子「私も2年後はゆみ先輩の大学に行くっすよ! 全国制覇を目指すっす!」 睦月「わ、私も目指します!」 佳織「私は――」 智美「私のところには来ないんだな」ワハハ… 佳織「わ、私は智美ちゃんのところに行くよ!」 智美「無理しなくていいんだぞ」ワハハ… 佳織「別に無理なんて……」 智美「いやまあ麻雀やるにしても佳織の学力的にも、あえて私の大学目指す理由なんてないしなー」ワハハ 佳織「それ言っちゃうんだ……」 桃子「春からは2人とも女子大生っすかー」 睦月「大人の女って感じがするね」 京太郎「大人の女……」ウーン 桃子「京太郎、アウトっす」 京太郎「何でだよ!?」 智美「目つきがアウトだったなー」 佳織「京太郎くん……」 京太郎「響きだけでも惹かれるんですよ! しょうがないじゃないですか!」 ゆみ「……それは私があまり年上らしくないからかな」シュン 京太郎「ち、違いますよ。ゆみさんが女子大生になるところ想像してたんです」 ゆみ「ん、そうか」パアァァ 京太郎「はいっ」 桃子「唐突なイチャつきやめてくれないっすかね」 睦月「鮮やかだったね」 智美「最後までこんな感じだったなー」ワハハ 佳織「来年はもう見られないと思うと少し残念かな」 ゆみ「私たちをなんだと思ってるんだ!」 京太郎「まるでいつもいちゃついてるみたいに!」 一同「……そのものじゃない」 京太郎・ゆみ「そんなはずは」 一同「それ!」 桃子「バカップルは置いといて、先輩たちの送別会もちゃんとやりたいっすね」 睦月「そうだね、盛大にやろう」 智美「それはちょっと恥ずかしいな」ワハハ 京太郎「今日はクラスで集まりますよね」 ゆみ「そうだな。さすがに今日はそっちに出る予定だ」 京太郎「それじゃ土曜日にやりましょう。精一杯送り出しますよ!」 智美「寄せ書きとか憧れるなー」ワハハ ゆみ「この人数で寄せ書きというのも難しいだろう」 智美「ちょうど四分割すればいいから書きやすいんじゃないか?」 ゆみ「そういうものかな。私も書いたことがないからよくわからないが」 睦月「その、出来ればそういう話は控えていただけると……」 智美「おお、ネタ潰ししてたら悪かったなー」ワハハ ゆみ「すまない、あまり気にしないでくれ」 睦月「い、いえ……」アハハ 京太郎(ハードル上がったな)ヒソヒソ 桃子(わざとかって感じっすね)ヒソヒソ 佳織(土曜日までに何か考えないと……)ヒソヒソ 京太郎「そうだ、せっかくだし記念写真でも撮りましょうか」 桃子「いいっすね。でもカメラはあるんすか? まあ携帯でもいいっすけど」 京太郎「携帯にセルフタイマーとかあるのか?」 桃子「結構あるっすよ。というか大体あるんじゃないすか?」 京太郎「マジかよ。全然知らなかった」 桃子「機械に疎いっすねー。それでも男の子っすか!」 京太郎「携帯は大抵女子のが詳しいだろ」 智美「盛り上がってるとこ悪いけどちゃんとカメラはあるぞー」ワハハ 佳織「用意いいね。卒業式だから持ってきたの?」 智美「いや、部費で買ったカメラだ」ワハハ 睦月「部費で!?」 ゆみ「いつの間に、というかどう誤魔化して買ったんだ」 智美「全国大会出場をアピールして押し通したんだ。いい順位なのに写真も残せないなんて恥だとか何とか」 京太郎「さっぱりわからないですけどさすが智美先輩!」 智美「もっと褒めるといいぞー」ワハハ 佳織「智美ちゃん、部費で買ったなら私たちに言っておこうよ」 智美「……ワハハー」 ゆみ「私たちまで誤魔化すな」ハァ 京太郎「それじゃタイマーセットしますよ。10秒です」 ゆみ「ああ」 京太郎「行きまーす」 ピッピッピッピピピピピ……カシャッ 智美「どんな感じかなー」 睦月「うん、よく撮れてますね」 桃子「このカメラの最初の写真が卒業式の集合写真っすか。もっとたくさん撮りたかったっすよー!」 智美「買うだけ買って忘れちゃってなー。まあ今日でデータがいっぱいになるくらい撮ろうじゃないか」ワハハ 佳織「いっぱいって何枚くらい撮れるの?」 智美「確か千枚ちょっとかなー」ワハハ 佳織「ちょっと多いよ!?」 智美「私たちが打ち上げに行くまで撮ってればきっと撮れるだろー」 京太郎「1分間に1枚どころじゃないんですが」 智美「まあなんとかなるさ」ワハハ ゆみ「いい時間だし、そろそろ私と蒲原は昼ご飯を食べに行こうと思うがお前たちはどうする?」 桃子「行くに決まってるじゃないっすか!」 佳織「もちろん行きますよ」 睦月「なかなか言われないのでこっちから切り出そうかなと思ってました」 ゆみ「そうか。それじゃあちょっと先に行っていてくれ。ちょっと京太郎と蒲原に用があるんだ」 京太郎「?」 睦月「時間かかります?」 ゆみ「いや、すぐに終わるよ。少しだけ待っててくれ」 桃子「了解っす」 佳織「わかりました」 京太郎「用ってなんですか?」 蒲原「私も残ってていいのか?」 ゆみ「あー、いやその、だな」チラッ 蒲原「……あー。京太郎とツーショット撮りたいんだな」ワハハ 京太郎「えっ?」 ゆみ「……」コクッ 智美「そんな顔真っ赤にするくらいなら、わざわざかしこまらなくてもこの後流れで撮ればいいじゃないか」 ゆみ「……部室にはもう来ないだろうから、京太郎と思い出を残して置きたいんだ」カアァァ 京太郎「ゆみさん……」ジーン 智美(聞いた私が馬鹿だったなー)ワハハ… 智美「待たせると悪いから速く撮るぞー」 ゆみ「あ、ああ」 京太郎「は、はい」 ゆみ「……」ドキドキ 京太郎「……」ドキドキ 智美「ほらほら、さっさとくっつけー」イラッ 京太郎「は、はい!」グイッ ゆみ「きゃっ」 智美「」パシャ 京太郎「どうですか?」 智美「こんな感じだなー」 京太郎「いいんじゃないですか?」 智美「それじゃ行こうかー……ゆみちん?」 ゆみ「……その、もう一枚だけ」 智美「え?」 …… … ――10分経過―― 智美「も、もうそろそろいいだろー?」グッタリ 京太郎「睦月部長たちをこれ以上待たせちゃ悪いですし……」 ゆみ「そ、そうだな。じゃあこれが本当に最後で」アハハ 智美「本当に最後だぞー」 ゆみ「もちろんだ」 智美「それじゃ撮るぞ」 ゆみ「ああ」クイッ 京太郎「ゆみさん?」オットト ゆみ「」チュッ 智美「」パシャ 京太郎「――な、ゆ、ゆみさん!?」カアァァ ゆみ「最後だし、ほっぺくらいいいだろう」カアァァ 智美「どんどん大胆になってたけど、こっちの身にもなって欲しいなー」ワハハ… 京太郎「なんというか慣れてきてましたね」アハハ… ゆみ「そ、そんなことはない。ほら行こう――」ガラッ 桃子・睦月・佳織「あ」 ゆみ「え?」 一同「……」 ゆみ「お、お前たち見てたのか!?」 桃子「いやー遅かったから気になったんすよ」アハハ… 睦月「見たら写真撮っててマズイかなーと思ったんですけど」アハハ… 佳織「好奇心に負けてズルズルと」アハハ… ゆみ「……こ、後輩にあんなところを見られるなんて」ガクッ 智美「気にするなゆみちん。正直今さらだから」ワハハ ゆみ「そ、そんなはずは……」チラッ 桃子「いやー」フイッ 睦月「その」フイッ 佳織「あ、あはは」フイッ ゆみ「くっ……」ガクッ 京太郎「ゆみさん。大丈夫です、俺がいますから」 ゆみ「京太郎ぉ」ギュッ 一同(こんなことしてるのになんでそんなはずはなんて言えたんだろう……) ………… ……… …… … ――加治木宅前―― ゆみ「まさかあんな風に思われていたとは……」 京太郎「意外でしたね」 ゆみ「知られていたのならあまり隠さなくてもよかったのかな」 京太郎「そうかもしれませんね。まあどっちにしろこれからは隠さなくてもいいじゃないですか」 ゆみ「そうだな。……家についてしまったか」 京太郎「はい。家でよかったんですか?」 ゆみ「ああ、どちらにしろ一度着替えなきゃいけないからな」 京太郎「あ、そうですね」 ゆみ「……こうやって君に送られるのも最後か」 京太郎「……はい」 ゆみ「今まではなんとなくしていたのに、出来なくなると思うと寂しいな」 京太郎「会えなくなるわけじゃないですし、すぐ慣れますよ。まあそれも寂しいですけど」 ゆみ「……そうだ。京太郎、第2ボタンをくれないか?」 京太郎「俺は卒業生じゃないですけど……」 ゆみ「いいじゃないか。私は卒業してしまうんだし」 京太郎「それもそうですね。よっと……」 ゆみ「ああ、いいよ。私が取る」モゾモゾ ゆみ「……ん、取れた」 京太郎「な、なんか恥ずかしいですね」 ゆみ「そうだな」フフッ ゆみ「京太郎、私の第2ボタンも貰ってくれ」 京太郎「え? でも女子のは縫い付けてあるじゃないですか」 ゆみ「ハサミくらいあるよ。ほらこれで」スッ 京太郎「そ、それじゃあ失礼します」 ゆみ「ああ」 京太郎「っと……」チョキン ゆみ「大切にしてくれよ」 京太郎「当然です。ゆみさんこそ俺のボタン大切にしてくださいね」 ゆみ「もちろんだ」 京太郎「でも珍しいですね。ゆみさんは写真もボタンも好きそうですけど、自分からはあんまり言い出さないのに」 ゆみ「……卒業が近くなるともっとああしておけばよかった、こうしておけばよかったと思うんだ」 ゆみ「今から戻ることは出来ないから、せめて写真とかボタンとか、形になるものを思い出として残しておきたいと思って」 ゆみ「……自分から言うのは少し恥ずかしかったけどな」カアァァ 京太郎「ゆみさん……」 ゆみ「悔いはあるけれど、京太郎と写真も撮れたし、ボタンも貰えた。これで大学生活も頑張れそうだ」フフッ 京太郎「……俺、毎日電話しますよ!」 ゆみ「ああ、ありがとう。君も高校生活を頑張れよ。2年間は長いようで短いから」 京太郎「はい。……ゆみさん、1年間ありがとうございました」 ゆみ「私のほうこそありがとう。まあ、ここから離れるわけじゃないんだがな」フフッ 京太郎「一応高校生活のけじめです」 ゆみ「そうか。……そろそろ準備しないと。またな、京太郎」 京太郎「はい。また」 ――大会会場―― 桃子「あ、ゆみ先輩! 今週も来てくれたんすか!?」 ゆみ「ああ、当たり前だろう? まあ少し遅れてしまったが」 桃子「京太郎の個人戦開始には間に合わなかったっすねー」ニヤニヤ ゆみ「べ、別にそういうわけでは」 桃子「そんな無理しなくていいっすよ」ニヤニヤ ゆみ「まあなんだ。電話はしたしな。間に合わなくて残念じゃないといえば嘘になるが……」 桃子「そ、そうっすか」エー 智美「ゆみちんの惚気けっぷりをなめちゃダメだぞ―」ワハハ 佳織「智美ちゃんも来てくれたんだ」 智美「もちろんだ」ワハハ 睦月「お二人ともありがとうございます」 ゆみ「気にするな。後輩の晴れ舞台を見るために来たんだから」 智美「団体戦の雪辱を果たすんだー!」ワハハ ゆみ「雪辱といっても4位だし十分立派じゃないか」 智美「ダメだぞゆみちんそんなこと言っちゃ。自分がそう言われて納得できたかー?」 ゆみ「む」 桃子「そうっす! 私は来年も4位に甘んじるつもりなんか微塵もないっすよ!」 佳織「私がもうちょっと振り込まなければなあ……」 桃子「や、天江宮永を相手に役満2回も和了ったかおりん先輩を責める人なんていないっすからね?」 佳織「でも……」 睦月「あの2人で対抗しあってたとはいっても、十分凄いことだよ? ほんとに」 ゆみ「妹尾は相変わらずのようだな」 智美「これでこそ佳織ってかんじだなー。でも個人戦まで引きずっちゃダメだぞ」ワハハ 佳織「それは大丈夫。みんなに余計な心配かけたくないから」 睦月「うん。その意気」 ゆみ「それでその……」 桃子「なんすか?」ニヤニヤ ゆみ「きょ、京太郎の様子はどうだろうか」 桃子「ようやく本題に入ったっすね!」 ゆみ「ほ、本題とはなんだ。私は別にただ後輩の応援に来ただけで」 智美「来るときに途中経過出てたと思うけど見なかったのかー?」ワハハ ゆみ「……怖いじゃないか」ボソッ 智美「ゆみちんは可愛いなー」ワハハ 睦月「京太郎くんは……あ、ちょうど映るみたいですね。見てください」フフッ ゆみ「あ、ああ」ビクビク アナ『ついにオーラスを迎えたこの卓。現在総合1位の下家選手と総合3位の須賀選手がトップを争っています』 藤田『下家の総合1位はほぼ確定だが、須賀は4位との差が小さい。須賀はなんとしても勝ちたいだろうな』 アナ『その須賀選手はなかなかの好配牌。他家と比べても手が速そうです』 藤田『打点も悪くない。1位も十分狙えそうだな』 ゆみ「全国圏内じゃないか!」 睦月「はい。京太郎くん頑張ってますよ」 佳織「凄いですよね。後はここで勝つだけです」 桃子「私たちも負けていられないっすね!」 智美「ちょっと気が早いぞ。まずは応援だ」 ゆみ「頑張れ、京太郎くん……!」ギュッ ………… ……… …… … --------------------------------------- 京太郎「ツモ! 3000・6000!」 アナ『試合終了ーーー! オーラスで須賀選手が下家選手を逆転! トップで終了です!』 京太郎「~っしゃあ!!」 下家「あー負けちまったか。須賀、おめでとう」 京太郎「ついにリベンジが果たせました」アハハ 下家「総合順位じゃまだ俺が勝ってんだからな。借りは全国で返す」 京太郎「俺も今度は総合順位でも勝ってみせます!」 下家「言うようになったじゃねえか。それじゃ全国でな」 京太郎「はい!」 スタスタスタ… 京太郎(……試合前は来てなかったけど、ゆみさん来てくれてるかな) 京太郎(多分全国も決まっただろうし、ちゃんと言わないとな) --------------------------------------- 桃子「全国行きほぼ決まりっすね!」 佳織「京太郎くん凄い!」 睦月「誰よりも頑張ってたもんね。報われてよかった」 智美「卒業してからも頑張ったんだなー」 ゆみ「京太郎くん……!」ウルッ 智美「ん? ……ゆみちん、京太郎のところへ行って来たらどうだー?」ワハハ ゆみ「い、いやしかし卒業した私が今の部員より先に行くわけには……」ウルッ 睦月「気にしないでください。ほら、私たちは私たちの決勝の準備とかありますし」 佳織「それに私たちはおめでとうっていう機会はいくらでもありますから」 ゆみ「でも……」グスッ 桃子「というかあれっすよ。決勝を控えてる私たちの前で惚気けられるのもちょっと」 ゆみ「だ、誰がそんなこと」グスッ 智美「まあ既に泣いてる時点で説得力はないなー」ワハハ ゆみ「うっ」 桃子「ほら、行ってくるっす。京太郎も待ってるっすよ」 ゆみ「……わかった。ありがとうみんな」タッタッタッ 智美「まったく、付き合ってるんだからあんなに躊躇しなくていいのになー」ワハハ 佳織「大学生になってもやきもきさせられるところは変わらないね」フフッ 桃子「ゆみ先輩らしいっすよ」 睦月「真面目だよね。私たちのことなんて気にしなくていいのに」 智美「まあ本当に気にしないで目の前でやられてもそれはそれで困るけどなー」 睦月「それはそうですね」クスッ 睦月「……さあみんな、ここからは切り替えて、京太郎くんに負けないように私たちも決勝がんばろう!」 一同「おー!」 京太郎「よし! 全国決まってた! 結果見ると安心するなー」ホッ 京太郎「次は控室で応援を――」 ゆみ「京太郎!」タッタッタッ 京太郎「ゆみさん!? 来てくれてたんですか」 ゆみ「もちろんだ……まあ、少し遅れてしまったが」 京太郎「それでもすげー嬉しいです!」 ゆみ「ん、そうか。京太郎、全国出場おめでとう」 京太郎「ありがとうございます! ……その、ゆみさん、先に謝っときます。ごめんなさい」 ゆみ「うん? どうした?」 京太郎「……ゆみ」 ゆみ「!? な、なんだどうしたいきなり!?」ドキッ 京太郎「俺、全国に出られたら言おうと決めてたことがあるんだ」 ゆみ「う、は、はい」ドキドキ 京太郎「俺もプロを目指すよ。ゆみの隣にずっといられるように。ゆみと同じ大学に行って」 ゆみ「!」 京太郎「今まではその、自分に自信がなくてそんなこと言えなかったけど、やっとゆみと同じだけの結果を残せたから」 京太郎「ずっとゆみと同じ道を歩いて行きたいんだ。……今の俺はまだ後ろにいるけど、いつか追いつきたいし、追い越したい」 京太郎「だから、これからもずっと一緒に頑張りたい! ダメだって言っても追いかけるけど、出来れば認めてほしい」 ゆみ「……敬語を使わなくなったのも、これでようやく私と同じところに立てたとか思ったからか?」フフッ 京太郎「うっ。は、はい。その、嫌でしたらもちろんやめますので……」 ゆみ「もっと自信を持って欲しいな。呼び捨てでいいなんて前にも言ったろう?」 京太郎「そ、そうで……だったっけか」 ゆみ「まあその、驚いたし多分顔も真っ赤になっていると思うが、直に慣れるから気にしないでくれ」カアァァ 京太郎「わかった」 ゆみ「それでプロを目指すんだな。そんなこと、私が認めるも認めないもないだろう」 京太郎「いやでも……」 ゆみ「うん、まあ言いたいことはわかるよ。……実を言うと、私も想像していたんだ」 京太郎「え?」 ゆみ「京太郎もプロを目指してくれたらいいなって私も思っていたんだ」 ゆみ「学生の間だけじゃなくて、大人になってからもずっと同じ道を歩いていけたらって」 京太郎「ほ、本当に!?」 ゆみ「ああ、だから君がそう言ってくれて、おんなじことを考えていたんだなって思うと嬉しかったよ」フフッ 京太郎「……ゆみ!」ガバッ ゆみ「ひゃぅ!? な、何を!?」ワタワタ 京太郎「俺頑張るから! とりあえず全国で入賞できるように応援しててくれ!」ギューッ ゆみ「……うん、応援も出来るだけ行くようにするよ」ギュッ 京太郎「いや、それはお金がかかるでしょうから無理しなくても」 ゆみ「なんでそこだけ現実的になるんだ」ハァ 京太郎「抱きしめたらちょっと冷静になって来たんですけど、そしたら恥ずかしくなってきたので少し現実逃避を」 ゆみ「今さら遅い。だからもう少しこのままでいてくれ」 京太郎「……いや、でもいつものパターンだとこの辺りで」 ゆみ「蒲原たちか? 決勝を控えてるんだからいくらなんでも――」チラッ 智美・桃子・睦月・佳織「あ」 京太郎・ゆみ「え」 一同「…………」 ゆみ「お、お前たちもうすぐ決勝だろう!? なんでここにいるんだ!」 桃子「いやーこんなの放置して行ったら麻雀に身が入らないっすよ」 睦月「むしろ見たほうが落ち着くかなと……」 佳織「まあその、そういうわけで……」 智美「面白そうだったからなー」ワハハ ゆみ「くっ、何故私はもっと我慢できなかったんだ!」 京太郎「お互いもっと忍耐力付けないとダメだな」アハハ… 桃子「いやいいんすよ。そろそろ見るのが楽しくなってきたっす」 ゆみ「うるさい!」 睦月「藪蛇みたいだし、そろそろ会場に行こうか」アハハ 佳織「そうだね。遅れたら大変」 桃子「京太郎、先輩たち、応援頼んだっすよー!」 京太郎「知るかー!」 智美「ダメだぞーちゃんと応援しないと」ワハハ ゆみ「おまえが言うな!」 智美「それじゃ控室に戻ろうか。先に行ってるぞー」ワハハ ゆみ「はぁ、まったく何度目だこのパターンは」 京太郎「ごめんな。ゆみを見ると我慢が出来なくて」 ゆみ「それは私も一緒だ。もっと耐えられればいいんだが」 京太郎「それじゃ2人とも反省しないと」アハハ ゆみ「ああ、そうだな」フフッ 京太郎「そうだ。麻雀部のほうはどう?」 ゆみ「夏大のレギュラーになりたかったんだが、さすがに甘くはなかったよ。美穂子に先を越されてしまった」 京太郎「福路さん1年でレギュラーになったのか……」 ゆみ「ああ、風越のキャプテンは伊達じゃないな。まあ個人戦でいい成績が残せるように頑張るよ」 京太郎「大学はやっぱり厳しいのか?」 ゆみ「そうだな。挫けそうなこともあるよ。でも……」 京太郎「でも?」 ゆみ「京太郎もプロを目指すと言ってくれたから、もうそんなことは言ってられないな。情けない姿は見せられない」 京太郎「そんな気にしなくていいのに。そういうときは俺が支えるよ」 ゆみ「ありがとう。でもこれは私の意地の問題だから」 京太郎「そっか、なら頑張れ。俺もすぐ追いつけるように頑張るし、つらかったらいつでも頼ってくれ」 ゆみ「ああ、ありがとう。……じゃあ頑張れるおまじないでもしてもらおうかな」 京太郎「え?」 ゆみ「ん」メヲツブル 京太郎「……もう」チュッ ゆみ「うん、これで次に君に会うまで頑張れそうだ」フフッ 京太郎「そんな何ヶ月も会わないわけじゃないのに」 ゆみ「会うごとにしてもらったほうがおまじないも強力になるだろう」 京太郎「そんなもんなのか」 ゆみ「そういうものだよ。プロになれるように頑張るんだからいくらあっても足りないさ」 京太郎「そっか。俺も頑張らないとな」 ゆみ「ああ、一緒に頑張ろう」ニコッ ─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─◆─ えり『グランドマスター杯いよいよ開幕です!』 咏『小鍛治プロはいつこのタイトル失冠するんだろうねー。知らんけど』 えり『それは本当にわかりませんねー』 えり『小鍛治プロを記念して作られたタイトルですから別の人がならないとってのもあると思うんですけど』 咏『小鍛治プロが無理矢理出場させられて当然のように初代王者になったけど、正直何考えてんだろうって思ったよ』 えり『3年ほど前からどちらか一方が小鍛治プロの点を上回れば勝利という変則的なタッグ戦になりましたけど』 えり『小鍛治プロは依然として圧勝してますね』 咏『タッグがアナウンサーだからって、小鍛治プロにとっちゃその程度ハンデにもならないさ』 えり『タッグ戦だと勝手も違いますしねー』 えり『しかぁし! 今回の相手は麻雀界きってのおしどり夫婦! タッグ戦はお手の物!』 えり『小鍛治プロはこの2人も今まで同様退けるのか!?』 咏『……麻雀はともかく、盤外戦術的には敗北するかもねぃ。知らんけど』 京太郎「」タン ゆみ「」タン 恒子「」タン 健夜「」タン 京太郎「」チラッ ゆみ「」チラッ 京太郎「」タン ゆみ「ロン。3900」 健夜「ちょっと審判! またあの2人目を合わせてたよ!? イカサマじゃないの!?」ガタッ 審判「そ、そう言われましても本当に目を合わせただけですので……」 恒子「諦めなすこやん。そういう夫婦ってのはいるもんだよ」 健夜「卓上の麻雀牌がわかるならともかく、目を合わせると相手の欲しい牌だけがわかるなんてありえないよ!」 恒子(すこやん、そっちのほうがありえないからね) 京太郎「すみません、小鍛治プロ。でも本当に合図出したりとかはしてないんです」 ゆみ「そうなんです。目を合わせたるとなんとなくわかるってだけで確信を持ってるわけでは……」 健夜「合図なんて出してないのはわかってるけど認めたくないの!」 京太郎・ゆみ「?」 恒子(あー若さって怖いなー) 健夜「……再開しようか。中断させちゃってごめんね。でも絶対負けないから!」 京太郎・ゆみ「はい、私たちも負けません!」 ……… …… … 京太郎「あーやっぱ強いな小鍛治プロ」 ゆみ「そうだな。2人がかりでも全然届かなかった」 京太郎「うん、でも何も出来ないわけじゃなかった」 ゆみ「私たちも少しは成長してるのかな」 京太郎「きっとそうだよ。もっと強くなって2人で一番を目指そう」 ゆみ「ああ、これからも一緒にな」 イチャイチャ 健夜「……なんだろう。勝ったのに全然喜べない」 恒子「すこやん! 勝者は勝者らしくしてないとダメだよ!」 健夜「わかってるんだけど……」 イチャイチャ 健夜「……つらい」ウゥ… 恒子(開始前にやってたらすこやん負けてたかも……)アハハ 健夜「宮永さん、ちょっと聞いてよ!」シクシク 咲「どうしたんですか急に」 健夜「それがさあ……あ、生一つ」 咲「私はウーロンハイで。それでなんですか?」 健夜「今日グランドマスター杯ってあったの知ってる?」 咲「はい、もちろん。相変わらず圧勝でしたね」 健夜「まあ結果的にはそうなんだけど……」 咲「あ、もしかして途中でサマとか言ってたやつですか? あれは違いますよ」 健夜「うん、それはわかってるの。わかってるんだけど認めるのが辛くて……」 咲「確かに牌が見えてるならともかく、目を合わせたらお互いの欲しい牌がわかるなんて信じられないですよね」 健夜「そう、そうなんだよ! 独り身にはそんな通じあってるところ見せられるのはキツイんだよ!」ゴクゴク 咲「……そうですね」ピキッ 健夜「それで対局の後、あの2人何してたと思う?」 咲「どうかしたんですか?」 健夜「負けたのにすっごく爽やかなんだよ! 少しは成長したかなとかもっと頑張って2人で1番目指そうとか!」 健夜「ちょっと私には厳しいものがあって」 咲「……へぇ」ピキッ 健夜「麻雀界きってのおしどり夫婦とは聞いてたけどあんなに仲良かったんだね……見てたら眩しくてもう……」 咲「……」ブチッ 健夜「?」 咲「」ゴッゴッゴッゴッ 咲「」ダンッ 健夜「み、宮永さん……? い、一気飲みはよくないよ……?」 咲「小鍛治プロ」 健夜「は、はい」ビクッ 咲「私が京ちゃ……須賀プロと幼なじみだったのって知ってます?」 健夜「う、うん。だからこそ今日呼んで……」 咲「私は京ちゃんのこと好きだったんですよ。いや正確に言うと今も好きなんです」 健夜「えっ」タラー 咲「それに気づいたのは京ちゃんと加治木さんが付き合い始めたときからだったので、もう手遅れだったんですけど」 健夜「そ、そうなんだ」ダラダラ 咲「それで京ちゃんとは幼なじみの関係のままで、まあ仲はいいので良くメールしてるんです」 咲「昔みたいに毎日とは行きませんけど、2日に1回くらい」 健夜「な、仲いいんだね」ダラダラ 咲「メールの中身は大抵なんてことない日常のやりとりなんです」 咲「でもだからこそ、加治木さんとの惚気話が送られてくるんですよ。何度も何度も何度も何度も」 健夜「へ、へぇ……」ダラダラ 咲「小鍛治プロ」 健夜「は、はい!」ビクッ 咲「私が何年間この生活をしていると思います?」 健夜「い、いえそこまでは……」ダラダラ 咲「わからないですよね?」 咲「その私に向かってたった1日、それも対局と前後含めた数時間一緒にいただけで……小鍛治プロはなんて言いましたっけ?」 健夜「い、いえその……す、少し辛かったかなあと」ア、アハハ… 咲「……はい、別にそれでいいんですよ。気持ちはわかりますから。もっと素直な気持ちを言ってください」 健夜「み、宮永さん……! ありが――」 咲「代わりに、私の話も聞いてくださいね」ニコッ 健夜「」 ………… ……… …… … ――翌日―― 恒子「すこやん、昨日はあの後宮永プロ呼び出したんだって? ダメだよ愚痴言いたいからって若い子連れ回しちゃ……すこやん?」 健夜「ゴメンナサイ。 アノクライデ クルシイ ナンテイッテ ゴメンナサイ。ジブンガ ワルイノニ モテキガコナイ ナンテイッテ ゴメンナサイ」ブツブツ 恒子「す、すこやん? どうしたの?」 健夜「あ、こーこちゃん。もう私結婚できなくて辛いなんていわないよ」 恒子「ど、どうしたの!? 昨日何があったの!?」 健夜「私なんてまだまだだったんだね。私ごときが幸せなカップルを見て辛くなるなんて甘かったよ……」 恒子「よくわからないけどすこやんが結婚諦める理由にはなってないと思うよ!? すこやん正気に戻って!!」 健夜「あははははー……」 カン
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――――喫茶店 京太郎「……いきなり実は本当の息子じゃないって言われてもな」 京太郎(朝起きて妙に深刻な顔してると思ったらいきなりカミングアウトとは) 京太郎(どうやら実の親が会いたいといってきたらしい) 京太郎(どんな顔して会えっていうんだよ……) はやり「あれ、京太郎くん?」 京太郎「はやりさん、どうもです。今日はどうしてこんなところに?」 はやり「うん、ちょっと用事でね。京太郎くんは?」 京太郎「俺も似たような感じです」 はやり「あ、こっちだよー!」 はやり父「おお、もう来ていたのか」 はやり「え、さっき連絡したよね?」 はやり父「いや、お前じゃないんだ。君だよ、京太郎」 京太郎「えっ、それじゃまさか……」 はやり父「そうだ、私が君の実の父親だ」 は京「「ええーっ!?」」 ―――― ―― ― はやり父「それじゃあせっかくだから、姉弟で中を深めてくれ」 はやり父「私はここで失礼する。代金は払っておくから気にしないでいいぞ」 カランコローンアリガトウゴザイマシター 京太郎「……」 はやり「……」 は京「「あの!」」 京太郎「あ、どうぞ先に……」 はやり「いやいや、京太郎くんこそ……」 京太郎「じ、じゃあお言葉に甘えて。ええと、はやりさん?それとも姉さんとかの方がいいのかな……」 はやり「なんだかこそばゆいし、いつも通りでいいよ」 京太郎「じゃあはやりさん、正直未だに状況が飲み込めてないですけどこの後どうしましょうか」 はやり「京太郎くん、意外と冷静だよね」 京太郎「いや、もう開き直ってるっていうか……」 はやり「ふふ、それじゃあお姉ちゃんがいいとこに案内しちゃおう!なんて」 京太郎「お願いします。姉さん。なんて」 はやり「よーし、そうと決まれば行くぞー!」 京太郎「は、はい!」 カン!
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咏「ふんふっふ~ん♪」 えり「随分と機嫌がいいですね三尋木プロ」 咏「あっ、わかっちゃうよねぃ~この有り余る幸福感? みたいな~?」ニヤニヤ えり「……(うざっ)」 咏「まっ、イロイロあってねぃ」 えり「いろいろ?」 咏「最近、面白いおもちゃを見つけてさー。それで遊ぶのが楽しいのなんのって」クスクス えり「いい年しておもちゃですか」 咏「いいじゃん別に。大人のおもちゃって奴?」 えり「あの、一応放送してるので」 咏「そっかそっかごめんねぃ。でもさー、本当に面白いんだよねー」パタパタ えり「それほど面白いなら、一度見せて貰っても」 咏「ダメ」 えり「え?」 咏「あれは私のだもん。誰にもやんねー」 えり「そ、そこまでですか? じゃあ飽きたらでもいいので」キョトン 咏「うーん。じゃあ、ふふっ」ニヤリ えり「?」 咏「ガキが産まれたら、貸してあげようかねぃ」クスッ えり「へっ?」 -‐- ''"´. . . . . . `ヽ /. . . . . . . . . . . , '. . . . . . . . . . . . . /. . . . '; . . . .‘, / . . \ .i . . . ,' . .;' __ .'; . | . . .i i. !. ! γ´\ .i .| . . .! |i| i / iヾ、_i\ i | . . .i. i !l ト、 / ,rf'斧 ‘, i l |i . .八 !| i iハ ヽ Vリ ! ! | !| . . \ ! i .! Vハ. ´ ,! ! i 从 . . ._`ニ== == 、 __人_! ∧く / ! ! ;' .〃 ヽ. . . ` ミヽ ). / \ V | i i\` ー';' / / . . . \' 、 / 丶 \ Vl l i __>'" / ./i ヽ } } /≧=x \ \= i,/(_i, ィ≦7 ; ' ノハ } ヽノ ノ /三≧=- ≧ ニ ,' /Vl/ / /イく)ぅ\__ _ ト、 i 〉三三二ニ==‐-i{ ! / / イ_)  ̄\ . .(_乂_)|`ヽi ) >‐――‐-=ニ二>'つ/i 〃乂_) . . . (_\ . . . ..i ∠) . . j) . . .. .\/ ,fクぅ// ;' . .. . . ..∧ .. . . | !ヽ .. . .. . . ..\ /ソ' / % _,.. .. . ..(_ハ. . !__. ‘,o) .. () . . (⌒). ....\{イ! .. x8''" . く)ノ) . . . . }. i|//∧ |ソ) . . . . .(⌒○⌒) . Y%"゚ .. . . .(フ〈) . . % i| }//! ! . . ノ). ...(__乂__) ... . .|ミメ⌒Y⌒) . . . . ... ./ /_,///i i .._ .... . {\ Oく . ... . . . _r‐ |////,'. V 〉 .... . . ヽ人_) .. . . }/ !//// //. !_) . . .(V) . & .. (ハ .. . . . |//!/// //! ! .. .. .. . . く)O(フ. ..\ .. . .. . .. .. )( }ニコ!/////| | . . . ... (人) . . 人 .ヾrt?.. )( .`i/ | /////! l く)ノ) .. . . .. . . . ⌒ . . . . Y⌒ .. . . . . .///!/////」 | (フ〈) . . ,ノ) .. . . . . .. .. . .. . . . . ... . . .l// | /// `! .. . . . .⌒′ .. .(乂) . .. . . ... . . . x≦\/!l/\ 咏「今夜辺り、仕込むからさ」 咲「それでね、つい夢中になっちゃって」エヘヘ 和「それはよかったです。私も教えた甲斐がありました」 優希「今夜もたっぷり書き込むじぇ」カチカチ 久「荒らしたりしたらダメよ?」 優希「はーい!」 まこ「マナーは大事じゃぞ」 ガチャッ 京太郎「お疲れ様でーす……って、みんな何してるんですか?」 久「あら、須賀君お疲れ様」 京太郎「ケータイで何か見てたんですか?」 和「あぁ、これですか?」 咲「京ちゃんには関係ないよー」アセアセ 京太郎「おいおい、ハブるなよー」 まこ「まぁ無理もないのう」 久「だってねー」クスクス 京太郎「?」 優希「お前はこれを見てはいけないんだじぇ!」 京太郎「だからなんでだよ!」 咲「それはね、これが――」ヒソヒソ 京太郎「え?」 _,.. -- 、__, 、___ ⌒> ´ ´ ヽ `ヽ、 _,. ´ , , 、 | 、 、 ヽ  ̄7 / / 从 、 | | | . /イ / /l/ | | | l}从} | { _/_ { 从ヽ、 { | |/ イ´∨}  ̄´ {∧ { ○ 从{ ○ }'⌒}、{ {从 r-く| \ 叭 __ 八}イ 、 └―┘ ィ/∨ 「¨>-- rく「 ̄ } 京太郎「女性雀士用掲示板?」 咲「うん!」 和「なので須賀君は見れないんですよ」 京太郎「ちくしょー! レディースランチといい、男の俺にも提供してくれよー!!」ワーン バターン 久「もう、全く」 咲「放っておいていいんですか?」 久「いいのよ。あと、靖子のツテで、須賀君に特別コーチを用意したし」 まこ「特別コーチ? 誰なんじゃ?」 久「ああ、それは――」 クスッ 久「三尋木プロよ」 第二十三章【和っ姦ねー! 迫り来る合法ロリの影!】 雀プロ 控え室 咏「須賀京太郎?」 靖子「ああ。よければ面倒見てやってくれないか?」 . . . -―. .-. . . . ´ ` . 、 / ヽ ´ ` / l l l l l V ' , l ! | _ _l_ _ lヽ l l , V l l ! !l l丶!、 ! ̄ l l l , | l 斗- l l_ _ _ _ _l N N ヽ! ! ! ! | | ' | _ _| .斧芸斥≫ ! ! ! | ! { 《芸芯 弋__り | | ! l l . l l |弋_リ l l l | ポクポクポク l | l | | , j / ! l | N | ! ! // | ! | ∧ ! l l _ イ ' l 、 丶 .ヽ ! !、 < ノ ' \ /! ノ\ .\! _> イ __ y ''"´ / 、  ̄ / ___ヽ_/ l >-- --l  ̄ .// /ヽ 二ニ=- | | フ | |/ { / {! / ./ / \ ヽ | |-=ニ , | { ヽ |/ / / \ 、 Y | | / /} / !! ! _ゝ ./ / / ヽヽ l | | ,'/ // / l!\! ./ / / | } r | |-、/{ // / / .{ / .! / | / Y ィ ! |// / / /| l ! / | { __} !./ ! ! / / .| !l | l / | 八 __} 爪/ { |=======rヘ===.! !l .;'=== |/ ! / ヽ / | .', Ⅳ l ///////`´////\|l/////! | .| | | / | .', .ヽ!/////////////////////| ! チンチーン! 咏「唐突過ぎてわっかんねー! 何もかもがわっかんねー」バタバタバタ 靖子「だから説明した通りだってば」 咏「んー? その清澄の若造の面倒を見ればいいって話?」 靖子「そうそう」 咏「めんどいからパース。弟子は持たない主義なんでー」パタパタ 靖子「はぁ……そう言うと思ったよ。でも、断ると後が怖いよ」 咏「……なんで?」 靖子「大沼プロにチクるから」 咏「なんで?! 関係いじゃんっ!?」 靖子「そこはほら。三尋木プロって、全然指導会とか交流会に出ないからさ」 咏「あー……そういえば、前に弟子の一人くらい持てって」 靖子「それでまぁ、向こうにしても強い男子の一人くらい育てて欲しいってことでしょ」 咏「ふーん。経緯は理解したけど……どうも、育てるってのには向かないんだよねぃ」グテーン 靖子「適当でもいいから二、三日見てやって。そのあとはポイーでいいから」 咏「……はぁ。で、なんで自分で面倒見ないのかねぃ?」 靖子「え? 私は衣を触りに行くので忙しいし」 咏「……あっ、そ」 数日後 咏「(須賀京太郎……どんな奴が来るのかねぃ)」パタパタ 確か、清澄の生徒だっけ? あの学校には強い子が多かったから、少し楽しみかも…… 咏「ま、雑魚かったらすぐにポイすっけどー」グテーン コンコン 咏「うぃー。どうぞー」 ガチャッ 京太郎「し、失礼します!」ペコペコ 咏「おー、お前が須賀京太郎?」 京太郎「は、はいっ! お会いできて光栄です!」フカブカ 咏「頭上げろっつのー。別にそこまでかしこまらなくていいからさー」 京太郎「じゃじゃあ……って、え?」ピクッ 咏「?」 京太郎「三尋木、プロ?」キョトン 咏「いかにもそうだけど?」 ___,-、 _, ---- 、 , ´ / ` < ⌒\ / | . `ヽ、 / / / l| V ` 、 .' / , { { | | | 、 、_ \_ | | | | |∧| { ハ V 、\  ̄´ | | {/--{ 从 | , |-|、 | 、 \` ' | ,..- | | | ,ィtォ=ミ∧ |,ィtォ、} / |l ハ\_、 /イ{ { r 从 { Vソ ∨' Vソ/イ |∧} ∨乂 \ |/ j' リ }∧ ー . ` ムl/ / 、 八 _ _ 人 }イ/|\ / 「<l| ` .__/_ |////>、 | 「/| -=≦、[二]//l} |、}l∧_ 京太郎「……よろしくお願いします」 咏「おい待てコラ」ガシッ 京太郎「はぅあっ!?」 咏「何その? 「くそぉ、三尋木プロだなんて聞いてねーよー!」的な顔はさ?」ゴゴゴゴゴ 京太郎「ち、違うんです! 俺、部長から瑞原プロに見てもらえるって聞いてたのであだだだだっ!?」モガモガ 咏「……ふーん?」パッ 京太郎「あいたた」 咏「残念だったねぃ、キツイプロじゃなくてさー」 京太郎「い、いえ。三尋木プロのこともよく知っているので、光栄です」 咏「ま、別になんだっていいけどねー。じゃあほら、さっさと荷物置いて」 京太郎「はいっ!」 そ の こ ろ 恒子「し、試合終了ー!! 圧倒的点差で勝利したのは瑞原プロだァー!!」 靖子「」 はやり「ねぇ、靖子ちゃん? どうして私じゃなくて……咏ちゃんにお弟子さんの件を振ったのかな? かな?」ゴゴゴゴゴ 靖子「(そりゃあ、犯罪に発展しない為ですってば……)」ガクッ はやり「……いいなぁ咏ちゃん。私だって、ふふふふっ」ペロリ 咏「んじゃさー。実力見たいからネトマでも打ってもらおうかねぃ」 京太郎「ういっす!」 咏「ちなみに前回大会の成績は?」 京太郎「えっと、県予選の初戦敗退です!」 咏「……あ、そう」 ダメじゃんコイツ 強そうなオーラも感じないし……でも、何か違和感はあるねぃ 京太郎「よーし! 頑張っちゃうぞー!」 咏「……」ジィー 京太郎「てやー」カチカチ 数十分後 KANA:ざっこwww卓抜けるわwww SATOHA:もう少し基礎を学ぶべきだな NEKINEKI:負けて涙目の京ちゃんぺろぺろしたいわwww 京太郎「」ズゥーン 咏「(三連続箱割れ。それも合わせて数局のうちに)」 NEKINEKI:あぁ落ち込んだらダメやで! お姉さんが励ましたる! NEKINEKI:もう一回! もう一回よろ! な? な? NEKINEKI:京ちゃーん! いぇーい! こっち見とるー? NEKINEKI:好き好き! 愛しとるでー!! そや! うちのセクシーショットを送ったる! これで元気出しぃや! NEKINEKI:はぽdj;あkk@おああああああくそおかん案イオだlじゃkyl NEKINEKI:咏ちゃん、話聞いとるでー 頑張ってなー by 雅枝 京太郎「ふぇぇっ><」 咏「(やっぱダメかも)」ハァ 京太郎「俺、ダメですね」 咏「あ、うん」 京太郎「ふぇぇっ><」 咏「(なんだコイツ)」 京太郎「……すみません、取り乱して」 咏「いや、いいけど。というかまずは根本的な部分から直さないとねぃ」 ジャラジャラ 京太郎「?」 ウィーンガシャン 咏「じゃあ、手作りの基礎から教えるから。まずは理牌して」 京太郎「は、はい!」サッサッ 咏「……」 京太郎「出来ました!」 咏「よし、それじゃ……」 119m 1239p 119s 東東中 京太郎「あちゃー! またこんなゴミ手かよー」 咏「……ん?」 京太郎「よーし、それじゃあツモります!」スッ つ南 京太郎「あちゃー、字牌から」タン つ南 咏「……」 京太郎「で、こう回って次が……よし!」つ5m つ中 タンッ 咏「……」 京太郎「一歩ずつ前進だ!」 咏「……(コイツ、もしかして)」 京太郎「まずは端っこを整理だな」ヨシ 十順後 345m 123s 111s 6m 【鳴き 東東東】 京太郎「ここでリーチだ!」 咏「もういい……見てられない」ブルブル 京太郎「ふぇ?」 咏「まずさぁ!! 鳴いてんだろうが!!!」 京太郎「あ、そうだった!」 咏「次にさ!! なんだよこの打ち筋!! 舐めてんの!? あぁ!?」 京太郎「うっ」 咏「……あっ(やばい、つい熱く)」ハァハァ 京太郎「そんなに俺、ダメでしたか?」ウルウル 咏「ああ。ダメダメ。つーか、役とか覚えてないの?」 京太郎「昔は覚えてたんですけど、最近はネトマばかりで……」 咏「あぁ。ネトマって勝手に計算してくれるからねぃ」 京太郎「はい。なんとなく打ってたら和了れたりするので」 咏「……」 京太郎「ごめんなさい」 咏「いや、それはいいけど。まず一つ、さっきのネトマだけどさ」 京太郎「はい!」 咏「やたらカンしようとしてたけど、なんで?」 京太郎「えっと、俺の幼馴染がそれでよく嶺上開花するんで!」 咏「……次、やたら悪待ちや地獄単騎を好んだのはなんで?」 京太郎「部長がそれでよく和了るので」 咏「……あ、そう」 京太郎「?」 咏「じゃあ、追っかけリーチは?」 京太郎「俺の知り合いの可愛い人がよくそれで和了るので」キリッ 咏「お前馬鹿じゃねぇの?」 京太郎「ふぇぇぇっ><」 咏「(こいつの弱い理由が垣間見えた気がする)」 十数分後 咏「あー、つまり。お前の周りには強い雀士が沢山いると」 京太郎「ひゃい」グスッ 咏「で、自然とそれらの打ち方を真似してしまう」 京太郎「そうなんです」グスグス 咏「……なんで?」 京太郎「え? だって、ここはほら! 漫画とかでよくあるじゃないですか!」 咏「?」 京太郎「友情のパワーで! 仲間のオカルトが宿る!! みたいな!」 咏「……」 京太郎「みたいな!」 咏「ねぇよ」 京太郎「」 咏「仮にそういう力が存在するとしても、お前には無いってのー」ペチペチ 京太郎「そんなぁ」 咏「そもそも、一人か二人を参考にするならまだしも数十人は多すぎ」 京太郎「で、ですよねー」 咏「お陰で基礎も崩壊、一人一人の能力に合った打ち方を真似れば当然だよねぃ」 京太郎「あ、そっか」 咏「……まぁ、そういうこと。つまり、お前はまず基礎を叩き込む必要があるの」 京太郎「はい!」 咏「それでそのあとでじっくりお前の能力を見つけて、それに合ったスタイルに以降する」 京太郎「大変そうですね」 咏「んにゃ、そうでもない」 京太郎「え?」 咏「本来、自分の能力を見つけるのは相当大変なんだけどねぃ……こうも分かりやすいと助かるねぃ」 京太郎「?」 咏「まだ気づいてないようだけど」 / /. . l / | ハ ヽ \ ハ . . l. . . . l | /. . l l 厂|` ー /、 l | \ { \, 斗-― . l. . . l | /.. . . l l | ! ヾ | ヾ/ヾ | } . . l. . . l | i . . l l l_ | | ハ | \___ } イ . . l | | i l l 孑卞 芋ミx′ ̄ ̄ ̄ ィ斧芋苡`V / | l. . . l | | l l | 込 | |じリ ら{ リj 犲 | l . ./ l | /| l l ト { 乂 |少 乂辷少 / 从 / l |{ .! l l ヾ| | | / / l || l/\l 「` | | , 〃〃 / / l || 从 \ \ヽ | | / ' l || ヾ 人\ \| / 、_____, / / || .〉 ヽ \ \{ ` ´ < >ヘ | / \ \ \ \ > < _彡 ' . . . .} | 咏「お前にはオカルトが宿ってる」 京太郎「!」 京太郎「俺に、オカルト!?」 咏「それも、結構な拘束力のあるね」 京太郎「拘束力?」 咏「まぁ、能力ってのはタイプがあるからねぃ」 京太郎「ほうほう」メモメモ 咏「場や、相手に作用するタイプ。それと、自分自身に作用するタイプ」 京太郎「えっと、大星淡みたいなタイプと……松実玄さんみたいなタイプってことでしょうか?」 咏「そうゆうこと。お前はその後者」 京太郎「つまり、俺の元にはドラが集まりやすい!?」 咏「んにゃ」 京太郎「あったかぁ~い牌が!?」 咏「んにゃ」 京太郎「じゃあ可愛い女の子が!?」 咏「それは知らん」 京太郎「じゃあ! いったい何が!?」 咏「……幺九牌」 京太郎「……はい?」 咏「幺九牌が集まりやすいんだねぃ」 京太郎「あの、1とか9とか字牌の?」 咏「うん」 京太郎「……あ、ふぅーん」 咏「?」 京太郎「……いや、なんかイマイチピンとこなくて」 咏「ぷっ、あはははっ!」 京太郎「な、なんで笑うんですか!?」 咏「いや、こんなに面白いオカルト持ちは初めてみると思ってねぃ」クスクス 京太郎「?」 . -‐…‐- . ´ ` 、 / \ / .. .. .. .. .. .. .. .. .. 丶 . . . . . . . . \ . . . . . . . 、 / . . | . . . . . ¦ . . \ . . \ . . ` . . . . .| . . . . . | i . , . . . . . . . , ; . . . . . .| . . . 、_|__j_|ノ|ハ . . |i . . l i. .. .. |. . .| i . . . . ..| i | 人 ⅰ . |i . . i | | | . i. |. . .|八 . . . . ∨i,x圻幵竹, . |i . . | | | | . i. |/l ∧ . ___ノ 〃 トィ/f心| . |i . . | | | | . i. | . ァヒ扞ト′ _)ツ| . |i . . | | | i . . i. | 爪 トィ心 ,,, | . l/ . .. | 八 | | . i. | . |i' )ツ | ; ′ . . | \ /㍊i | i ’. ,. | . || 、 ,,, ′ ィ / . . . ノ| / ㍊i |/ V/, |i . 〈癶 ーく ノ / . . . / |/ ㍊i V 八 . . V .ゝ / . . . ィ/ / ァ㌻¨ \ \ . \i . \ . ≧=ー/ . . ≠≪'/ / ,ァ㌻¨。 ゚xヘ \ }≧=\------辷r< //。※゚l/ ァ㌻¨ ※/。※ハ ` / ;冖冖冖冖/ i/ `X升ォt/ ァ㌻¨ 。※゚/。※゚。※゚| | / / /。※゚.。※゚/ {※゚/ ゚| | ァ㌻¨ /。※゚〃※。※゚。※゚| |. / イ/ /※|。/。※/ {/。※゚| |¨l /※/゚/゚。※゚。※゚。※゚| ノ 咏「まるで、普段からはぐれ者を引き寄せる力を――持っているみたいじゃん」 京太郎「はぐれ、者?」 咏「いいねぃ。これは育てれば面白くなりそうじゃん」ニヤリ 京太郎「つまりポンコツを集めやすいってことですよね?」 咏「ま、そうとも言えるねぃ」 京太郎「そっかー。俺って、隙あればタンヤオ狙うので」 咏「これまたみみっちぃねぃ。麻雀は火力、パワーに決まってんじゃん」 京太郎「(そういや三尋木プロって高火力アタッカーだよなぁ)」 咏「じゃあ、もう一回やってみっかねぃ」 京太郎「はい!」 ジャラジャラジャラ 咏「じゃあ山から引いて」 京太郎「九牌かぁ。そういやあまり意識したことなかったなぁ」チャッチャッ 19m 129p 135s 東南西白発 京太郎「……」 / | |.. . ゙、 . ゙、゙、. \ |. i | i |. ∧ 、.i. .i . ` 、. ! | |、 | | i | ! | | | 、 > | | i 「! ヽート!、 リ ! |ハ ト | ̄ ̄. ,..-、| i | !゙、 _、!二゙、-| イ リ ! |ヽ | / へ.゙、 丶ヾヽ ´{ i` ヽ! 1!| /| !ノ゙、リ ヽ \ !丶  ̄ Vイ ハ |\ i. 丶 \゙、 ` リ `ヽ `┬ 、 ヾ / i ;ィノ U ,....-ィ / <ふぇぇぇぇっ,, ‐レリ _  ̄ /゛=!_ \ `ー-、_ _/ ゛== 、 \ / ̄ヽ、 ゛===-、 咏「……」 / . . | | ト、 \ l . . . . l. . . . / . . . | lハ | ; 斗匕 ヽ l i . . . . . .l. . . .. ′. . | | 乂 |/ヾ | \ /Ⅵ l . . l. . . ..i|. . .. -|-一 >- " 孑斧气メ 〉.| l . . l. . .. |.ハ. . | | |二. `込 ソ / | l . l. . .. | { |. . | l/ |气メ ` `””’ | l .l. . . | { |. |从 込ソ 〃〃 | / . l. . . .. 乂 l V マ `”’ / / . l. . . . l. 乂入 |〃 ′ / / . l. } } | - ‐ '′/ / 乂 乂 人./ ̄/〉 ./ > ' | > ヽ/ //、 __/ > '´ ̄__」、 / > / // / > ' / / (@)}/ / / // こ7 ヽ ∨ / .. . . . .. / / / // / /.(@)У/. (@). . . / 咏「(意識したことで、より力の精度が上がった。コイツ、もしかすると本当に――)」ニッ 京太郎「すげぇぇぇっ!!」 咏「(それにしても、この能力――)」 九牌をかき集める、なんて能力 まるで――【あの人】を倒す為に持って生まれたような能力だねぃ 咏「(もっとも、能力だけで勝てれば楽なんだけど)」 京太郎「やったー! 国士が出来たー!! うわーい!」 咏「これなら基礎なんて放っておける。まずは徹底的に九牌を絡めた和了を意識」 京太郎「は、はい!」 . . . ´ ` . . / / ヽ / / / ヽ . / / /l ハ―- 、/ i. / i レ' L / レ1/l | _ {/ | | 芹ぅ _ | |i | 〈ム | | | ヒり ー‐ |/ |l | マム | | /| '''' ′ '''' / 八 | マム 〉 从 マ フ / ヽ. マム__/ へ > r' _ _ _ _ _ / / . 「`ヽ/ .\ /7´〃 */ / . | * *\ イ * / iУ* / /\ ハ i | * * * トミj * { _ノ * /{ / * * ヽ' リ | * * * Vハ */* / * Ⅳ / * * | 咏「最悪チャンタで和了れるように手作りすること」 京太郎「頑張ります!」チャッ 咏「誰に習っていたか知らないけど、周りはお前にオーソドックスな麻雀を仕込み過ぎだねぃ」 京太郎「?」 咏「どうせ最初は字牌を処理、端っこを潰すとか習ったんじゃね?」 京太郎「はい」 咏「そりゃ和了れないわけだ。ま、ネトマばかりじゃオカルトが出ないから気づけなかったんだろうけど」 京太郎「(たった一局だけでそこまで見抜くなんて――さすがはプロ)」キラキラ 咏「なに?」 京太郎「いえ! ありがとうございます! 三尋木先生!」キラキラ 咏「……うっ」ドキッ 京太郎「?」 咏「(な、なんだこれ……// なんか、胸の奥がむず痒い)」ドキドキ 京太郎「あの、どうかしました?」 咏「い、いいから練習しろっての!(この子犬みたいなコイツを見てると、こう、胸がきゅんきゅんする)」ドキドキ 京太郎「えへへっ。じゃあ頑張ります!」ジャラジャラ 咏「(……これが母性なのかねぃ。あぁー! わっかんねー!!)」モジモジ 数時間後 京太郎「ほひー」 咏「ん。頑張ったねぃ」 京太郎「なんか、今までやってきたこと全てが裏返ったようでびっくりです」 咏「そりゃ価値観が変わるからねぃ。不要だと思ってた牌が重要になるわけだし」 京太郎「……そうですよね。不要な牌なんて無い筈なのに、一九牌や字牌を俺はダメな牌だって」スッ ジャラッ 咏「!?」 京太郎「ごめんな。お前たちのこと……これからは、大事にするから」 牌「」キラキラキラ 咏「(初めて見た。これが――牌に愛される瞬間って、奴なのかねぃ)」クスッ 京太郎「あっと。もうこんな時間かぁ」 咏「?」 京太郎「いや、俺まだホテルをとってないんですよ」 咏「は? それで東京まで?」 京太郎「ええ、急な話だったので。でも、そこらのネカフェか知り合いの家にでも」 咏「宛はあんの?」 京太郎「一応は。極めて便利な家に住んでる知人がいるので」 咏「ふーん……?」 ドクン 京太郎「?」 ドクン 咏「じゃ、じゃあさ」 ドクン 咏「私の家に泊まれば、いいんじゃね?」ドキドキ 京太郎「え?」 咏「あ、いやほらさ! ここ数日はこっちで修行するわけだし!」アセアセ 京太郎「そう、ですね」 . . -――‐- . .. ´ ` .、 / \ / \ / i | . / | | | | . ′ | | | | | | . l | | . l从 ト、 . | | . | l | | . | \ 、_ _|__\ 」 | . | | l | .|_ _; イ  ̄ ̄__ _,)ハ . | . | | | i l i∧ l___ 斗斧i^狄 | . | | | | | ∧ 「苅 V以 } ノ . . .| i . . | | | | iハ |i以 ,,, j/ .| | . . | | | | |. l | ,, ' / | | 从 l八 八 八人 v ´} / 八| \__ \|\ \≧ .. .._ ー/ .イ | . Χ⌒ |\ \ -- / _ -‐<※| | \ \__ _ |/⌒>\/斤/...(※)......リ ト、 i\ 「 ̄` /※)..|| /※|...(※/ |../※).....+...// 八..\ . . .| )' /※)...... ||三三三三三三三|...+.../... { /......(※∨ | /※)..... (※||/..+......|※)l.| ∨※./...(※| /....+./.... Ν /※)..(※)..+ /リ.....(※ノ......从{\{...../...(※)....| /...../... (※|. /※)..+.... (※//......... /......./.. ※)...../....... +(※|'... /.... (※)...| /+....(※).. +...〈/..(※)/...+./※)....+../※)..... +........./..※)... +.. | {※).......+......(※∨.......i..... /.+.....(※/+........(※)../...{...+.......(※).|. ∨...(※)+......(※∨... |......{....(※).../....(※).....+...∨{.... (※/ +...| ∨ ...... (※)......+∨. l‐''┴――┴―――――''| .... /...(※|. |...(※)...+.. (※).∨| i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i|..../.. (※).. |. |+........(※)..... +... ‘| i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i i il../ ...... (※..| 咏「私の家は広いしー? どうせ一人暮らしじゃん、みたいな?」アハハ 京太郎「ひ、ひとり暮らし!?」カァァ 咏「うっ、な、なな何をエロいこと考えてんのかねぃ? そ、そそそんなことあるわけないし!」 京太郎「で、ですよねー(そもそも体型的に)」 咏「あ?」 京太郎「イエナンデモアリマセン」 咏「と、とにかく決まり!拒否権は無いんじゃね? しらんけど!」 京太郎「えっと、俺としてはありがたいんですけど……本当にいいんですか?」 咏「まぁねぃ。その代わり、夜もみっちり特訓だから」ソワソワ 京太郎「はい! 望むところです!」ニッ 咏「可愛い」 京太郎「へ?」 咏「あ、いや。なんでもないんじゃね!? なくね!?」アセアセ 京太郎「いや、知りませんけど」 咏「うっさい! いいから付いてこい京太郎!」 京太郎「はいっ! 待ってください師匠ー!」 タタタッ ???「……みぃつけたぞぉ★」 三尋木邸 咏「入って、どうぞ」 京太郎「はぇ~、すっごい大きい」 咏「これでも稼いでるからねぃ」 京太郎「さすがは日本代表! いいなぁ、これくらい強くなれたらなぁ」 咏「なれるんじゃね?」 京太郎「え?」 咏「この私が教えてるんだから、当然じゃん」ニッ 京太郎「は、はいっ!」 咏「よし。んじゃ、着替えるの手伝って」 京太郎「……え?」 咏「帯、解くの手伝って」 京太郎「……いいんですか?」ゴクリ 咏「いいからほらほら」 京太郎「じゃあ! やります」ガシッ 咏「ん?」 京太郎「えーいよいではないか、よいではないかー!」グルグル 咏「あ~れ~」クルクル 京太郎「ぐふふふっ」 咏「って、何やらせとんじゃぁぁ!!!」チョップ!! 京太郎「あべしっ!!」 咏「たくっ。帯外すのだけでいいんだっつぅの」プンスカ 京太郎「ずみまぜん」シクシク 咏「じゃ、着替えてくるから」 ガチャ バタン 京太郎「……この部屋いい匂いするなぁ」ポワーン ソワソワ 京太郎「(そういや三尋木プロって自宅だとどんな格好なんだろう)」ドキドキ 京太郎「さすがに着物は無いだろうし」ウーン オーソドックスにパジャマとかかな 京太郎「ありえそうだ」ウンウン ガチャッ 京太郎「!?」 咏「いやー、今日はあっついねぃ」テクテク 京太郎「な、なっ?! なにぃぃ?!」 咏「んっ? お前もアイス食べる?」 _ <´ } , イ r‐< _ `}_r< > ´ < l /⌒ヽ .\ {`x .,>'"´ `ーr ´ ,r― 、 f'⌒ ヽ \ jノ/¨´ __ -‐ } / `ヽ l >、 〉/ノ / ./ ̄〃 ヽ _ノ ./{ ', l ノ ノ / .〃 l l 〈 ,r'´ ./ , 〃 /ハ l. { l / l ,{{ ノ《 、} l l l ./ {/《k ≦ ´ \ | l | .l / / 人 .《k=≦´ .__i^l__ { | | .レ' ./ Y . / . `┐r┘ l | l ', { / { .U l l | ', ∨ . 。° l | | ', 乂 ハ . _,r彡l. l l } ∧`´ ヽ . l l. l / v\ `ー´ . . . .| l ヽ / } .\ .l. l ` / /〈 __ノ l { 〈 ̄》Yハ\ . } { } `┴{{}∧ .\_________{ l { ̄/ ', l l `´ ', 、. l l 京太郎「チューブトップにホットパンツだとぉぉぉぉぉ?! しかも髪はアップ!?」 咏「なぁーに興奮してんのかねぃ」ヤレヤレ 京太郎「(普段とのギャップがヤバイ……幼児体型なのに、グッと来る)」ゴクリ 咏「ほら、アイス」スッ 京太郎「ど、どうも」ドキドキ 咏「んじゃ、料理でもすっかー」 京太郎「しかも料理?! マジっすか!?」 咏「料理しちゃまずい?」 京太郎「いえ、なんだかもう最高です!」 咏「あっそ」テクテク 京太郎「(いいなぁ。可愛くて家事も出来るなんて)」ノホホン 咏「(そういや誰かに料理作ってあげるのって初めてじゃん)」ドキッ ジュー ジュー 咏「ふんふ~ん」クルクル 京太郎「(上機嫌でネギ振り回してるの可愛い)」 咏「さて、出来たよ京太郎ー」 京太郎「うわー! 楽しみだなー!」 咏「ま、ちゃんと食っとかないと後が辛いからねー」 京太郎「大丈夫っすよ! 俺、こう見えても大食いで!」 ドンッ _______________ /_廴爻、 / i} /廴rd廴廴} .ー ‐ 、ーァテ ノ〉 / i} / ノ r‐爻{ `ミ、 ,,f´ 彡 / i} /__∠__{!_______`(_ ノ '´_/ ,。o'i} i{ i{ ;o'’/i} i{`゜~゚‘`∵':・*+∴:.o。 .;。,_ i{,。o'’ / i} i{ `゜~゚‘`∵i{ / i} i{二二二二二二二二二二二二二二j{/ ,。o'i} i{ i{ ;o'’/i} i{`゜~゚‘`∵':・*+∴:.o。 .;。,_ i{,。o'’ / i} i{ `゜~゚‘`∵i{ / i} i{二二二二二二二二二二二二二二j{/ ,。o'i} i{ i{ ;o'’/ i{`゜~゚‘`∵':・*+∴:.o。 .;。,_ i{,。o'’ / i{ `゜~゚‘`∵i{ / i{二二二二二二二二二二二二二二j{/ 咏「そっか。じゃあおかわりもあるから」 京太郎「うわぁ、これは想定外だぁ」 京太郎「み、三尋木プロは普段からこんなに食べるんですか?」 咏「いいや。男の子ならこれくらいペロリかと思って」 京太郎「あ、ありがとうございます」 咏「もう1セット作ろうか?」 京太郎「いえ! 大丈夫です!!」ビシッ 咏「ならいいけどねぃ」 京太郎「(いや、待てよ? 案外こう見えて中はスカスカかもしれない)」 咏「んじゃ開けっからー」 京太郎「はい!(そうだったら楽に食いきれる!)」 パカッ _____ r'⌒ヽ、 ,r"⌒ヽ、 ____ /;;7;;7;;7@@//⌒ゝ) //⌒ヾ} (ヾ(ヾ(ヾ(ヾ\ /;;;,/;;;/;;;/@@// ≦广Y弋彡 !| (ヾ(ヾ(ヾ(ヾ(ヾ\ /;;;;/;;;;/;;;;/@@ // ヾヽ} ,; ;, {// 〉 i| ヽノ、ノ、ノ、ノ、ノ,ノ .\ . /(个(个)()(()(()).// ヘYノ ,; ;;; ゝ//i|.. )二二)二二)勹勹\ /(个(个(个) ())())() /\ Y ,;; ;;;, Y/ | 0)二二)二二)勹勹勹\ /r⌒⌒⌒ヽ、. (()(()(())())_ . Y_,,-==-、,,f" (0)二二)二二)勹 勹 勹勹 \ /r⌒⌒⌒ヽ、/三三三!! /////! { }、((⌒((⌒((⌒))三ヽ三ヽ三ヽ三\ /r⌒⌒⌒ヽ、/三三三ミi //////! {'''""⌒"'イ) ((⌒((⌒((⌒))ヽ三ヽ三ヽ三ヽ三\ /r⌒⌒⌒ヽ、/三三三彡i! //////! ..ヽ''""''イノ . ((⌒'((⌒'((⌒'))\三ヽ三ヽ三ヽ三\ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | |___________________________________! 京太郎「うん。美味しい(錯乱)」 咏「まだ食ってねぇじゃん」 京太郎「俺レベルになると見ただけでわかるんですよアハハ」 咏「いいから食えっつぅの」ペチペチ 京太郎「はい。ていうかマジでうまそう! 量はともかく」 咏「見た目を揃えるくらい誰でも出来るんじゃね? しらんけど」 京太郎「そういうもんでしょうか?」 咏「当たり前じゃん。女ならフツーフツー。できなきゃ女じゃないっしょ」 ○夜「……今、咏ちゃんが私を馬鹿にした気がする」ゴゴゴゴゴ 良子「ワッツ?」 ○夜「ごめんね良子ちゃん。この試合――速攻で終わらせるから」ニコッ 良子「……今日は厄日ですね」 ○夜「天和四暗刻字一色大三元」ゴッ 新人A「ひぃぃぃぃっ!?」ジョババババ 新人B「ぎゃああああっ!?」ブリブリブリ 良子「はぁ」 京太郎「ご、ご馳走様でした……うっぷっ」 咏「まさか全部食べるなんてねー」 京太郎「お、美味しかったので(マジで味は最高だった)」プルプル 咏「しばらく泊まるから、明日楽出来るようにおせちにしたのに、食いしん坊だねぃ」クスクス 京太郎「」 咏「じゃあ片付けでもすっかー」 京太郎「て、手伝いますよ」 咏「いいから座ってろ。こういうのは女の仕事なのー」 京太郎「いや、でも」 咏「いいからいいから。旦那様はどしっと構えとけ、みたいなー?」 京太郎「だん、旦那様!?」カァッ 咏「あっ……//」カァァ 京太郎「そ、そういう設定で行きますか?」ドキドキ 咏「う、うるさい! 今のはちょっと間違っただけじゃね!? ああもう!!」ガチャガチャ ジャァァー 咏「……(なんだか今日の私、変だ)」シャコシャコアワアワ 京太郎「(洗い物してる後ろ姿がイイ)」ドキドキ 咏「~~♪」ゴシゴシ 京太郎「……癒されるなぁ」 ○夜「ロン、ツモ、ロン、ツモ、ロン、ツモ」 良子「ストップ! もうやめてください!! とっくに優勝していますよ!!」 ○夜「え? あぁごめん。あまりにも抵抗が無かったから」 プロの屍の山「」チーン 良子「クレイジー、新人プロとの交流戦でここまで暴れるとは……」 ○夜「てへっ♪」ペロッ 良子「」バターン ○夜「……疲れてたのかなぁ?」 咏「でさー。ここがこうでー」 京太郎「え? でも安目の方が確立……」 咏「たった一牌の差じゃん。それで満貫と倍満の差なら、当然倍満を取るべきじゃね?」 京太郎「あ、そっか。ツモる確立自体はほぼ同じですしね」 咏「そういうことー♪」 京太郎「勉強になります!」 チクタクチクタク 京太郎「……それで、ここは」ウツラウツラ 咏「さっき教えた通りに」 京太郎「……」スゥスゥ 咏「? なんだ、寝ちゃった?」ツンツン プニプニ 京太郎「んぅ……」 咏「しょうがないねぃ」サッ ファサッ 咏「おやすみ、旦那様」クスッ カチッ 京太郎「むにゃ……」スヤスヤ 翌朝 京太郎「んっ、ふぁぁっ……って、あれ? もう朝?」キョロキョロ 毛布がかけてあるってことは、三尋木師匠か? 京太郎「師匠ー! どこですかー?」スタスタ いないのかな? 京太郎「ん? 手紙……?」 『 今日は仕事だから、帰ってくるのは夕方になっからー それまではのんびり自主練でもしておくこと 朝ごはんは作っておいたから、昼は適当に冷蔵庫のものを使えばいいんじゃね? 鍵は置いておくから、外出する時はよろしくー 咏より 』 京太郎「……朝食?」チラッ _________/⌒}__r-、. ,. -‐ ´ /⌒}__r-、 /,'´,ィ(ソft'/} ‐- 、. / . /,'´,ィ(ソft'//,'´,ィ(ソfti/,' | ./ア=/ フl / /. /,'´,ィ(ソfti//,'´,ィ(ソf/ア=/ フl / ´ / / ! / / /,'´,ィ(ソfti//,'´,ィ(ソf/ ´ / / .l/ ´,ィソf/ / .|、 ヽ. / /. /,'´,ィ(ソfti//,'´,ィ(ソf/ ´,ィソf/ / , ', ' {ソfz/ / / ヽ \ / ./ /,'´,ィ(ソfti//,'´,ィ(ソft, ', ' {ソfz/ / / / ,ィソfz/ / / ', ヽ , i /,'´,ィ(ソfti/,'´l f' (ソftイ/ / ,ィソfz/ / / / {ソfz/ / / ', i | { | f' (ソfti/,'´ | |. ftz〃/ / {ソfz/ / / / ,ィソfz/ / / ! | i l | |. ftz〃 ´ ,..'LL_|ル{ / / ,ィソfz/ / / / {ソfz/ / / } | ', LL_|ル{ { / `^/ / {ソfz/ / {. { .ヾ゙/ / / ,' i ', ', `^ヽ./ {. { .ヾ゙/ / ,'., Y´ ,.ノ / / / ヽ. ヽ '., Y´ ,.ノ / '.,_{ `i ./ / / \. \ '.,_{ `i ./ \i/ / / \ ヽ、 \i/ / / `ヽ、 ヽ、 ________________.x<´, ''´ `ー―――――――――――――――――‐ ´ 京太郎「……ありがとうございます」 こうして、俺と三尋木プロの生活は始まった とは言っても、夜に三尋木プロにみっちり麻雀を教わって 日中は俺が家の家事や雑用を終わらせておくという感じ この連休を利用した合宿生活は、すごく――楽しくて成果のあるものだった 二日後 咏「でさ、ここならどうするー?」ニヤニヤ 京太郎「俺ならこっちを切りますね」 咏「おっ、いいじゃん。私もこっちがイイって思ってたんだよねぃ」 京太郎「本当ですか! やったぁー!」 咏「よしよし」ナデナデ 京太郎「へへっ」 咏「(あぁもう可愛いなぁコイツ)」キュンキュン 京太郎「これで俺もかなり強くなれましたかね?」 咏「ん? あぁ、あの宮永照と互角くらいじゃね?しらんけど」 京太郎「え」 咏「天江衣や大星淡には相性的に余裕勝ちだろうしさ」 京太郎「まじすか?」 咏「マジ」 京太郎「俺すげぇ」 咏「慢心するなよー」ペチペチ 京太郎「は、はいっ! 帰ったらさっそく勝負してみます!」 咏「……ん? 帰る?」 京太郎「はい。休みも終わりなので、そろそろ帰ろうかと」 咏「あっ、そっか」ズキン 京太郎「そういうことで、明後日には帰ろうかと」 咏「ふーん。まぁ、いいんじゃね?」 京太郎「師匠にはすごくお世話になりました!!」エヘヘ 咏「まぁ、こっちも片付けとかやってもらったし」 京太郎「俺、長野に帰っても! 師匠のこと忘れませんから!」 咏「……(なんで、二度と会えないみたいな言い方? これじゃあまるで)」ズキンズキン 京太郎「へへ、待ってろよー咲! 和! 修行の成果を見せてやる!」 咏「……」ドクン ドクンドクン ドクン ドクン ド ク ン 翌朝 咏「(気になって一睡も出来なかった)」 京太郎「今日も仕事ですか?」 咏「まぁ、ねぃ」 京太郎「じゃあ今夜の修行が最後ですね」 咏「!」 京太郎「頑張るぞー!」 咏「……行ってくる」 京太郎「はい。行ってらっしゃい」フリフリ バタン 咏「どうすりゃ……アイツを」 このまま自分の手の元に置いておけるのか わっかんねー! アイツが学生だし私はプロ! 年齢差だってあるし……クソ、手詰まりってところかねぃ 会場 靖子「よっ、三尋木プロ!」 咏「……あぁ、藤田プロ」 靖子「元気無いようだけど、あの子の様子はどう?」 咏「須賀京太郎?」 靖子「少しは上達したか?」 咏「かなりねぃ。高校レベルじゃ相手になる奴いないんじゃね?」 靖子「おいおい、それはさすがに言い過ぎじゃないか?」 咏「そうでないかもしれないし、そうかもしれない」ハァ 靖子「? 様子が変だぞ」 咏「なんでもない」 靖子「まぁ、いいが。くれぐれも手なんか出すなよ」 咏「手?」 靖子「あぁ、まぁ三尋木プロに限って無いとは思うが、若い男子高校生に手を出すとなると……ほら」 咏「手を、出す?」ドクン ...-  ̄ ̄ ー...... ,.ィ ` ... ,.. l ハ 、 \ / i i ハ '; ヽ / ; ;′ ! i 、 i ハ '; .. / ! i |! ヾ、 キ、 ハ i . ; i |、 ';ヽ ハヽ キ≧ォ、_ i l_ ; ト |ハ Vメ x{ィ≧' ハ リ \! ! Y i i |-l トミ\ ∨Zイ「ーぅj !,マ ヽ | ! i ! j レ' ト=ュ、 `ー‐' 匕z彡'´ リ ! イ ! l ハ メヘム jハ ノ j´ iハ マ ヽ 个.マム_リ / ノ i ト、 \ ヾ `ト `¨マ、 ヽ _ ィ _イ j l ヾ ` _ 、 ハ マ、 r ゚ ! /´ ノ / トー r人 ム マ ヽ. マ、 ヽ ノ {! / / _ ヽ、 | マ ム.ム \ ≧ュキ__ j V /イ z⌒{ ゝ、_ マ ムム `ーゝ/_jイ / マトー- マ.ムム /イ>-=イ⌒ヽ )_ イ/⌒ ヾ _ ー、 ミー マムム / ; ノ´ イ \ `ヾ マ.ムム /イ / ヽ /_ ヽ \ ` マムム { { / { 、ヾ } ヽ / マ jヽr/ )ヽ i ヽ \ヽ / 咏「手を出す……! その手があったねぃ」クククク 靖子「?」 実況席 咏「ふんふっふ~ん♪」 えり「随分と機嫌がいいですね三尋木プロ」 咏「あっ、わかっちゃうよねぃ~この有り余る幸福感? みたいな~?」ニヤニヤ えり「……(うざっ)」 咏「まっ、イロイロあってねぃ」 えり「いろいろ?」 咏「最近、面白いおもちゃを見つけてさー。それで遊ぶのが楽しいのなんのって」クスクス えり「いい年しておもちゃですか」 咏「いいじゃん別に。大人のおもちゃって奴?」 えり「あの、一応放送してるので」 咏「そっかそっかごめんねぃ。でもさー、本当に面白いんだよねー」パタパタ えり「それほど面白いなら、一度見せて貰っても」 咏「ダメ」 えり「え?」 咏「あれは私のだもん。誰にもやんねー」 えり「そ、そこまでですか? じゃあ飽きたらでもいいので」キョトン 咏「うーん。じゃあ、ふふっ」ニヤリ えり「?」 咏「ガキが産まれたら、貸してあげようかねぃ」クスッ えり「へっ?」 咏「今夜辺り、仕込むからさ」 この放送の後、某女性雀士用掲示板では騒ぎが起こった 三尋木プロの言う仕込むとは何か? あれはハッタリなのか、真実なのか 誰もが経過を固唾を飲んで見守ることしか出来ない中―― ついに、その夜は訪れる 夜 京太郎「もぐもぐ」 咏「……」ニコニコ 京太郎「あれ? 師匠は食べないんですか?」ゴクン 咏「あぁ。こうしてるだけでお腹いっぱいだからねぃ」ニコニコ 京太郎「?」 咏「いいからほら、もっと食え」 京太郎「はいっ!」 モグモグ 咏「……」 | l 斗- l l_ _ _ _ _l N N ヽ! ! ! ! | | ' | _ _| .斧芸斥≫ ! ! ! | ! { 《 芯 弋__り | | ! l l . l l | _リ l l l | 咏「美味しい?」 京太郎「はい! 美味しいし、何より種類が多くて楽しい食事です!」 咏「それはよかった」ニコニコ 京太郎「こんなにたっぷり……たべ、あれ? にゃん…だ、これ……」フラッ ガシャァーン 咏「……」ニヤリ 京太郎、お前が悪い お前が、私をこんなにも乱すから―― 咏「ふふっ、私は今日――お前と、寝る」 京太郎「」スピースピー 咏「子供、作っちまうからねぃ旦那様」グイグイ 京太郎「」ズルズル 寝室 京太郎「むにゃっ」ボフン 咏「さて――覚悟はいいか京太郎?」 とは言っても聞こえていないだろうけどねぃ ククク、これからお前は私との間で子作りをするっていうのに 咏「まずは前戯、から」 こちとら経験は無いが、知識くらいはある やるからには最高に気持ちよくしてやるからねぃ 京太郎「うーん?」ムニャニャ 咏「……じゃ、じゃあまずは」ドキドキ シュルルッ パサッ 咏「お互いに、裸に、なる……//」ドキドキ 京太郎「」スピースヤスヤ 咏「脱がすからねぃ」ヌガセガセ スルスル 京太郎「さみゅ……い」ブルブル 咏「が、ガタイいいな……//」ドキドキ そして、お互いが裸になった今! 咏「い、行くぞ……初めては痛いって言うけど」ドキドキ 愛があれば大丈夫じゃね? しらんけど 咏「覚悟、しろ……//」カァァ まずは……! 咏「手をつなぐ」ピトッ 京太郎「」スヤスヤ ニギニギ 咏「ひゃぁぁぁっ!? な、なにこれ!? やばっ!? マジやっべー!?」ドキドキドキドキ 京太郎「」スピピー 咏「て、手をつなぐだけで、こんなにイヤラシイなんて……すげー」ドキドキ 咏「お、落ち着けっつぅの! これくらいまだまだ前座」ハァハァ これからどんどんステップアップしていくんだからねぃ 咏「……じゃあ、次は」ドキドキ ギュッ 咏「だ、抱きつく――//」カァァア ムニムニ 京太郎「んぅ……」 咏「(やべぇやべぇこれ鼓動が直ででででで)」ドキドキドキドキ 京太郎「やわらかぁい」ゴロン 咏「へっ」 京太郎「んー」ダキッ 咏「うぇっ!?」ギュゥゥ 京太郎「んへへぇ」スリスリ 咏「(ひゃぁああああああああああああああああああああっ!?)」ドキドキドキ こ、こここコイツ?! 過程を一気にすっとばしやがった!! ここから少しずつステップアップするつもりだったのに……! 咏「う、うぅ……で、でもこれで一歩前進じゃね?」ドキドキ 京太郎「むにゃむにゃ」 咏「……つ、次は」チラッ ドクンドクン 咏「き、きき、きしゅっ!」ガリッ 京太郎「んぅ?」 咏「したかんだ……いちち」 京太郎「……」スピー 咏「じゃ、じゃあ行くからな。私のファーストキス……//」ドキドキ スッ 咏「んちゅー」 京太郎「……」スピー チュッ 咏「はぅぁん♪」トロォン なにこれぇ……夢みたいで、ほわほわするぅ 咏「んぅーもっとぉ」チュッ 京太郎「んぅ?」チュッ 咏「えへへっ、ちゅー」チュッ 京太郎「んぁ、なんだよぉ……まどろっこしぃ」ムニャムニャ ガシッ 咏「へっ?」 京太郎「ちゅー」 チュッ レロ 咏「!!??!?!?!?!?!?!?!」ドガァーン!! 京太郎「んぅっ、ちゅ、じゅるっ」 咏「んちゅうっ、れろぉ……あむ、れろぁ」ドキドキドキドキ 京太郎「ぷはぁ……えへへ、のろかぁ」スヤスヤ 咏「きゅぅー」 な、ななな何今の!? こんないやらしいキスが存在したなんでやっべー! やっべー! 咏「って、これくらいで物怖じしてる場合じゃないねぃ」ドキドキ 最終目標はコイツのガキを孕むこと そのためには、アレをやらなければならない 咏「(痛いかな……でも、我慢するしかないねぃ)」スッ 京太郎「スピー」 咏「まず……この、大きいのを……//」ガシッ 京太郎「んがっ?!」ピクッ 咏「掴んで……私の、股の間に……」クチクチ ビリビリビリ 咏「ひゃうぅっんっ」ゾクゾク い、入口に当たっただけで――こんなに、きもちいいなんて 咏「えへへっ……もう逃げ場は無いから、京太郎」クニクニ 京太郎「んぅー……」 咏「じゃあ、始めるからねぃ」ドキドキ 私とコイツの子作り! せ、せっ、セックスを!!! 咏「~~~っ!」ギュムッ シュッ シュッ シュッ 咏「ひゃぁぁんっ」ビリビリ 京太郎「ぁっ、ぁ……」ビクン 咏「これ、すごっ……やばっ」 シュッ シュッ シュッ 咏「股で挟んで擦るのが、こんなに、イイ、なんてぇ……」スリスリ 京太郎「うあぁ、な、ま、ごろ、しぃ……」ムニャムニャ 咏「あっ、あっ、く、来る! なんか、なんか来るんじゃね!?」ガクガク ギュムゥゥゥ 咏「っ!?」ビビクン! 京太郎「んぁっ!?」 ビュルルル 咏「ふぁぁ~~~~んっ」ガクガク ビチャチャ 咏「ぁ、ぁぁ……これ、きもちぃ……」トロォン 京太郎「」ガクガク 咏「うぇー、でもべとべと」デロォーン でも、これが京太郎の子供の素―― そう思うと、可愛く見えるかもねぃ 咏「えへへ、これで子供が……」サスリサスリ 京太郎「……」スピースピー 翌朝 京太郎「ん? ふわぁ……」 あれ? 俺っていつの間に寝たんだっけ? ていうか、なんか体がだるい 京太郎「って、滅茶苦茶チンコがいてぇ……最近抜いてないのに」ジンジン ガチャッ 咏「おはよー」 京太郎「あ、三尋木師匠!」 咏「よく眠れたんじゃね? しらんけど」 京太郎「おかげさまで。すみません、昨日は練習前に」 咏「いや、ちゃんと夜の特訓はしたけど?」 京太郎「へ? しましたっけ?」 咏「そりゃもうたっぷり」ツヤツヤ 京太郎「覚えてないっす」 咏「まぁ、いいじゃん。それより、朝飯食べて帰り支度しないと」 京太郎「あ、そうですね! それじゃあ頂きます!」ニッ 咏「……」クスッ 東京駅 京太郎「見送りすみません」 咏「どうせ暇だったしねぃ。それより、気をつけて帰るようにー」 京太郎「あの、俺! この恩は絶対に忘れませんから!」 咏「うん」 京太郎「あと、もし――出来たら、ですけど」ポリポリ 咏「?」 京太郎「俺も、プロ目指して頑張ってみます。三尋木プロみたいに、なりたいんです!」 咏「!!」キュン 京太郎「もしよければ、また長期の休みに色々教えてくださいね」 咏「……勿論、教えてやるっつぅの。今度はもっとみっちり」ニッ 京太郎「はい! それじゃあ、また!」 咏「精進しろよー」フリフリ こうして、我が最愛の教え子は長野に帰ってしまった たった数日だったけど――アイツは私の中に大切なものを沢山残して行ったねぃ 私はそれを、守り通さなくちゃいけない だから―― 咏「……ふふっ」サスサス 後日 えり「そういえば、例のおもちゃの件はどうなりましたか?」 咏「あれかー。まぁ、元気でやってるんじゃないかねぃ」 えり「手放したんですか?」 咏「一時的だけど」 えり「それなら私にも見せてくれればよかったのに」 咏「やーだ」 えり「そ、そうですか。でも、おもちゃも無くなって寂しいんじゃないですか?」ムカムカ 咏「うんにゃ。今の私はもう、一人じゃないからねぃ」 えり「一人じゃない? それは、どういう……」 咏「ふふっ。言葉通りの意味じゃね? 知らんけど」 えり「それって、え? まさか?! はぁああああああああっ!?」ガタァン 咏「これまでは、色々好き勝手やったけどさ」サスリサスリ _,,......-―-..... _ ,. ' `丶 / . ,' . ,' ii ハ i i_;; i ,' i.i |`i ' _「_,,」I; i. / __ 汽テテ= 〒テ「.! ハ / , ィ に! i ト り 乂リ .i i ! / ./ ゝ| l | !".r―┐"",ノ 乂_ { ,/ i ト,! ! ヽ. -' ,ィ彡イ `ヽ. ! ./ i N r‐`≧‐≦;イ ト; ヾ、 .{ ハ ハ i; ''´ ,,;'ニ r''" .ノ`ヾ;i ヽ }、 ル' .|/>ゞ . .( ゝ . . . \,i ,' ) / ̄ \ . . . \三≧=-. . . ..V. iハ. . .\. . i´ ̄` < . . / . .. i. || } . . . ト--ir-、 . .. \ / . . . \. l」 i. . . i-‐‐|ニハ . . .\__r‐-、 . .i 咏「今後は、この子と一緒に頑張って行こうかねぃ」トクン トクン トクン トクン トクン トクン トクン 咏「ふふっ♪」サスサス その後、全放送局がこぞってこのニュースを話題にし 2ch全体がお祭り状態 一部の過激派ロリコンが自殺したというが――まぁそんなことはどうでもいい 問題なのは、そう―― 久「……で? 本当になにもしてないの?」ニコニコ 京太郎「……誤解です」 彼の身に覚えの無い、十字架がまた一つ―― 第二十三章【和っ姦ねー! 迫り来る合法ロリの影!】 和姦ッッ!!
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出会い 桃子「はぁ・・・・」 東横桃子は子供の頃から影が薄く人の気付かれる事が多くなかった。 勿論、両親もたまに桃子の姿を見失ってしまう事も少なくなく、桃子を完全に認識できる誰もいなかった。 ただ、一人の少年に出会うまでは…。 少年「お~い」 ふと、遠くでこちらに向かって声をかける少年がいた。 桃子は『どうせ私の後ろにいる友達に声をかけてるっす』と自虐的に心の中でそう思ってると 少年「お前に声かけてるんだけど・・・?」 桃子は声のする方を見ると目の前には金髪の少年がすぐ近くにいた。 影が薄く人に気付かれにくい桃子は何度も人とぶつかるような距離になることは多く、その全てにおいてぶつからない様に避けていた彼女にとって『気付かれている相手』と『ぶつかりそうな距離』になるなんて初めての体験だった。 桃子「あ・・・あの・・・私のこと見えるっすか?」 桃子は恐る恐る金髪の少年に聞いてみた。 少年「何を言ってるかわかんないけど・・・・・一人なら一緒に遊ぼうぜ」 少年はそう言いながら桃子に手を伸ばした。 人に無視され続けた少女にはその手は少年の髪の毛と相まってとても眩しく見えた。 少年「俺、須賀京太郎。お前は?」 桃子「・・・わ、私は東横桃子っす!」 それが桃子と彼との出会いであった。 小学生の頃 桃子「京太郎くん。話があるっす」 京太郎「んー?」 桃子「今私たちのクラスでは仲のいい友達とあだ名で呼び合うってのが流行ってるらしいっす」 京太郎「あーそういやそんなこと俺のクラスでもあったようななかったような・・・」 京太郎「でもまぁ気にすることないんじゃねー?」 京太郎「桃子は桃子だろ?」 桃子「そりゃそうっすけど・・・」ウワメヅカイ 桃子「私、もっと京太郎くんと仲良しになりたいっす」 京太郎「よ、呼びたかったら勝手に呼べばいいだろ・・・」マッカ 桃子「やったっす! じゃあじゃあ」ピョンピョン 桃子「京太郎くんのことを今日から京さんって呼ぶっす!」 桃子「これでまた仲良しの階段を上ったっすよ!」 桃子「あ、私ばっか喜んでる場合じゃないっすよね」エヘ 京太郎「あんなにはしゃいでたのにクラスの誰一人も気付かないって・・・」 桃子「昔はこの体質が嫌だったっすけど、今は京さんがいるからへっちゃらっす」ニヤニヤ 京太郎「何度も友達作れって言ったのに今だに俺だけとか・・・」メソラシ 桃子「そんなことどうでもいいことっすよ!」 桃子「今は京さんが私にあだ名をつけることが重要っす!」エッヘン 京太郎「んーそうだなぁ・・桃子だから・・・」 桃子「・・・・・」ワクワク 京太郎「じゃあ今日から桃子のことモモって呼ぶことにする」 桃子「おーなんかあだ名で呼ばれるとムズムズするっすね」 京太郎「モモも俺のこと京さん・・・だっけ? そう呼ぶみたいだしさ」 桃子「これで私たちもあだ名で呼び合う仲っすね!」テヲサシダシ 京太郎「そうだな。これからも仲良くしようぜ」テヲニギリ 桃子「もちろんっす。ずっと仲良しっすよ」ギュウ 桃子(どうか末永くこの時間が続きますように・・・♪) 小学中学年 京太郎「そういや来週から林間学校なんだけどさ」 桃子「勿論、京さんと班が一緒っすよ」 京太郎「先生が気を利かせて一緒の班にしたんだろ」 桃子「えへへーちょっと嬉しい気遣いっすね」テレテレ 京太郎「準備した?」 桃子「もちろんっす」エッヘン 桃子「トランプにUNOにジェンガに花札にオセロに」 京太郎「ちょっと待て」 桃子「え、まだたくさんあるっすよ?」 京太郎「それ全部やるつもり?」 桃子「もちろんっす!」 京太郎「トランプだけにしようぜ」 桃子「えーもっと京さんと色々遊びたいっすよー」 京太郎「いいから」 桃子「京さんが言うなら・・・」シブシブ 当日 バス内 京太郎「すぅ・・・すぅ・・・」 桃子「んぅ・・・きょーさん・・・」 先生「あらあら、移動で疲れて寄り添って寝てるのね」 桃子「・・・えへへ」 小学校中学年 フォークダンス 京太郎「おい」 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「なんで俺がフォークダンス踊れないんだよっ?!」 京太郎「なんでモモと一緒に皆でフォークダンス踊ってるの見てないといけないんだよ?!」 桃子「練習でもそうだったっすけど、フォークダンス踊っても誰も私の手を握れないからっすね」キッパリ ※先生が気を利かせて二人を見学にさせたようです。 京太郎「でもさ、そんなことねーよ」テヲニギリ 京太郎「ほらな」 京太郎「モモの手、握れるじゃん」 桃子「京さん・・・//」ポッ 京太郎「ここで皆のフォークダンスを見てるのなんか悔しいからさ」 桃子「そうっすね・・・。そうっすね!」 京太郎「俺たちも踊ろうぜ」 桃子「私の踊りに付いてこれるっすか?」 京太郎「あったりまえだ。ずっとモモと練習してきたんだからな」 先生「あの二人、なんだか楽しそうでよかったわ」 小学高学年 修学旅行 桃子「今日は待ちに待った修学旅行っすね!」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「まさか同じ班になれるとは思ってなかったっす」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「京さん、私の話聞いてるっすか?」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「同じ班の人が「須賀くんしか東横ちゃんとお似合い人いないと思うから」って言ってくれて」テレテレ 桃子「これで二人きりっすね」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子(むむむー) 桃子「えいっ」ギュ 京太郎「くぁwせdrftgyふじこ」ビクッ 桃子「えへへー今日は思う存分楽しむっすよー」 京太郎「わかったわかったから抱きつくなって///」 桃子「はーい」ニコニコ 京太郎「ったく・・・向こうの水族館にみんな行くみたいだからそっち行くぞ?」 桃子「了解っす」 京太郎「ほれ」テヲダシ 桃子「はいっす」テヲニギリ 京太郎「迷子にならねーよーに離すんじゃねーぞ」 桃子「死んでも離さないっす!」 京太郎「縁起でもないこと言うんじゃねーよ」 桃子(京さんはいつも私の手を引いてくれるっす) 桃子(だから絶対何があってもこの手だけは離さないっすよ) 京太郎「ほら、皆待ってるぞ」スタスタ 桃子「京さん、ちょっと速いっすー」トテトテ 中学1年(春) 京太郎「・・・モモ」 桃子「グスッ・・・なんっすか京さん」 京太郎「そんなに泣くなって」 桃子「だって今日で京さんが・・・遠くに行っちゃうっす」グスグス 桃子「だからもう遊べなくなるって思ったらすっごく悲しくなって」 桃子「それにっそれにっ」 京太郎「携帯番号もメールアドレスも知ってるんだから心配すんなって」 桃子「毎日してくれるっすか?」 京太郎「おう、毎日してやる」 桃子「ん・・・うん・・・それなら我慢するっす」 京太郎「また会えるし長い休みになったら会いにくるから」 桃子「絶対・・・絶対っすよ?」 京太郎「おう! 男に二言はないぜ」ナデナデ 桃子「あぅ・・・わかったっす」 桃子「京さんに逢えるの楽しみに待ってるっす」 京太郎「いっぱい遊ぼうな」ナデナデ 桃子「はいっ!」 須賀母「ちなみに引っ越し先は県内だからすぐに遊びに来れるわよー」 京・桃「 」 ※ちなみに咲ちゃんに京太郎が出会うまで毎週のごとく二人で遊んでいたようですがまたそれは別のお話です ステルス少女とチョコレート 桃子「京さん。バレンタインチョコあげるっすよ」ワタシ 京太郎「おっマジか。サンキューモモ」ウケトリ 桃子「京さんは今日何個貰ったっすか?」 京太郎「・・・・・・・言わせんな恥ずかしい」 桃子「あははは、京さんカッコいいからもっと貰ってるかと思ったっすよ」 京太郎「幼馴染みのモモくらいだよ・・・・やっぱりこの髪の毛のせいなのかな・・・」 桃子「絶対ダメっすよ! 黒とかに染めたりしたら」ゴッ 京太郎「お、おう・・・モモがそこまで言うなら・・・変えないけどさ」ゾクゾク 桃子(京さんの髪色はいつも眩しくて綺麗っすからね) 京太郎「ん? 俺の髪の毛になんかついてる?」 桃子「なんにもついてないっすよ」 京太郎「そっか。ありがとなチョコ」ナデナデ 桃子「な、何するっすか?!//」マッカ 京太郎「チョコのお礼」ナデリナデリ 桃子「そんなことされたら髪の毛くしゃくしゃになっちゃうっすー///」 桃子(私のほうこそ京さんに沢山のもの貰ってるっすよ♪) 桃子(だからこれからもどんどんお返しするから覚悟するっすよ、京さん♪) スキンシップは突然に 桃子「きょーさん♪」ダキッ 京太郎「うわっ何するんだよ!」 京太郎(モモのおもちが背中にっ!) 桃子「お久しぶりっす」 京太郎「昨日ぶりじゃねーか//」アタフタ 桃子「10時間以上会えなかったっすよ?」 京太郎「分かったからそれより早く離れてくれ///」 京太郎(じゃないと俺の理性が) 桃子「いやっすね」ムギュゥ 京太郎(ふぉぉぉぉぉおもち最高ぅぅぅぅぅ!!!) 桃子(耳まで真っ赤になってるっす・・・あと一押しっす) 京太郎(鎮まれ俺のリー棒、ここでリーチ立てたら変質者扱いされるぅぅぅぅ) 京太郎「うぉぉぉぉぉぉ!!!」ブンブン 桃子「きゃっ」ハンシ 桃子「何するっすか!?」 京太郎「そりゃお前のほうだろうがっ」 桃子「だって寂しかったっすもん」ションボリ 京太郎「あー・・・俺も寂しかった・・・・・ぞ?」 桃子「えへへー」ニカー 桃子「以心伝心っすね!」 京太郎「そりゃ小学校からの付き合いだし」 桃子「これからもずっと一緒にいるっすよ」 京太郎「いやいや高校違うんだからずっとは無理だろ」 桃子「そりゃそうっすけど・・京さんと一秒でも長く傍に居たいっす」 京太郎「仕方ねぇな、モモが一人立ち出来るまで傍にいてやるよ」 桃子「嬉しいっす!」 桃子(私が一人立ち出来るようになったら、その時の隣は京さんだけっすよ♪) ステルス少女はお料理上手? 京太郎「おはようさんっ」 桃子「おはようっす、京さん! 逢いたかったっす」 京太郎「昨日夕飯作りに行ったろうが」 桃子「また作りに来てくれるっすか?」 京太郎「また今度な」 桃子「約束っすよ? 破っちゃイヤっすよ?」ウキウキ 京太郎「ほら早く行くぞ?」スタスタ 桃子「待ってくださいっす~」 京太郎「あー」フリカエリ 桃子「どうかしたっっすか?」コクビカシゲ 京太郎「別にモモが俺の家来て晩飯作ってくれてもいいんだぜ?」 桃子「・・・・・」ポカーン 京太郎「あーモモの料理上手いからたまには・・・な」ポリポリ 桃子「・・・・・・・」ウツムキ 桃子「・・・・・・・・・・」プルプル 京太郎「どうしたんだモモ?」 桃子「いよっしゃああああああああああっす!!!」ガッツポーズ 京太郎「・・・・・・っ」キーン 桃子(母から教えてもらった『男は胃袋から落とせ作戦』が実りつつあるっすね!) 桃子(このまま結婚までステレスモモの独壇場っすよ!) ラブレターとステルス少女 小学校編 京太郎「・・・・ん?」ポカン 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「いや、なんでもないわ」イソイソ 桃子「ならいいっすけど・・・」 桃子(なんだか怪しいっすね) 京太郎(初めてラブレター貰っちまった・・・!)ガッツポーズ 桃子(なんか嫌な予感がするっす) 京太郎「モモ、早く教室行こうぜ」テクテク 桃子「待ってくださいっすー京さんー」コバシリ 桃子(隠し事したって無駄っすよ!) 桃子(京さんの隠し事なんで全て暴いてやるっす) 京太郎「はぁ・・・結局断っちまった」 桃子「えへへ、嬉しいっすね」ニコニコ 京太郎「だって・・・モモ友達いないし」 京太郎「というか、そもそもモモが友達を作らないからでモモに友達の一人や二人がいたら俺だって告白だって受けてたっつーの」 桃子「京さんにこんなに考えてもらえるなんて私は世界一幸せっすね!」ニコニコ 京太郎(俺がラブレター貰ったって知ったら死にそうな顔してたくせによく言うぜ・・・) 京太郎「このことが知れ渡ったら他に告白してくれる子なんていないだろうしなぁ」 桃子「むー私がいるじゃないっすか!」 京太郎「モモは人から認識されないから一人で空気に話しかけてるみたいになるから」トオイメ 桃子「・・・・・・もうバレンタインも誕生日もクリスマスも初詣も一緒に過ごしてあげないっす」プイッ 京太郎「私めが悪うございました」ドゲザ 京太郎「この私と一緒に過ごしていただけないでしょうか?」フカブカ 桃子「もう~京さんは仕方ないっすね~」 桃子「私は優しいのでそんな京さんを見捨てないで一緒に過ごしてあげるっす」ニコニコ 京太郎「ははーありがたき幸せー」 桃子「くるしゅうないくるしゅうないっすよ」 桃子(こんな日が続くならずっと友達はいなくていいっす) 桃子(京さんが一緒にいてくれるならっす♪) ステルス少女と嶺上少女 桃子「むむむ」グルル 咲「ううう」アウアウ 桃子「京さん! これはどういうことっすか!?」 京太郎「えっと・・・これには深い訳があって・・・」ヒヤアセ 桃子「どうせ京さんのことだからこの子が教室で一人ぼっちになってるのを見てついつい話かけて仲良くなっちゃったんっすよね」 咲(この子もあだ名で呼んでる。なんか嫉妬しちゃうなぁ) 京太郎「・・・さすがモモだな、その通りご名答っす」アハハ 京太郎「とりあえずお互いのこと分からないしさ、自己紹介しよう。な?」 咲「えっと・・・あの、私は宮永咲って言います」 桃子「どうもっす。私は東横桃子っす」ジー 咲「京ちゃんとは同じ中学校で同じクラスです」 桃子(京ちゃん? むむーあだ名で呼ぶなんてライバル出現っすね) 咲「えっと、読書が趣味であんまり人と話すのが苦手だったんだけどね」 咲「ある日、そんな私に京ちゃんが話しかけてくれてそれをきっかけに仲良くなって今に至るというわけです」ニッコリ 桃子「私は小学校の時に京さんに一人でいるところを遊びに誘ってもらって以来ずっと仲良しさんっす」ニッコリ 桃子「もちろん何度もお互いの家に行ったり、お泊りもしたっす」 桃子「私と京さんとは幼馴染みだから当然っす」 咲「私は京ちゃんと一緒にお昼食べたり一緒に登下校してるもん」 桃子「・・・・」 咲「・・・・」 京太郎(・・・どうしてこうなった) 桃子「京さん!」ゴッ 咲「京ちゃん!」ゴッ 京太郎「はい! 何でございましょう?!」ガタガタ 桃子「今日は」ギュウ 咲「私と」ギュウ 京太郎「なぜ二人は俺の両手を掴んでるでしょうか・・?」ガタガタ 桃子「遊ぶっす!」 咲「遊ぶんだからね!」 ※この後色んな場所に連れ回されたようですがそれはまた別のお話 てるてるステルス 京太郎「ただいまー」 照「おかえり」 京太郎「・・・誰です?」 照「酷い・・・あんなに愛し合った仲なのに・・・」 京太郎「誰かが聞いたら誤解するようなこと言わないで下さい!」 桃子「・・・京さん?」ニッコリ 京太郎「誤解だあああああああああああ!!!」 桃子「もちろん京さんがそんなことしないって信じてるっす」 桃子(あんなに抱きついたりしても手の一つも出してこないっすもんねぇ) 桃子「で、この女性はどちらさまっすか?」 京太郎「咲のお姉さん。宮永照さんだよ」 桃子「あーなるほど。確かにそっくりな部分があるっすね」 照「なんか貶されてる気がするんだけど」 京太郎「き、気のせいじゃないっすかねぇ?」 照「京太郎、咲が今日休んだと思うんだけど何か持って行く物ある?」 京太郎「相変わらず律儀ですね」ガサゴソ 京太郎「はい、これですね」ワタシ 照「ありがと」ウケトリ 桃子「あ、照さん」 照「?」 桃子「私、東横桃子っす。咲ちゃんとは仲良くさせてもらってるっす」 照「咲から聞いてる。影の薄い女の子と友達になれたって」 照「でも咲は強いよ?」 桃子「もちろん負けないっすよ」 照「ふふ」 桃子「えへへ」 京太郎(俺の家なんだけどなぁ) ステルスと宮永姉妹と麻雀と 京太郎「」 桃子「ごめんなさいっす」 咲「ごめんね京ちゃん」ペコリ 照「今日もお菓子が美味しい」ポリポリ 京太郎「いやうん仕方ない初心者だし」 京太郎「それにしても皆すげー・・・こういう場合は強いでいいのか?」 桃子「そりゃそうっすよ」エッヘン 桃子(京さんと会えないから麻雀ばっかりしてたなんていえないっす///)イヤンイヤン 京太郎(モモがトリップしてる・・・話しかけないでおこう) 京太郎「そういや咲もすげー強いよな」 京太郎「なんつーかそこの違うとこの牌であがったりとか」 京太郎「照さんは南場?になったらずっとあがり続けてたり」 京太郎「咲があがらなかったら点数なくなってたぜ?」ナデナデ 咲「あぅぅ・・・///」プシュー 照「ちなみに私はまだ後三回の変身を残してる」 京太郎「勘弁してくださいマジで洒落にならないっす」ガタガタ 照「冗談」ポリポリ 京太郎「真顔で言われると冗談に聞こえないんですけど」 桃子「そういえば京さん」 京太郎(お、トリップ状態から帰ってきたのか) 京太郎「んー?」 桃子「携帯のアプリで麻雀出来るっすよ?」 京太郎「あるのは分かるけど、そういうのって沢山あってどれがいいかわからないんだよなぁ」ポチポチ 桃子「ちょっと見せるっす」ズイッ 京太郎(うぉぉ・・胸が肩に・・当たってる・・・モモのやつまた大きくなったか?///)マッカ 咲「京ちゃん鼻の下伸びてる」ジトー 照「やっぱり男の子だね」 京太郎(見られてるぅぅぅぅぅ////) 桃子「京さん、ちゃんと聞いてるっすか?」ギュウ 京太郎(さらに押し付けてきた!//) 京太郎「あ、ああ。ありがとなモモ//」 桃子「京さんのためだったら全然大丈夫っす」ハナレ 桃子「あと、麻雀で分からないことがあったら私に聞いて欲しいっす」 京太郎「ああ、頼らせてもらうぜ! 後でメールで送るからアプリで麻雀しようぜ」 桃子「もちろんっす。京さんの頼みであればたとえ火の中水の中っすよ」 京太郎「ありがてぇありがてぇ」ナムナム 咲「お姉ちゃん」 照「なに?」 咲「私も携帯欲しいんだけど」 照「じゃあ今度家族麻雀でお父さんから勝って買ってもらおう」 咲「ふふ、麻雀って楽しいよね」ゴッ 界「」ゾクッ 界「今なんか寒気が」 ※この後家族麻雀でボコボコにされた界さんがいらっしゃいますが本編とは関係ありません 海だ水着だステルスだ!~水着選び編~ 京太郎「夏と言えば海だよな!」 桃子「あー確かにっす」 京太郎「というわけで海に行こうぜ」 桃子「いいっすよ」 桃子「ただし、今から水着買いに行こうと思うんで京さんにも着いて来てもらうっす」ギュ 京太郎「ア、ハイ」 デパート~女性水着売場~ 桃子「京さ~ん」 京太郎「あのさ、ここにいるのすげー気まずいんだけど・・・」 桃子「逃げたら許さないっすからね!」 京太郎「逃げないから安心しろって」 桃子「私的にはこっちの黒のビキニとかもいいと思うっすけど京さんはどれがいいと思うっすか?」 京太郎「そうだなぁ・・・これとか?」 桃子(白のセパレートタイプっす。これを着て欲しいってことっすかね?) 桃子(ちょっと照れるっすね///) 桃子「京さんが着て欲しいなら・・・これにするっす///」 京太郎「おう、似合うと思うぜ///」 桃子「そうっすか///」 京太郎「ああ///」 桃子「じゃ、じゃあお会計に行って来るっす///」 京太郎「ちょっと待て」 桃子「え?」 京太郎「それ買ってやるよ」 桃子「いやそれは悪いっす。自分で払うっす」 京太郎「いいから。俺が海行きたくて俺がモモの水着も選んだんだからそれくらいさせて」 京太郎「たまには男をたたせてくれって」ニコッ 桃子「むぅ・・・じゃあ京さんの水着は私が払うっす!」 京太郎「あープレゼントみたいに?」 桃子「もちろんっす」 桃子「じゃなきゃその水着は私が払うっす」 京太郎「わかったわかった。じゃあそれでいいから」スタスタ 桃子「京さんに似合う水着選んどくっすー」テクテク 京太郎「さてと、お会計するか」 ※海水浴編に続きます お泊り会~小学校編~ 桃子「えへへー京さんと一緒のお布団っす」 京太郎「モモももっと近くにこいよ」 桃子「はいっす」 桃子「なんかこうしてると昔の私が嘘みたいっす」 京太郎「昔のモモのことはわかんねーけど、今のモモはすっげー楽しそうだぜ」 桃子「そりゃそうっすよ! だって最高の友達が出来たっすから!」 京太郎「俺もモモのこと最高の友達だと思ってるぜ」 桃子「仲良しさんっすね私たち」 京太郎「当たり前だろ」ナデナデ 桃子「えへへーっす」スリスリ お泊り会~中学校編~ 桃子「京さーん、なんで別の布団に入るんすかー」 京太郎「そりゃ昔みたいに同じ布団に入るなんて出来ないからな」 桃子「私は気にしないっすよー?」 京太郎「俺が気にするの!」 桃子「もーじゃあ、手だけでもいいんで握ってくださいっす」 京太郎「まぁ、それくらいなら」ギュウ 京太郎(やわらけぇ) 桃子「京さんと手を繋いでるとなんだか安心するっす」ニコニコ 桃子(本当は抱きつきたいっすけどね) 京太郎「モモはやっぱり寂しいか?」 桃子「そうっすね、学校行っても京さんがいないって思うと寂しいっす」 京太郎「いまさらだけどごめんな」 桃子「全然大丈夫っす。こうやって私のワガママでお泊りさせてくれるだけで」 京太郎「・・・・」 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「悪い」モゾモゾ 桃子「こっちのお布団の方がいいっすか?」 京太郎「俺もちょっと寂しかったしな」ナデナデ 桃子「私、京さんの手で頭撫でられるの結構好きっすよ」 京太郎「そっか」ナデナデ 桃子「えへへー」ニコニコ
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ステルスバースディー 京太郎「誕生日おめでと」 桃子「ありがとうっす!」 京太郎「今日は俺の手料理をご馳走してやるから楽しみにしてろよ?」 桃子「はーいっす♪」 食事後 京太郎「ほら、モモに誕生日プレゼントやるよ」 桃子「マジっすか?!」ガタッ 桃子「ちょー嬉しいっす!」ワーイワーイ 京太郎「ほらよ」サシダシ 桃子「さっそく開けるもいいっすか?」 京太郎「おう」 桃子「なっにかなーなーにかなっす」 桃子「これは・・・ピンクのお花っすか?」 京太郎「お花の髪飾りな。モモに似合うと思って買ってきたんだ」 桃子「えへへさっそく着けちゃうっす♪」ニコニコ 桃子「どう・・・・・っすか?」ウワメヅカイ 京太郎「すっげー似合ってるぜ」ナデナデ 桃子「えへへーやったっす」ニヤニヤ 桃子「そういえばこれってなんのお花なんですか?」 京太郎「ブーゲンビリアって花だよ」 桃子「へぇー京さんって詳しいっすねぇ」 京太郎「まぁな!」 桃子「今日はとっても楽しい誕生日になったっすよ。ありがとうっす」 京太郎「俺も毎年祝ってもらってるんだからこれくらいっさせてくれって」 桃子「なら、これからもずっと京さんの誕生日を祝ってあげるっす♪」 ※ブーゲンビリアの花言葉を調べた桃子が真っ赤になりベッドにばたんきゅ~しますが別の話です おもち大戦争 桃子「ぐぬぬ・・・」 桃子(まさか京さんの知り合いにこんなにおもちを持ってる人がいるなんて・・・) 美穂子「えーっとなにかしら?」 和「これはなんの集まりなんですか?」 咲「私に聞かないでよ・・・」 咲(なんでみんなおっぱい大きいの・・・不公平だよ・・・) シロ「京太郎、おんぶ」 京太郎「はい喜んd」 照「させない」ダキッ 桃子「・・・・・・」 桃子「もしかして皆さん」 桃子「京さんのこと好きっすか?」 美穂子「・・・・・////」 シロ「まぁ・・・(告白までしたし)」 咲「・・・・///」コクン 和「いやあのなにがなんだかわからないんですが・・・」 桃子(他の女の子は皆好きみたいっすね・・・) 桃子(でもこのおっぱいさんだけはまだ好きじゃないみたいっす) 桃子(こんなおっぱいで迫られたらおっぱい好きの京さんじゃイチコロっす) 桃子(絶対にこれだけは阻止しないと・・・・っす) 桃子「絶対負けないっす!」 京太郎「照さん、いつまでくっついてるつもりっすか?」 照「内緒」ポリポリ 咏たんうんたんぺったn( 京太郎「皆今頃全国の舞台で戦ってるんだろうなぁ・・・」 京太郎「ま、暗くなってないで部室の雑用でもこなしますか!」 京太郎「まずは雀卓の掃除をして」 ガララッ 京太郎「今、麻雀部はいませんよー」フキフキ ?「お、いるじゃん」 京太郎「いやだから、麻雀部は全国大会に行ってますって」フキフキ ?「いやいやあたしは須賀に用事があってきたんだよ」 京太郎「はい? それにどうして俺の名前を?」 ?「男子の予選見させてもらったからね。それに中々面白い打ち方するじゃんか」 京太郎「どんな打ち方をしても勝てなかったら意味ないですよ」 ?「もっと強くなりたいか?」 京太郎「もちろん! 強くなって・・・全国行きたい」グッ ?「即答かい」 ?「須賀がどれだけ強くなれるかわっかんねーけど」 / /. . l / | ハ ヽ \ ハ . . l. . . . l | /. . l l 厂|` ー /、 l | \ { \, 斗-― . l. . . l | /.. . . l l | ! ヾ | ヾ/ヾ | } . . l. . . l | i . . l l l_ | | ハ | \___ } イ . . l | | i l l 孑卞 芋ミx′ ̄ ̄ ̄ ィ斧芋苡`V / | l. . . l | | l l | 込 | |じリ ら{ リj 犲 | l . ./ l | /| l l ト { 乂 |少 乂辷少 / 从 / l |{ .! l l ヾ| | | / / l || l/\l 「` | | , 〃〃 / / l || 从 \ \ヽ | | / ' l || ヾ 人\ \| / 、_____, / / || .〉 ヽ \ \{ ` ´ < >ヘ | / \ \ \ \ > < _彡 ' . . . .} | 「この三尋木咏が師匠になって強くしてやるよ」 見た目で判断すると痛い目見るよね 京太郎「三尋木さんってプロだったんですね・・・知らなかった」 咏「咏でいいっての」 咏「そりゃ牌のお姉さんとかと比べると知名度は低いだろうけど麻雀やってるんだったら知っててくれよー」ペシペシ 京太郎「ははーまことに申し訳ございませんー」ドゲザ 咏「で、さっきからそこにいるのは?」 桃子「私が見えるっすか?」 咏(そりゃああんだけ負のオーラ出してたら気づくんじゃねぇの? 知らんし) 咏「それがアンタがオカルトか、わっかんねーけど」 京太郎「コイツ、ものすごく影が薄くて誰にも気付いてもらえないんすよ」 桃子「京さんが初めて私を見つけてくれた人っす。もはや運命と言っても過言ではないっす!」 咏「あーなるほどなるほど」 咏「つまりコレな関係か」コユビタテ 京太郎「違います」キッパリ 桃子「 」ハゥ 咏(あーあ、ショック受けてやんのー女泣かせだな、知らんけど) 咏「なぁ京太郎?」 京太郎「どうかしました?」 咏「強くなるために何でもやるか?」 京太郎「もちろんですよ」 咏「なら、私の仕事についてきな」 咏「いいもん見せてやるよ」 プレゼントする物の意味を考えないと大変なことになるよね 京太郎「咏さーん」 咏「んー?」 京太郎「そういや前に櫛が壊れたーとか無くなったーとか言ってたっすよね?」 咏「そうだっけ? わっかんねー」 京太郎「それでいつもお世話になってる咏さんにプレゼントっす」 咏「ほうほう。私はいい弟子を持ったねぇ、知らんけど」 京太郎「これっす」 咏「・・・・あーこれか」 京太郎「あれ? お気に召さなかったっすか?」 咏「いやいやすっげー嬉しい」 咏(嬉しいけど・・・コレ・・・櫛を女性にプレゼントする意味知ってるのかねぇ・・・//) 咏(・・・なんかちょっとときめいちゃったじゃん///) 咏(ばーか///) 雑用も大事 京太郎「なんかすいません、こんなことに付き合わせちゃって」アハハ 美穂子「大丈夫ですよ?」ニコニコ 美穂子「こういう作業も結構好きですから」 京太郎(やっぱり天使だった) 美穂子「それにしても京太郎くんがこっちに来てるなんて驚きです」 京太郎「あはは、色々ありまして」 美穂子「京太郎くんは不思議な人ですね」フフ 京太郎「そうっすか?」ニヤニヤ 京太郎「いっ!!」 美穂子「だ、大丈夫ですか?!」 京太郎「ちょっと針が指に刺さっただけなんで舐めておけば治るっすよ」 美穂子「ちょっと貸して下さい」 京太郎「え、ちょっと何を」 美穂子「はむ」パクッ 京太郎「 」 美穂子「ちゅるちゅ・・・ちゅぱ」 京太郎(いつの間にか美穂子さんが俺の指を咥えていた。何を言ってるかわからねぇと思うがry) 美穂子「ちゅ・・・はい、これで大丈夫ですよ」ニコッ 京太郎「あ、はい・・・ありがとうございます」 美穂子「後でちゃんと消毒してくださいね?」 京太郎(この指は二度と洗わないでおこう) 美穂子「私ったらなんてはしたないことを・・・///」 美穂子「でも・・・ちょっと気持ちよかったかも・・・///」エヘヘ 咏たんレッスン 咏「京太郎、お前は相手の当たり牌を抱えるオカルトを持ってるだろ、わっかんねーけど」 京太郎「はい、そのせいで上がれなくなることが多々あるっす」 咏「大会でもそうだったけど放縦はあんまりしない」 咏「たとえ当たり牌を抱えたとしてもそれが本当に当たり牌なのか分からないのに放縦しないし」 咏「もしかして相手の手牌とか見えてたりするのか?」 京太郎「見えるっす」 咏「あーやっぱり」 咏「全部相手の当たり牌になったりすることもあるんだろ? 知らんけど」 京太郎「まぁ・・・そういうときは一番点数の低い相手に振込みますけど・・・」 咏「うし、決まった」 京太郎「何がです?」 咏「京太郎の教育方針だよ」 京太郎「ちょっとしか俺のオカルトのこと話してないっすよ?」 咏「いやそれだけ聞けりゃ十分」 咏「京太郎は相手の当たり牌で上がりを目指せるようにしな」 京太郎「は?」 咏「相手の上がりを止めながら自分が上がる」 咏「防御系のオカルトの基本だぜ? 知らんけど」 咏「まず開始にオカルトを使って相手の手牌を全て確認してどの牌が当たり牌になるか候補を決めておく」 咏「そんでその牌がきたら候補から外れた牌を切ってけ」 咏「自分が聴牌したら全力で突っ込め」 咏「当たり牌を止めてるから相手は上がれねーし」 京太郎「他の相手の当たり牌をツモったら・・・?」 咏「そのときは男らしく散れ」 咏「骨だけは拾ってやんよ」 咏「だからお前は自信を持って麻雀を打て」 咏「京太郎が自分の麻雀を信じれなくなったらあたしを信じろ」 咏「あたしは京太郎のこと信じてる」 咏「京太郎はあたしの自慢の弟子で」 咏「あたしは京太郎の師匠だからな」 咏「忘れんじゃねーぞ、知らんけど」 京太郎「はいっ!」 ステルスプール 桃子「京さーん」 京太郎「んー?」 桃子「この水着どうっすか?」ムネヲハリ 京太郎「ぶっ!!?」 京太郎(黒ビキニだと・・・!?) 京太郎(モモの白い肌に対称的なコントラストの黒いビキニはとても似合ってる。そしてなによりビキニを膨らませる大きく実ったおもち!) 京太郎(中学の時とは一回り二回りも大きいおもち。まるで私はここにいると主張している。天国はここにあったのか)(血涙 桃子「そんなに見られると照れるっす///」モジモジ 京太郎(モジモジすることでおもちが左右に揺れる・・・あぁもう死んでもいいかな) 桃子「あ、京さん、もしコレ取りたくなったらいつでもいいっすよ」クルッ 京太郎(紐ビキニだとおおおおお!!!!) 京太郎「いやいや、そそそんなことしないから///」 桃子「京さん照れてるっすね」ニヤニヤ 桃子「さっきの仕返し成功っす」 京太郎「やってくれたなモモ・・・」 桃子「悔しかったら捕まえてみろっすー」パタパタ 京太郎「準備体操しないでプールに入ったら危ないぞー」 桃子「鬼さんこちらー手のなる方へーっす」 京太郎「ったく・・・待ってろよー」 桃子「流れるプールに逆らうのって一度はやってみたいことっすよね」 京太郎「まぁわかる」 桃子「はぁ楽しかったっす」 桃子「またここに来たい・・・///」ザブン 京太郎「ん? 肩まで水に漬かってどうかしたか?」 桃子「えまーじぇんしーっす////」 桃子「・・着が・・・たっす///」 京太郎「ごめんよく聞こえなかったんだけど」 桃子「だから・・・水着が流れたっす///」 京太郎「!?」クルッ 桃子「京さん?///」 京太郎「早く俺の背中に隠れろって///」 桃子「は、はいっす///」ピトッ 京太郎(うぅ・・・このやわらかい感覚は、当たってる・・・///) 桃子(ちょっと恥ずかしいっすけど、京さんを密着できるチャンスっす///) 桃子(積極的にいくっすよ////) 京太郎「出入り口の近くまでこのまま歩くからそのまま着いて来てくれ///」 桃子「・・・///」コクン 桃子(京さんの顔も耳も真っ赤になってるっす///) 桃子(こうやって護られるのって女の子の夢なんだったりするんっすよ?///) 京太郎(モモのおもちが背中で縦横無尽に動いてるせいで俺の暴れん棒が大変なことに・・・) 桃子(えへへ、京さんも男の子っすね///) 京ちゃんツイッター始めました キョータロー『そろそろ桃を食べたい』 桃子「!?」 桃子(京さんが私のことを食べたいって///)イソイソ 桃子(待っててくださいね京さん///) 桃子「今すぐ食べさせてあげるっすよ!///」ダダダッ 京太郎「お、親戚から沢山届いたみたいだなぁー」ゴソゴソ <ピンポーン 京太郎「ん?こんな時間になんだろうか」スタスタ 京太郎「はーい、どちらさまですかー?」 <モモっすよ京さん 京太郎「んーなんのよう?」ガチャ 桃子「どうぞ私を食べてくださいっす///」 京太郎「 」 京太郎「ゴメン、ちょっとなに言ってるかわかんない」 桃子「え、だって京さんツイッターでモモを食べたいって呟いたじゃないっすか?」 京太郎「それ果物のほうだからな?」 桃子「・・・・・////」カァァ 桃子「早とちりしたみたいっす///」 桃子「ご迷惑おかけしたっす///」トボトボ 京太郎「あー、せっかくだし桃食べてくか? さっき親戚の家から届いたからさ」 桃子「・・・・・いいっすか?」 京太郎「おう、だから早く中入れよ」 桃子「やっぱり京さんは優しいっす! 大好きっす!」ダキッ 京太郎(さっきモモに食べてくださいって言われたとき襲いそうになったのは言わないでおこう) 京太郎の背中は誰のもの? 京太郎「あーあっつい・・・東京ってこんなに暑いのか」 咏「つべこべ言わず歩けっつーの」 京太郎「いやいや咏さんが俺の背中に乗ってるから更に暑いんすけど」 咏「こんな美少女をおんぶ出来るんだから役得だろー? 知らんけど」 京太郎(他の人が見たら兄妹って感じなんだろうなぁ・・・それにどうせおんぶするならおもちがもっとある人じゃないとなぁ) 京太郎「いてっ」 咏「今失礼なこと考えただろ」 京太郎「そんなことないですって」 咏「嘘言ったって無駄だぜぃ?」 咏「顔に描いてるっつーの、わっかんねーけど」 京太郎「さいですか」 京太郎(はぁ・・・おもちが大きな女の子とかいないかなぁ) シロ「・・・・」グデー 京太郎「咏さん」 咏「んー?」パタパタ 京太郎「ちょっと知り合いがいるんで先に行って貰ってていいっすか?」 咏「しょーがないねぇ」 咏「後でちゃんとホテルにきなよ」 京太郎「わかりました」ペコリ 咏「じゃぁねぃ」パタパタ 京太郎「シロさーん」 シロ「・・・・誰?」 京太郎「うぐっ・・・」ガクリ シロ「冗談」 シロ「久しぶりだね京太郎」 京太郎「・・・二年ぶりですね」 シロ「京太郎はなんでここに?」 京太郎「シロさんなら他の人に言わないと思うので言いますけど」 京太郎「今は三尋木プロの付き添いでこっちに来てます」 京太郎「遅くなりましたが、全国大会出場おめでとうございます」 シロ「見てくれたんだ・・・ありがと」ニコッ シロ「いきなりで悪いんだけど京太郎」 京太郎「はい?」 シロ「おんぶして」 京太郎「ハイ、喜んで!」
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【咲-Saki-】可憐「プロ雀士と共演……ですか?」【ミリマス】 執筆開始日時 2015/08/13 元スレURL http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439451364/ 概要 下着が存在しないかもしない麻雀漫画と下着の存在がNGなアイドルゲームとのクロスssです 方言がガバガバですが許してください P「ああ。南エリアのプロデュース中から打診はあったんだけど、先方がぜひ可憐に出演して欲しい、と」 可憐「ぇっ……! ほ、本当に私なんかでいいんでしょうか……?」 P「『なんか』って言わない。……で、撮影場所は福岡なんだ。今、俺たちがキャラバンを張ってる西エリアには該当しないけど、近い場所だからOKしておいた」 可憐「そ、それは構わないですが。私の他に、一緒に行ってくれる子は……?」 P「いや、可憐単独の仕事だよ」 可憐(ひっ……!) P「俺もついてくから安心してくれ。当日は日帰りだし、宿泊することもないから大丈夫だ」 可憐「は、はい……」 P「これ企画書な。三日後の週末にスタジオ入りして、そのまま撮影するから今のうちに読んでおいて」 可憐「はい……」 P「オールスターでMVPを獲ったこともある地元のスターが指導してくれるらしいぞ! 張り切っていこう、可憐!」 可憐「……は、はい!」 タグ ^篠宮可憐 まとめサイト おかしくねーしSSまとめ wiki内他頁検索用 クロス ミリオンライブ 篠宮可憐 麻雀
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はやり「健夜ちゃんを酔わせて京太郎くんについて聞いてみた」 【好感度15/50】 健夜「えー、京太郎くん?」 健夜「そうだね、付き人としては申し分ないと思うよー」 健夜「流石に一回り歳離れてるし恋愛感情とかはない、かなぁ」 健夜「はー、後5歳若かったらなぁ……くすん」 【好感度30/50】 健夜「京太郎くん、ねー」 健夜「まぁ頼りになるし、顔も格好いいほうだとは思うし……」 健夜「で、でもちょっと気になるだけで別にその……異性として意識とかは……」 健夜「し、してないこともなくもないっていうか……」ゴニョゴニョ 【40/50】 健夜「歳の差カップルとか別に普通だよねっ?」 健夜「それに京太郎くんが主夫になって私を支えてくれるとかいいと思うんだ!」 健夜「毎朝早起きして朝ごはんを作ってくれる京太郎くんとか……ウヘヘ」 【45/50(恋愛)】 健夜「京太郎くん?大好きだよ?」 健夜「式とかいつにしようかな、とかドレスのこととか今から楽しみでしょうが無いかなぁ///」 健夜「今更2年とか普通に待てるし、それまでもずっと一緒だし……」 健夜「京太郎くんが私を選んでくれてよかった///」 【45/50(従順)】 健夜「ごsy……京太郎くんのこと?」 健夜「え?『今変なこと口走ったよね☆』?ななな、なーんのことかな」 健夜「……黙秘権を行使します」 健夜(今日は何されちゃうのかなぁ……♪) 【45/50(病み)】 健夜「京太郎くんのこと?どうしてそんなこと聞くの?」 健夜「駄目だよ。京太郎くんは私のモノなんだから取ろうとしたら」 健夜「折っちゃうよ?」クス 健夜「え、私と京太郎くんがどれだけ深い中なのか聞きたかった?」 健夜「ふふ、そうだね。京太郎くんと私は。二度と離れない鎖で繋がってるんだよ」 健夜「もう絶対離したりしないんだから……うふふ」 はやり「健夜ちゃん、いろんな可能性を秘めてるんだね☆(震え声)」
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設定 京太郎物 京太郎が怜と姉弟で園城寺京太郎に 色々あって千里山が共学 時々地の文あり 以上に注意です。 ◇大阪 園城寺家 ジリリリリリ 京太郎「ん……」バシッ 京太郎「………朝か」ポケー 京太郎「起きないと……な」 京太郎「ふぁーあ」ムクリ 目覚ましの耳をつんざくような音に叩き起こされベットからのそのそと京太郎が起き上がる。 いつもの”日課”を行うべく。 ガチャッ 京太郎「トキ姉ー、起きてるかー?」 京太郎「……って起きてる訳ないか」ハァ 怜「…………」 自身の大事な家族であり、実の姉である園城寺怜の部屋の扉を開ける。 そう、それこそが彼の日課だった。 子供の頃から続く、実の弟である園城寺京太郎の日課。 京太郎「ったく……そろそろ起きないと遅刻するってのによぉ」ポリポリ 京太郎「はぁ……俺が起こさないとトキ姉は何時までも寝てるからなぁ……」 まだ小学生の頃からだろうか、姉は『だって私病弱やからー』とか『うぅ…私低血圧だから朝起きるの辛いわぁ……』と何かと理由を付けて自分から起きようとしなかった。 当然、というべきだろうか。 姉は未だ起きずに、ただただ布団が静かに呼吸に合わせて上下に動いているだけだ。 京太郎(いや、実際問題確かにトキ姉は病弱なんだけどさ……) 京太郎(もう高校3年生になるってのに弟に起こし続けてもらうっておかしくねーか…?) 京太郎(普通はいい年頃の弟に自分の部屋に入られるのとか嫌だろうに……) などと、もう数十回、数百回と繰り返したであろう自問を繰り返す。 だが結局の所は『俺が起こさないと、トキ姉はそのまま寝過ごして遅刻するから起こす』という結論に達するのも数百回目だ。 そんなこんなを考えている内にベッドの中で穏やかに寝息を立てている姉のすぐ側まで歩みを進めていた。 京太郎「トキ姉起きろー」ユサユサ 京太郎「早く起きないと遅刻すんぞー」ユサユサ 掛け布団の上から怜を気遣いつつ、優しく体を揺する。 怜「…………」 だが京太郎の優しさを他所に無常にも怜は無反応だ。 京太郎(と…まぁここまでは割りと想定済みなんだよな) 京太郎(こんな簡単に起きてくれれば苦労しねぇし……)ハァ 京太郎「トキ姉ー!いい加減起きろー!」ユッサユッサ 中々起きない姉に巻き込まれて自身まで遅刻するもの嫌なので、それを防ぐためにも先ほどよりも強くその体を揺する。 いい加減起きてもらわねば困るのだ。 怜「………ん」 怜「………すぅー……すぅー」 京太郎「……これでもだめか」 一瞬身じろぎをしたと思って揺するの止めるが、またすぐに寝息を立て始める。 寝覚めのいい時はこれで起きてくれるし、悪い時でみ『後5分ー……』とか言って時間を稼ぐのだが 京太郎(この反応……今日は強敵だな……) 京太郎(まぁ……こうなれば致し方無いよな)ニヤリッ 京太郎「………すぅー」 京太郎「いい加減起きろおおぉぉぉ!」ガバッ 姉の体を優しく包み込む掛け布団を一気に逸るという強行手段に京太郎は移る。 これを実行すればこれまで姉は100%起きていた。 だが 怜「………ん」スッ しかし剥ぎとった掛け布団を掴む京太郎の手を姉の白く小さい右手が素早く掴みとり、自身の胸元へと持っていく。 まるで布団の代わりに温もりを寄越せと言わんばかりにぐいっと、非力な姉なりの全力で手を引っ張る。 直後、京太郎の手に姉のおもちの感触と薄いピンク色のパジャマ越しに伝わる肌の暖かさが伝わってくる。 怜「んんっー………」ギュッ さらに左手もが出撃し、京太郎の手だけでは飽き足らず腕までも掴みとり自身の体へと引き寄せ密着させる。 怜「……………」ニコニコ 京太郎「……トキ姉絶対起きてんだろ」 目こそ瞑ったままだが、頬が完全にだらしなく緩みきった姉へ容赦なく声をかける。 怜「………ばれてもうた?」ペロッ イタズラっぽく舌をチョロっと覗かせた姉が目を開ける。 京太郎「そりゃな……」 京太郎「さっさと起きねーと母さんが作ってくれたご飯が冷めるし、遅刻すんぞ」パッ 怜「ぁ………」 何歳になっても子供の頃のように自由奔放に京太郎をからかう姉に半ば呆れつつもスッとその手を姉の胸元から抜き取る。 ギューッと京太郎の腕を抱きしめているつもりだったようだが、如何せん姉は非力なので抜くのは容易かった。 京太郎(……空気が冷たい) 姉の体温を直に感じていたせいだろう。 外気に触れた手が少しだけ肌寒く感じてしまった。 京太郎「それじゃ俺はパッパと着替えて先に茶の間に降りてるからトキ姉も早く来いよー」スッ とりあえず寝間着から着替えなくてはどうしようもないので、一度自身の部屋に戻るべく姉に背中を向ける。 怜「えっ、着替えさせてくれないんか?」 京太郎「いやいや、流石にそろそろ自分で着替えろよ」 京太郎「前にも言ったけどさ、この事を友達に話したら高校3年生の姉を弟が着替えさせるのはどう考えてもおかしいって言われたんだぞ……」ハァ 京太郎「それを聞いて先週でトキ姉も、最後だからー後生だからーって言ってアレで最後になったはずだろ?」 怜「……そんな事もあったなぁ」メソラシ 京太郎「おい」 怜「ええか、京ちゃん」キリッ 怜「私はな、やっぱりこう思うんや……」 京太郎(トキ姉が表情を引き締めると大体碌な事言わないんだよなぁ……) ベッドの上でご丁寧に正座をしながら、真っ直ぐに姉が京太郎を見据える。 怜「私は病弱やし、私達は姉弟やろ?」 京太郎「……あぁ」 怜「姉弟は仲が良いほうがええやろ?」 京太郎「…………あぁ」 怜「そう……ならやっぱり私の着替えは京ちゃんがやるべきや」ビシッ 京太郎「いや、その理屈はおかしい」 何処かのドラゴンロードとかいうアダ名を持ってそうな少女の如きドヤ顔でビシィっと俺にか細い人差し指を向けて来る。 怜「えー……」 怜「なんでや……?」 京太郎「いや、むしろ今の説明で納得しろって方が無理だろ」 怜「うぐっ……」 怜「今日の京ちゃんはえらい辛辣やなぁ……」 京太郎「遅刻したくないからな」 京太郎「それじゃ、俺は部屋に…」クルッ 再度反転して自身の部屋に戻ろうとする。 怜「京ちゃんもしかして反抗期入っちゃたんかいな……?」 京太郎「いや、ちげぇよ…」 だがそんな姉の声に反応してしっかりと振り返ってしまう。 最早条件反射だ。 パブロフの犬 そんな単語が頭をよぎる。 怜「私……京ちゃんに見捨てられたら生きていけへん……」ジワッ 京太郎「っ……」 だが、振り返った京太郎の目に入った姉は予想外な事に涙目だった。 怜「…………ぐすんっ」 怜「ごめんな……京ちゃん」 怜「これからは私一人で着替えるわ……もう京ちゃんに迷惑はかけへん……」 怜「こほっ……こほっ……」 怜「病弱な上に……弟離れ出来ない姉で……ぐすっ……ごめんなぁ……」パッ 姉がこぼれ落ちる涙を抑えるように目を両手で覆い隠す。 京太郎「………はぁ」スッ 京太郎「しょうがねぇ……今日だけだぞ……」 そんな姉の姿を見て先ほど決心は何処へやら。 ベットで肩を震わせている姉に再度近づいていく。 どうしても大事な姉のこういう姿を見ると心が痛むのだ。 京太郎(……俺も姉離れ出来てないんだろうな)ハハッ 軽く自嘲気味に笑う。 京太郎(この間も昼休みに屋上で互いにあーんしあいながら弁当を食べていた時に、隣に居たセーラさんに『もう結婚しちゃえばえんちゃうっ!?』なんてからかわれたのを思い出すぜ……) 京太郎(その時に俺もまんざらでもない、なんて思っちまったんだよな……) 京太郎(一緒に昼食を食べていた竜華さんに『姉弟じゃなければ絶対に結婚してるでー』なんて爆笑しながら言われたし……) 京太郎(あの時のトキ姉は珍しい表情をしていたなぁ) 京太郎(まるで結婚後の情景を思い浮かべているように幸せそうに微笑むながら頬を染めて…) 京太郎(何というか……そう、恋する乙女って感じだった) 京太郎(トキ姉ももう高校、3年生だし多分好きな人とか居るんだろうな) 京太郎(なら……せめてその人とトキ姉が結ばれるまでの間は着替えやお風呂の面倒は俺がやってやらないとな) 京太郎(弟として、な) 京太郎(トキ姉曰く、弟は着替えだけじゃなくてお風呂で体を洗いっこしたり、食事をあーんさせあうのとかは当たり前らしい) 京太郎(トキ姉曰く、姉以外の女の子の事を考えるのもあまりよろしくないらしく、たまに俺が竜華さんの事を考えているとまるで未来や俺の考えを予知しているのかのように少しだけ不機嫌そうに絡んでくる) 京太郎(背中からおもちを押し付けてきたり、うなじに舌を這わせてきたり俺の思考を遮るように……) 京太郎(弟だからいいけど……あんな事をもし他の男にやっていたらと考えるとトキ姉の未来が少しだけ不安になる) などと思考に耽っている内に姉のパジャマ越しにでもわかる程に細い体が目の前にあった。 京太郎(それじゃ、着替えさせますか)スッ 姉が座っているベッドの上に同様に腰掛け、制服へと着替えさせるべくパジャマの一番上のボタンへと手を掛ける。 怜「………くっ……」ビビクン 京太郎「………ん?」 だがよく見るとその肩が泣いているのとは別な感じで震えている事に気づいた。 京太郎(まるで……笑いを堪えているような……) 京太郎「………はっ」 京太郎「おい、トキ姉」 声のトーンを下げ、ドスを利かせた声で姉へと話しかける。 怜「な……なんでしょう?」カタカタ 京太郎「手……どけてみろよ」 怜「………ふしゅー……ぽしゅー……」 姉が目を覆い隠し俯いたまま口笛を吹き始める。 京太郎「いや、吹けてねぇしッ!」バッ 怜「うぐっ」 直後、姉の手を優しく、されどしっかりと掴みとり自身に引き寄せその顔を覗き込む。 京太郎「………おい」 そこには泣き顔のなの字もない程にニヤけきった姉を顔があった。 京太郎「………泣きまねか?」 怜「………」 怜「はいっ!」ニコッ 無駄に満面の笑みで元気よく(当社比1.5倍。常人の0.8倍程度)返事をする。 だが今更元気よく返事をした所で色々と手遅れである。 京太郎「………今日は自分で着替えろ」 京太郎「オーケー?」 怜「………はい」シュン その後結局、自身が着替えた後に姉の部屋を覗きこむとまだ下がパジャマを着たままだったのでしょうがなく着替えを手伝い一緒に下へと降りる。 ……… …… … ◇園城寺家 食卓 怜「あ~~ん」ニコニコ 京太郎「ほいっ」ヒョイ 怜「んっ」パクッ 怜「ほれっ」スッ 京太郎「ん……」アーン 怜「よく噛んで食べるんやでー?」ニコニコ 京太郎「うん」モグモグ 母「……ホント、アンタ達は仲いいわよねぇ」ハァ 怜「姉弟やからなっ♪」ニコニコ 京太郎「まぁ姉弟だしな」ウンウン 母「まぁ仲が悪いよりよっぽどいいけど……」 母「間違いだけは起こさないでちょうだいね……」 京太郎「ははっ、当然だろ」 京太郎「なっ、トキ姉?」 怜「………せやせや」メソラシ 母(……本当に大丈夫かしら?)ハァ 京太郎(俺はどっちかというと竜華さんみたいなタイプが好きだしな) 京太郎(トキ姉もかわいいって思う時はあるけど……まぁ実姉だしな)ウンウン 京太郎(うん……やっぱりあの竜華さんのおもちは捨てがたい!) 等と男子高校生らしい考えをしているとその考えを邪魔するように姉の声が響く。 怜「あーもうこんな時間やー」 怜「京ちゃんはやく学校いかへんとー」ボウヨミ 何故かやたらと棒読みである。 京太郎「誰かが起きないせいでこんな時間にな」ジトー 怜「ふっ」ドヤァ 京太郎「いや、褒めてねぇよ!?」 母「漫才はいいからさっさと食べて学校行きなさいなっ!」 二人「「は、はいっ!」」 ……… …… … その後二人で家をダッシュで出て、大急ぎで千里山高校へと向かうも案の定と言うべきか姉が手前の坂で力尽きる。 怜「……あかん……もう限界や……」 京太郎「だから……いい加減鍛えろよ」ハァ 怜「私病弱やから……♪」ニコッ 仕方ないので姉を背負いながら一気に坂を駆け上り、呼吸困難になりつつも辛うじて高校へと到着する。 遅刻ぎりぎりだった。 京太郎「はぁ……はぁ……」タラー 怜「もうちょっとやでー」ニコニコ 3年生の教室がある3階への階段を一段一段ゆっくりと登って行く。 京太郎(トキ姉が千里山高校へと進学した中学2年生の頃からほぼ毎日この行動を続けているせいか、ハンドボール部を辞めたのに体力や筋力が随分と鍛えられた気がするぜ……) 尚、中学は高校より始業開始が30分遅いため、姉を高校に送り届けた後にダッシュで自身の中学へと向かうのが京太郎の日常だった。 怜「京ちゃんふぁいとやでっ!」ギュッ 姉がより一層俺へと強く手や足を絡めてくる。 そのせいで背中に当たるおもちの感触が先ほどよりも強く感じられる。 京太郎「お、おうっ」ドキッ 京太郎(……トキ姉のおもち……少し成長したな……) 京太郎(って何を考えているんだ俺は……!?)ブンブン 怜(京ちゃんの背中……少し成長したなぁ……) 怜(………)スンスン 怜(……もう子供の頃から嗅ぎ慣れた匂いやけど) 怜(京ちゃんの匂い……やっぱり好きやわぁ)ニヘラッ 怜(にししっ) …… … 千里山学生A「お、京太郎君がんばっー!」 千里山学生B「いつもお姉ちゃんのために偉いなぁ」ニコッ 千里山学生C「もうちょっとで教室やでー」フリフリ 京太郎「はいっ!ありがとうございます!」ニコッ 既に見慣れているからだろう、その光景を見られても普通に応援される。 つい昨年まで女子校だったせいか、千里山高校の男女の比率は2:8と言った所だ。 特に3年生はその全員が女子のため、思春期の男子にとってその声援の効果は絶大だ。 怜「…………」ムスー 京太郎(うん……顔は見えないけどトキ姉が不機嫌な気がするぞ) 何故か竜華さんやセーラさんとかを除く他の女の子と接するとトキ姉は不機嫌になる。 本当に何故かはわからないが。 宛もなくその理由を考えていると、首筋にぬめっとした感触が這い回る。 京太郎「!?」ビビクン 怜「ん……れろぉっ……むちゅっ♪」 京太郎(アイエエエエ!?ナンデ!?) 京太郎(ナンデ!?ナメテル!?) 怜(にししっ……慌てとる慌てとるっ♪)ニヤニヤ 怜(まっあんまり困らせても可哀想やし、この辺りでやめとこか)ピタッ 京太郎(止まった……) 京太郎(廊下に居た先輩達に見えない角度でよかった……)ホッ 京太郎(ばれたら嫌な予感しかしなかったぜ……) 京太郎(トキ姉め……家に帰ったら絶対に文句言ってやるぞ……!) 怜(……と思ったけど……なんかあの京ちゃんの味?とでも言うべきやろか……とりあえず我慢出来ひん) 怜(最後にもう一舐めだけ……ええよな?) ガララ 竜華「あっ、やっぱり居たっ!」 竜華「おはようー京太郎君、怜ー!」フリフリ セーラ「うんうん、そろそろ来る頃と思ってたわ!」 数メートル先の教室のドアが開き、何だかんだ姉絡みで付き合いの長い二人の先輩が廊下に出てくる。 京太郎「あ、竜華さん、セーラさんおはようござ」 怜「ぺろっ♪」 京太郎「ひうっ!?」ビビクン 止んだと思った所への不意打ちにより京太郎が姉を背負ったままバランスをその場で崩す。 竜華「あ、あぶないっ!」 怜「きゃっ………」 京太郎(このままじゃトキ姉が地面に……!) 京太郎(それだけは!)ギュッ 咄嗟に姉の細い腰を抱きしめ、姉を自身の上に行くようにするべく自身の体を反転させる。 京太郎(っ……少しだけ背中を打ったけど、トキ姉が地面に落ちることは回避出来たはずだ……!) セーラ「だ、大丈夫か……なっ……!?」 竜華「怪我はな……い……んんんッ!?」 何故か二人の語尾が急速に弱まっていく。 京太郎「ふがふが」 怜「んぁっ………」 京太郎(あれ、大丈夫ですって喋ろうとしたのに声が上手くでねぇ) 京太郎(痛みは全然ないのに……) 京太郎(……って冷静になったら口の上に何かが乗ってる?) 京太郎(………)チラッ 辛うじて動く目線を口の上に向けるとそこには 怜「ふふっ……大胆やなぁ……京ちゃん」ハァハァ 息も荒く、頬を紅潮させた姉の姿があった。 京太郎(………ってことは)オソルオソル そう、京太郎の口には今姉のパンツが密着していた。 京太郎(………あ、やべ)タラー 見れば周りの少女たちが全員口元を抑え、或いは目を背けている。 元女子高には刺激が強すぎたのだろう。 京太郎(……その後結局立ち直った竜華さんとセーラさんがトキ姉を俺の上から引っ張ってどけるまで俺はトキ姉のパンツの食感と匂いを味わうはめになった) 京太郎(この事件は千里山で後々まで語り継がれる事となるのだが、それはまた別のお話) 京太郎(ちなみに去り際にトキ姉が) 怜「そういう事がしたいならもっと早く言ってくれればええのにっ……♪」ボソッ と小さく耳元で囁いてきたのは聞こえなかったことにした。 ◇夕方 園城寺家付近 京太郎(そしていつも通り、ハンドボール部をやめた俺が今所属している部活の麻雀部での部活動を終えて家路についた) 京太郎(……と、まぁ色々とあるけどそれが今の俺とトキ姉の日常だ) 京太郎(夕暮れ時の歩道を姉弟で手を繋いでゆっくりと歩いている) 京太郎(……これは小学生の頃からずっとやっている事だな) 怜「京ちゃん」 なんて昔の思い出を思い出していると姉から声がかかる。 京太郎「ん」 怜「いつもありがとなー」ギュッ 京太郎「ん?何がだ?」 怜の白い手が京太郎の手をよりしっかりと、深く握ってくる。 京太郎は知らないがそれは所謂恋人繋ぎという物だった。 怜「色々と、やでっ♪」ニコッ 京太郎「気にすんなって」ナデナデ 空いた方の片手で自身より遥かに小さい姉の頭を優しく撫でる。 指の間をサラサラとした艶のある姉の髪がすり抜けていく。 怜「んっ」ギュッ 京太郎(昔からトキ姉は頭を撫でられると気持ち良さそうに目を細めるんだよなぁ)ウンウン 怜「あ、せや」 怜「京ちゃん」 京太郎「んー?」 怜「明日の朝もまた起こしてなー?」クビカシゲ 京太郎「……はぁ、いいぜ」グッ 怜「やったっ♪」ニコニコ カンッ ◇大阪 元旦 四天王寺 怜「うわぁ……ぎょうさん人がおるなぁ……」 京太郎「噂には聞いていたけど……すげぇなこれは…」 京太郎は今、初詣だけでおおよそ10万人もの人が参拝に訪れるという四天王寺に来ていた。 竜華「怜は人混みとか嫌いやもんなぁー」 セーラ「ここに来るもの初めてなんとちゃう?」 部活の先輩であり、自身がもっと小さい頃からトキ姉絡みで何かとつるんでいる事が多い竜華とセーラと一緒に。 ちなみに余談だが麻雀を始めたのも彼女達とトキ姉の推薦だった。 怜「だって私病弱やし」ドヤァ 怜「人混みに行ってお正月から風邪とかうつされたら嫌やもん」 竜華「なんでドヤ顔で言うとるん…?」ハァ 京太郎「」 セーラ「……話は変わるんやけどな、なんかさっきからすれ違う連中にジロジロ見られてる気がするわ」 セーラ「俺の思いすごしやろか?」ウーン 京太郎「あははっ、多分気のせいじゃないと思いますよ」 セーラ「へ?なんでや?」キョトン 何故かわからないといった様子でセーラが首をかしげる。 怜「まぁこんだけの美少女が3人も揃ってその中心に一人だけ男がおるんや」 怜「目立つやろうなぁ」ニシシ いたずらっぽく目を細めて姉が笑う。 京太郎「まぁ、そういう事です」 セーラ「はぁ、美少女が三人って何処におるんや?」 セーラ「竜華と怜は……まぁわかるけど三人目って…」 京太郎「ははっ、何を言っているんですか?」 京太郎「セーラさんの事ですよ」 セーラ「……俺ぇ?」クビカシゲ 京太郎「ええ、そうです」 京太郎「今のセーラさんはとても可愛らしいですよ?」 セーラ「かわい…………ふ、ふぇっ!?」カァァ 何を隠そう、今のセーラは普段の学ランや男性的な服装からは想像のつかない女性物の着物を着ていた。 柄は落ち着いた色合いの京小紋。 だがそのシックは雰囲気がセーラのサバサバとした快活な魅力をより引き出していた。 ……間違いなく竜華の手によってだろう、施された薄い化粧が普段は隠されたセーラの少女らしさをしっかりとアピールしている。 京太郎「多分10人の男女が居たら10人がセーラさんに振り返ります」ニコッ セーラ「お……おまぁ……!」 竜華「ふふっ、良かったなぁー?」ニコニコ 竜華「嫌がってたけど」 竜華「お望み通り京君に褒められちゃってっ」ペロッ 片目を瞑った竜華がチョロっと舌を出しながらセーラに微笑む。 セーラ「竜華お前ぇ……!!」ボンッ 林檎のように顔を真赤に染めたセーラが恨めしそうに竜華をジト目に睨みつける。 竜華「くっくっく…セーラの乙女モードがお正月から見れるなんて珍しいなぁ」 竜華「これは今年こそインターハイで優勝出来るかもしれへんでー」ニヤニヤ 怜「せやせや、幸先いいなぁ」ニヤニヤ セーラ「むぐぐ……」 京太郎(うわぁ……悪い顔だ) もし四天王寺で悪い顔コンテストなんて物があれば、間違いなく優勝できるだろう表情で怜と竜華がセーラを見つめる。 京太郎「って……お望み通りってどういう意味です?」キョtン 先ほどのセーラのように訳がわからないといった様子で京太郎が首をかしげる。 竜華「………はぁ」 竜華「今年も困難な道程になりそうやな」 怜「京ちゃんは一筋縄ではいかないで……」ハァ 二人がほぼ同時にため息をつく。 苦笑いのおまけ付きだ。 その理由を知らぬは当の本人だけだった。 京太郎「なんでため息…?」 セーラ「絶対知らない方がええでッ!」クワッ 京太郎「は、はいっ」ビビクン その気迫に押し切られる形で思わず頷いてしまう。 竜華「せや!京君京君!」グイグイ 京太郎「ん、どうしましたか竜華さん」クルッ 右を歩いている京太郎の服の袖を竜華がくいっくいっと引っ張る。 人混みに引っかからないように注意しつつ顔を竜華の方へと向ける。 竜華「そういえばうちの着物の感想聞いてなかったけど、どうや?」クルッ そう言って竜華さんが微笑みを浮かべながらその場で小さく一回転する。 その際に竜華の長く綺麗な黒髪が京太郎の顔を掠め、竜華のシャンプーだろうか? 竜華の雰囲気とよく似たどこか優しい香りが 鼻孔をくすぐる。 チラチラと京太郎達の方を見ていた人々がその様子を見て思わず、おぉ……っと感嘆の声が漏らす。 主にというか9割以上は男から、だが。 直後彼女連れと思わしき男は彼女にどつかれて向き直らされていた。 京太郎(けど……気持ちはわかるぜ……) 何しろ俺もその様子に一瞬目を奪われてしまったのだから。 竜華さんはセーラさんとは違い、紺色の下地に鮮やかな花と鞠模様の振り袖を着ていた。 紺色の下地と竜華さんの黒髪が落ち着いた雰囲気を醸し出しつつも、各所にあしらわれたピンクを基調としつつ、様々な色に染められた華の模様がアクセントになっている。 セーラと同様に普段はしていない化粧を薄くだが施してある事で、元々美少女と呼んでも差し支えのない竜華の華やかさがさらに引き立てられている。 竜華「もしかして……変……かな……?」シュン なんて事を考えていると、竜華が落ち込んでしまった。 恐らく反応が無いせいでイマイチと思われたと考えたのだろう。 京太郎「いえ、とても似合っていますッ!」 京太郎「何かあまりにも綺麗で見惚れてしまって返事が出来ませんでした」ニコッ 率直に思った通りの事を言う。 竜華「そ、それは良かった……」カァァ 竜華「ふふっ……ふふふっ…♪」ニヘラッ 直後、竜華が俯く。 ……ちなみに京太郎からは見えないが頬を染めて非常にだらしのない顔でにやけながら。 竜華(……もし似合ってないとか言われたら泣いてたかもしれへんなぁ) 竜華(けど……褒められてもうた……案外今年こそいけるかもしれへんなっ!)ニコニコ 京太郎「何だろう……この状態……?」 何故か左右に頬を染めた状態に陥った美少女が二人居るといった状況に陥ってしまった。 怜「自分の胸に聞くんやなー」 自身の腕の中にすっぽりと収まっている姉が適当っといった感じで返事をしてくれる。 怜「ん~~……ぬくいわぁ……♪」スリスリ そう、姉は今自身の両肩にそれぞれ俺の腕を乗せて、まるでマフラーの代わりと言わんばかりに首に巻きつけている。 時折、少し寒いのかすりすりと俺の手に頬ずりをしてくる。 京太郎「だから防寒具を着ていけって言ったんだよ」 怜「え~~……なんでや?」 京太郎「だってトキ姉寒そうだし」 京太郎「……ってか実際擦りつけてくる頬冷たいしな」 怜「いやいや、そんな物付けちゃったらこうやって京ちゃんに頬ずり出来ないやない?」 怜「そんなん論外や」 怜「京ちゃんの温もりを肌で味わえないくらいなら凍え死んだ方がマシやっ」ニコッ 京太郎「やれやれ……正月から変わらねぇなぁトキ姉は……」ハァ 怜「ふふっ……くしゅんっ!」 強がりつつもやはり寒いのか姉が可愛らしいくしゃみをする。 京太郎「……だから言ったんだよ」 怜「にししっ……くしゅんっ……」 京太郎「はぁ……正月から一つ貸しだからな」スッ 3人と違い普段着で来ていた京太郎がロングコートを脱ぎ、姉の着物の上から着せる。 ちなみに姉は淡い水色の下地に水玉の模様が入った着物を着ている。 口にこそ出していないが、何処か儚い雰囲気を持った姉によく似合っていると思った。 怜「んっ……ありがとな、京ちゃん」ニコッ 京太郎「前よりは体調が良いっていってもトキ姉が病弱なのには変わりがねぇんだから無理すんなよ」ギュッ 怜「あっ……」カァァ 姉に回している腕に入れている力を強め、こちらへと引き寄せる。 抱きしめるような形になるが、姉に風邪でもひかれたら困るので仕方ない。 基礎体力が無いせいで姉は一度風邪を引くと長引きがちな上に、苦しそうにしている所を京太郎としても見るのは非常に心苦しい物があった。 京太郎「……着物の上からコートって……まぁ変かもしれねぇけど許してくれよ」ギュッ 京太郎「トキ姉が辛そうにしている所……見たくねぇからさ」 怜「………んっ♪」コクンッ 怜(羽織らせてくれたコートから…京ちゃんの匂いが……)スンスン 怜(にししっ………元旦から幸せや)ニコニコ 怜「そや……お礼や」ピトッ 怜「京ちゃんの手……私が暖めたるっ♪」 自身の首元に回されている京太郎の腕から覗く手に自身の両手をピトッとそれぞれ密着させる。 腕部分と違い、手袋を履いていないせいで露出した京太郎の手はとても冷たかった。 京太郎「ってトキ姉の手も冷たいじゃねぇか」 怜「そんなんお互いで触れ合っている内に暖まるやろっ」ニコニコ 京太郎「ん……それもそうか」 怜「せやせやっ♪」 竜華(……この二人) セーラ(本当に姉弟なんやろか……?) セーラ(って言いたくなるくらい仲ええわぁ) 竜華(……今年も厳しい戦いになりそうや)ハァ 二人は内心でこれからの1年に予想される激戦を想像し、ため息をつく。 京太郎「っと着いたな」 そんなやりとりをしている内に賽銭箱の前へと到着する。 怜「さて、お参りしよか」 竜華「せやなっ~」 チャリーン それぞれ小銭を投げ入れる。 パンパン セーラ「今年こそ白糸台を倒して優勝出来ますようにッ!」 元気よくセーラが言う。 竜華「あははっ……セーラ願い事は口に出したらあかんで……」 怜「せやせや、口に出したら叶わなくなるってよく言うなぁ」 セーラ「ほ、ほんまかいなッ!?」ガビーン 京太郎「ふふっ、今のは聞かなかった事にしますんでもう一度お願いごとをするといいと思いますよ」 セーラ「わ、わかったでっ!」グッ 京太郎(……今年こそ千里山が……竜華さんやセーラさん、そしてトキ姉がインターハイで優勝できますように!) 京太郎(……それともしもう一つ可能なら) 京太郎(トキ姉が今年も一年健康で居てれますようにッ!) 怜(私達の最後の夏……竜華やセーラ、京ちゃんの助けに報いるためにも) 怜(うちをレギュラーに抜擢してくれた監督のためにも……勝てますように……) 怜(それと……もしもう一つ可能やったら) 怜(今年こそ京ちゃんと………を……ます……に♪)ニコッ ……… …… … 京太郎「さて、後がつかえていますし俺達は避けるとしましょうか」 竜華「せやなっ」クルッ セーラ「この後どうするんやー?」クルッ 二人が神社を後にすべく来た道を引き返す。 怜「京ちゃんっ」ギュッ 京太郎もそれに続くべく、後ろを向こうとするが片手をぎゅっと握られる事で立ち止まる。 京太郎「ん、どうしたトキ姉?」 怜「今年も一年仲良くよろしくなぁっ♪」ニコッ 京太郎「ん……当然だろ」ギュッ その手を握り返し、手を繋いだまま姉弟で神社を後にする。 そんな二人の顔には笑顔が浮かんでいた。 カンッ
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8月某日……夏 穏乃「おーい!きょーたろー早くー!!」フリフリ 京太郎「おい待てって穏乃!」 穏乃「待たん!うおりゃあぁぁぁ!!」ザッパーン 京太郎「ああ……怒られても知らねーからな!」 京太郎(どうも、須賀京太郎です今日は穏乃と二人っきりでプールに来てます) 京太郎(本来は穏乃は憧と二人で行く約束だったらしいけど、憧が急に用事が入ってしまい、他の面子も誘ったみたいだが……) 京太郎「消去法で俺かよ……」 穏乃「いいじゃん、京太郎も暇だったんでしょ?一人でプール来てもつまらないしさ、京太郎がいてくれて助かったよ」ニコー 京太郎「そんなに泳ぎたかったのかよ……」ハハ… 京太郎(初めは断ろうかと思ったけど……まぁ、穏乃が笑ってくれてるなら来て良かったかな) 穏乃「そりゃあ夏だからね、それに……」クルッ 京太郎「ん?どうかしたか?」 穏乃「この日のために水着を新調したんだもん、泳がなきゃ損でしょ!」ジャーン! 京太郎「へぇー、憧に選んでもらったのか」 穏乃「えぇ!?私まだ何も言ってないのに何でわかるの!?」ドキーン 京太郎「そーいうオシャレなのって憧が好きそうだしな、だいたいお前が選んだら動きやすそうなスクール水着とか着てきそうだしな」アハハ 穏乃「え、エスパー!?」ビクッ 京太郎「……いや、マジでスクール水着持ってくる気だったのかよ」 穏乃「むむむ……そ、そんな事より!あっちの方にもっと深いプールあるよ!行こう京太郎!」ザパパパ 京太郎「だから待てって!何で水の中でそんな早く動けるんだよ!?」 穏乃「ってうわぁ!?」ツルッジャッパーン 京太郎「しかも言わんこっちゃない……って」 穏乃「いやー、まさかプールで転ぶとは思わなかったよー」テヘヘ 京太郎「し、穏乃ーーー!!!!」ダキッ 穏乃「え……き、きょ、きょーたろー!!?」カァァ 穏乃(え?うそ?わ、わたし京太郎に抱きつかれ……え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!)ドキドキ 穏乃「え……や、京太郎!は……恥ずかしいよ……!!他のお客さんとかもいるんだよ……!!」カァァァ 穏乃(ど、どうしよう……きょーたろーの体おっきくて……わ、私……)ギュッ 京太郎「ば、馬鹿!静かにしろ!ていうかお前気づいてないのかよ!」ヒソヒソ 穏乃「へ……?気づいてないって……」 穏乃の水着(上)「ヘローベイビー」プカー 穏乃「」 京太郎「慣れない水着なんか着てくからこうなるんだぞ……!今なら誰にも気づかれてないしゆっくり近づけば……って穏乃?」 穏乃「………ふみゅう」カクン 京太郎「し、しずのぉぉぉーーー!!!!」オーーイ!!! 穏乃の水着(上)「ナミガオレヲヨンデルゼ!」スイーッ おわりー